能登半島沖地震や中越沖地震では原発の震度計データが余震で上書きされて消失したと発表され、古くは柏崎刈羽原発の建設検討時の議事録がないと主張したり「発見」されたり、また20年前のなだしお事件の際にも航海記録がごまかされていたことは、今回イージス艦「あたご」の事故の一報を聞いたときから何度も思い出したことでした。

平常の事態でも年金記録は消滅し、ひとたび事が起こると必ず重要な情報が消失する「不思議な先進国」の姿がここにあります。


また、「あたご」では、すでに明らかになっている漁船発見時刻や回避行動不履行責任に加えて、案の定と言いたくもなる記録装置の未設置や記録不備が伝えられました。


木曜に家に戻って見た東京新聞の夕刊にいきなりこのトップ記事があり、航海記録装置が義務化されていない、だから搭載していない、そのシステム上の大欠陥には唖然としました。

東京新聞 【社会】

イージス艦『あたご』 航海記録装置なし 自衛艦には義務付けず 捜査に影響も
2008年2月21日 夕刊


 千葉県・房総半島沖で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が、マグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、事故直前の速度や方位などを記録する航海情報記録装置(VDR)を、あたごが備えていなかったことが分かった。装備義務は三千トン以上の貨物船などに限られ、自衛艦に装備は義務付けられていない。専門家らは「装置に記録されている情報は原因究明に不可欠だ。捜査への影響もあるのではないか」と指摘する。 


 VDRは、二〇〇六年の船舶安全法の改正以降、国際航海に従事する三千トン以上の船に装備が義務化された。航空機事故の際、事故原因の解明に役立つフライトレコーダー(飛行記録装置)と同じように、事故直前の速度や方向、船内での会話などを記録する。


 しかし、自衛艦の場合、船舶安全法が民間船を前提とし規定から除外されているため、VDRの装備は義務付けられていない。このため、事故原因を捜査する第三管区海上保安本部(横浜市)は、押収したあたごの航泊日誌やレーダーに残る記録などを頼りに、事故当時の航行状況を再現する必要があるという。


 一九八八年に三十人が死亡した潜水艦「なだしお」のケースでは、航泊日誌の改ざんが明らかになった。三管本部は「(船舶事故の場合)一般的に船員の供述が食い違うケースも多い。客観的なデータは原因究明に不可欠だ」とする。十分なデータが得られなければ、今後の捜査に影響する可能性もある。海難事故に詳しい松井孝之弁護士も「今回の事故の場合、相手船と『見合い関係』になる二カイリ(約三・七キロ)に接近したときに、衝突の恐れがあったのか、どうか。もし装置があれば、原因究明に必要な情報がすべて記録されていたはずだ」と指摘する。

ここで復唱してみます。


装備義務は三千トン以上の貨物船などに限られ、自衛艦に装備は義務付けられていない。


「自衛艦」であればこそなおさら、たとえ航海情報記録装置は法的に義務付けられていなくとも装備しなくてはならないのではないですか?

あくまで貨物船よりクリティカルな事態にあたることを想定した船舶なら自衛艦に限らず当然でしょう、という意味あいで、です。記録装置がなければ、自衛隊が考えるところの本来の任務も果たせないのではないでしょうか?


また、押収したあたごの航泊日誌やレーダーに残る記録がそれに代わるものとして用いられるそうですが、すると、すかさず織り込み済みのように都合良く、今度はレーダー記録が消失しているという情報が発表されました。

読売

「あたご」レーダー記録保存せず…海保、当直員から事情聴取


 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故で、第3管区海上保安本部(3管)は21日、あたごのレーダー記録が保存されていなかったと発表した。

 調べによると、イージス艦は演習時などにはレーダー記録を残すが、通常の航行時には記録しないこともある。3管では、あたごが最初から記録していなかったのか、事故後に何らかの原因で消えたりしたのかについて、艦橋や戦闘指揮所(CIC)などにいた当直員から事情を聴いている。


 レーダー記録があれば、清徳丸や僚船とあたごの位置関係、双方の回避行動の有無などが明確に裏付けられるはずだった。3管では記録がないことから、あたごから押収した海図や航海日誌、艦橋にある全地球測位システム(GPS)のデータを基にした「航法装置記録」、清徳丸や僚船のGPSデータを合わせて分析し、双方の航行状況の特定を急いでいる。航法装置記録からは、艦船の位置、速力、針路などが詳細に割り出せるという。


 また、午前4時の当直交代直後に起きた事故当時、当直は艦橋に10人、戦闘指揮所(CIC)に7人、機関室に8人、船尾部の見張りに1人が配置されていたこともわかった。

 また、3管は船体の実況見分などから、あたごは清徳丸の左舷からほぼ直角に操舵(そうだ)室に向かって衝突したと断定した。少なくとも衝突直前は、あたごが清徳丸を右に見ており、あたごに回避義務があった可能性が強まった。


 3管によると、清徳丸左舷の切断部付近の4か所であたごの灰色塗料が見つかり、あたごの右舷艦首からは清徳丸の塗料を検出。また、あたご右舷の喫水線上部に長さ53センチ、艦首先端に長さ58センチの傷を確認した。

(2008年2月21日21時23分 読売新聞)

大型船舶の航海に履行義務のある事項が、こと防衛艦であれば免責され、かつ管理責任もより甘いものでよいというはずがありません。

コストダウンの切り代になるような大きなものでもありません。


詳しく書く時間がありませんが、どこまで自衛艦の安全履行義務は緩和されているのでしょうか。


また、空の安全でも陸上の安全でも、防衛行為であれば免責されてしまう範疇はどれほどのものなのでしょうか??


それらは、本来十分対応されているはずのものであるため、防衛上の機密事項にも該当せず、最低限の「知る権利」の一環として公開されるべき情報に含まれるはずだと考えられます。


~~~

UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。

被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。

「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。

ブログランキング

(よろしければクリックをお願いいたします。ランキング:ニュース全般)


---

トラックバックピープル「自民党」 に参加しています。

トラックバックピープル「郵政民営化法案の凍結」 に参加しています。

トラックバックピープル「M&Aをやめろ!キャンペーン」 に参加しています。

トラックバックピープル「衆議院選挙 野党共闘に参加しています。

トラックバックピープル「自民党政治」 に参加しています。

News for the People in Japanリンク集 に登録していただいています。



   ***