「七生養護学校「ここから」裁判 (性教育不当介入事件)」に関連した、元校長先生への処分取り消しの判決が東京地裁から出ました。
今日の判決にはひとまず部分的には喜びたいと思います。
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東京新聞
【社会】 都教委の懲戒処分取り消し 元養護学校長が勝訴
2008年2月25日 19時06分
性教育の在り方が東京都議会で問題視された都立七生養護学校(日野市)の元校長金崎満さん(60)が、降格と停職の処分を受けたことに対し「実際には性教育を問題にしながら、別の理由で処分し不当」として、都教育委員会に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を認めた。
都教委は、学級編成に関する虚偽の報告や勤務時間中の飲酒など複数の処分理由を挙げていたが、渡辺弘裁判長は「最も違法性が高いと都教委が判断した虚偽報告は、その事実が認められない。ほかの理由による処分は重すぎ、裁量権の乱用に当たる」と判断した。
判決は、処分と性教育との関連には言及しなかった。
判決によると、金崎さんは1998年4月から2003年3月まで、七生養護学校で校長として勤務。別の学校に異動した後の03年9月、七生養護学校時代に学級数を水増し報告し教員を多く配置させたり、運動会後の反省会で職員と飲酒したりしたなどとして、都教委は降格と停職1カ月の懲戒処分にした。
(共同)
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また、この件に限らず折に触れて書いてきましたが、都教委も「恥」の概念があるなら上告はしないよう、強く願います。
しかし、そう思っていたら、このようなニュースがありました。
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TBS 動画ニュース 08/2/25
別件で降格、元校長の処分取り消し命令
東京都立の元養護学校校長が生徒への性教育をめぐり、別の理由で処分を受けたのは不当として、処分の取り消しを求めた裁判で、東京地裁は、東京都に対して、処分の取り消しを命じました。
都立七生養護学校の元校長、金崎満さん(60)は2003年、学級編成で不正に教員を増やしたなどとして、校長からの降格などの処分を受けました。
しかし、金崎さんは、この処分は生徒への性教育の内容を不適切だとすることの別件処分であり、不当だとして処分の取り消しを求めていました。
判決で東京地裁は、性教育については判断せず、「事実誤認があるうえ、処分も重すぎて裁量権を乱用したものと言わざるを得ない」として、東京都に処分の取り消しを命じました。
東京都は「大変遺憾だ。判決内容を確認して今後の対応を検討したい」とコメントしています。(25日15:21)
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この七生養護学校「ここから」裁判の詳細はNPJに解説があります:
http://www.news-pj.net/npj/2007/nanaoyougogakkou-20071123.html
また、「こころとからだの学習」 裁判を支援する全国連絡会のURLは以下の通りです。
http://kokokara.org/
ここからは私見です。
まさに「不当な介入」そのものの暴力性(精神的なダメージを受けた生徒も先生方も関係者も数知れないことでしょう)だけに留まらず、このことに対して、わたしが、始めてこの事件を聞いた当初から怒りに震えたのは、
「寝た子を起こすな」という誤解と無理解と人権侵害はなはだしい言説
「まるでアダルトショップ」という産経新聞の御用記事に見るような偏見
でした。
これらは、「養護学校の生徒には知らしめるな」という父権主義(なのかすら分かりませんが)というまずダイレクトな差別と、苦労をして作り上げた効果のある教育であっても都教委が「単に気に入らない」(あるいは理解できない)ものは、すなわち低俗愚劣であったり害毒をもたらすと見なしてしまい、わめき散らして靴底で踏みにじっても構わないのだとする差別、あるいは絶対主義に根ざすものだとわたしは考えます。
恐ろしくて詳しく書けませんが、この発想を延長させた先には、過去の陰惨な歴史を思い出させるものがあります。
この七生の教育は、「寝た子を起こす」(その考え自体の問題もありますが)という目的、つまりは性的な目覚めを促すものでは当然なく、健康のための教育であり、むしろ生徒を不用意な被害に遭わない・遭わせないための現実のニーズにも沿って思慮深く作られたプログラムであることがその教材内容から分かります。
また、環境的に、少なからぬ生徒たちが学寮で生活をしていることにもこの教育のニーズの一端があったそうですが、それは何も、生活訓練や親の事情ということだけでなく、親が同じく人でありごくわずかな違いを持っただけの子と共に暮らしたいと願うことが、時に保護者の経済力や保護責任をも壊してしまうような社会と福祉の状況がある、という点にも思い至ります。
この奪われた教材は、生徒たちの認知特性を十分に考えて試行錯誤を繰り返し、分かりやすい一連の内容を作り上げられたもので、その先生方、保護者の方々の努力の成果は、(何度目かの引用になりますが)わたしも少しだけ関わっている、以下の活動の理念にもよく合致するものです。
◆ユニバーサルデザインの7原則
The Center for Universal Design, NC State Universityによる原文
どんな人でも公平に使えること(Equitable use)
使う上で自由度が高いこと(Flexibility in use)
使い方が簡単で、すぐに分かること(Simple and intuitive)
必要な情報がすぐに分かること(Perceptible information)
うっかりミスが危険につながらないこと(Tolerance for error)
身体への負担(弱い力でも使えること)(Low physical effort)
接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること(Size and space for approach and use)
この事件は、あらためて、特別な場所で起こった特別なこと(と見る方もいらっしゃるかもしれませんが)でなく、極めて普遍的な性質を併せ持っていると言えます。
> 判決は、処分と性教育との関連には言及しなかった。
なぜ司法は争点となった問題には触れないのでしょう?
「規範」を謳う都教委の「行きすぎ」を諌めることになるからでしょうか?
「こころとからだの学習」裁判支援サイトから、『提訴の日に』を引用させていただきます。
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人形を返してください
子どもたちは人形が大好きでした
人形が登場すると、目を輝かせます
人形を抱くと、やさしい表情になります
あったかな気持ちになり、大事に大事に抱いていました
子どもたちから人形を奪わないでください
「からだ歌」を返してください
子どもたちは「からだ歌」が大好きでした
心地よいリズムの中
先生とじっくり気持ちを通わせながら
あたま、くび、かた・・・と
からだの部位を覚え
自分のからだを実感し、大切にする気持ちを育みます
子どもたちから、「からだ歌」を奪わないでください
すべての教材を返してください
分かりやすく工夫された手作り教材
子どもの一言から生まれた教材
試行錯誤の繰り返しから作り出された教材
どれも、私たちの宝物
私たちから教材を
奪わないでください
何故なのですか?
子どもたちの
親たちの
教師たちの思いを聞くこともせず
実際の学習場面を見ることもせず
「不適切な教育」「行き過ぎの教育」
と言い切ってしまうのは?
何故なのですか?
まるで犯人扱いの「聞き取り調査」
人形の下半身を裸にし
教師を恫喝
やくざまがいの脅し
子どもの見ている前での出来事でした
翌日の新聞には
「まるでアダルトショップのよう」の文字が躍る
あなたたちは、暴力で私たちを踏みにじった
私たちは、私たちの目の前で起こった全てを
真実を、伝えていく決意をしました
教育は子どもたちのためにあるべきと思うから
教育に自由を取り戻したいと思うから
指示、命令、処分で
言いなりにさせようとする
東京の教育のあり方に異議を唱えるために
(2005年5月12日の提訴の日に・・・)
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*この件に関するヘイトコメントにはお答えいたしませんので、予めお知りおきください。
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引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。
被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。
「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。
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