日本の法務大臣である、テロリストの友達の友達である、名家の御曹司議員(弟)が、想像を絶する発言を繰り返しています。
今度は、志布志冤罪事件を、「あれは冤罪じゃない」と語ったそうです。不適格にもほどがあります。
晴天とら日和 08/2/14
『ハトポッポ(弟):こんなアホに法務大臣任せていいのか!(「冤罪」の意味も知らず辞書を引いたんだってさぁ。) 』
に、日本一詳細なまとめがあります(とらちゃん、ありがとうございます)。
ひょっとしてこの閣僚人事は、もともとが、司法をないがしろにしようという政府の深謀遠慮に基づくものなのではなかろうか、と空想すらしたくなります。
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司法といえば、司法カイカク改革の中でも、とりわけ来年から始まる裁判員制度を書かねばと思いながら、なかなかまとめることができないでいました。
このところ、韓国で市民参加裁判制度が始まった、というニュースがありますが(※)、こちらにも重要なコメントをお寄せくださるヤマボウシさんが、日本の裁判員制度の問題点まとめで重要な問題を提起してくださっています。
まずは(年度末のため、転載エントリーが多いことをお許しください)、全文引用させていただきます。
ヤマボウシさん、ありがとうございます。強調は引用者によります。
裁判員制度の深刻な問題性に気が付くときが来た
投稿者 ヤマボウシ 日時 2008 年 2 月 08 日 12:18:42: WlgZY.vL1Urv.
裁判員制度にはかねがね問題が多いと思っていながら、正直なところ、(広範囲に調べたり考えたりする必要があるので)荷が重く感じられて、まとめて考えるのは先送りしてきました。しかし、制度の実施がもう来年に迫ってきたということと、下記のような報道があることで、もはや黙ってはいられない気分となりました。
[引用開始]---------------------------
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080206-OYT1T00880.htm?from=top
初公判から判決まで「連日開廷」…東京地裁、4月から = 読売新聞
来年スタートする裁判員制度を前に、東京地裁は今年4月以降、殺人など対象となる全事件について、初公判から判決までを原則数日間で終わらせる「連日開廷」とする方針を固めた。
国民が参加する裁判員裁判の約9割は連日開廷で5日以内に終えると想定されているが、同地裁は、プロの裁判官による現行刑事裁判でこれを前倒しすることで、制度の順調な滑り出しを図りたい考えだ。
来月上旬、東京地検と東京の3弁護士会との協議会で正式提案し、協力を求める。
裁判員裁判の対象となるのは殺人や傷害致死などの重大事件で、最高裁によると、2006年には全国で3111件、東京地裁では388件。初公判から判決までの平均審理期間は6か月だが、被告が否認している事件では1年以上かかるケースも少なくない。
これを3~5日で終えるため、同地裁はまず、初公判前に検察、弁護側の主張を整理して争点を絞り込む「公判前整理手続き」を全対象事件に適用する。06年にこの手続きがとられた対象事件の平均審理期間は1・3か月に短縮された。
さらに、証拠や証人の数を減らしたり、証人尋問などを効率的に行ったりすることで、連日開廷を実現させたいとしている。
同地裁の方針について、ある検察幹部は「全く異論はない」と、前向きの姿勢を示す。カギを握るのは弁護士側の協力だ。組織的な対応ができる検察と違い、各事件を個々に担当する弁護士にとって、連日開廷となれば、その間、他の弁護士活動が全くできなくなるなど大きな負担がかかる。
このため、国選弁護人を複数つけたり、公判前整理手続きの進め方や開廷時期などで弁護士側に配慮したりするなど、負担軽減が図られることになりそうだ。
同地裁の刑事裁判官は「裁判員制度が始まれば連日開廷は避けて通れない。本来、審理計画は個々の裁判官の判断に任されるが、制度がスムーズに開始できるよう、すべての刑事裁判部が連日開廷を目指すことで一致した」としている。
(2008年2月7日03時02分 読売新聞)
---------------------------[引用終了]
そもそも裁判員制度を新設する理由について、「国民のみなさんが刑事裁判に参加することにより,裁判が身近で分かりやすいものとなり,司法に対する国民のみなさんの信頼の向上につながることが期待されています」と政府は述べています(http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/reason.html)。
どうやら、「司法に対する国民の信頼の向上」が最大の目的で、この目的を達成するための条件として「裁判が国民に身近で分かりやすいものとな」ることを挙げ、さらにこの条件を具体化するための手段として「国民が刑事裁判に参加する」ことを強制しようとしているようです。この順番で書いていないところには、目的に対する手段にあたかも選択の余地がないかのごとくであり、それを既成事実化しようとする専横さを感じます。
わたしは「司法に対する国民の信頼の向上」を目指すこと自体には反対ではありません。しかしながら、そのためにはまず「信頼に足る司法」を確立・維持することが王道だと考えます。つまり、裁判員制度は「司法に対する国民の信頼の向上」のために司法の側の努力でなく、国民の側の努力を要求する制度なのです。言い換えれば、信頼される側よりも信頼する側に努力を要求するという世の良識にも反した制度なのです。この点について書き始めると、別に1本またはそれ以上の論考が必要になるので、他の機会に回します。
そこで、仮にこの王道以外の道も考えることが必要だとして、それが「裁判が国民に身近で分かりやすいものとな」ることであり、これを具体化するための手段が「国民が刑事裁判に参加する」ことなのでしょうか。
たしかに「裁判が国民に身近」になれば、「司法に対する国民の信頼の向上」が促進されることもある可能性は否定できませんが、後述する問題と引き替えにして割が合うかどうかは大いに疑問です。
また、一般的にも「身近」なものがすべて「分かりやすい」とは限りません。裁判が「身近」になったとしても、「分かりやすい」かどうかは個々の裁判の内容次第でしょう。「身近」にすれば「分かりやすい」ものになるという発想は、「信頼の向上」という観点においても、往々にして人命にもかかわる重大事としての裁判という観点においても、あまりにも軽すぎると言わざるを得ません。
加えて、参加するのが刑事裁判だけというのも納得いきません(当初の案では民事裁判だけだったという話もあるようですが、これについても別の機会に譲ります)。民事裁判は「身近」にする必要はないのでしょうか。また、単に「身近」にしたいならば、模擬裁判でもさしつかえないでしょう。むしろ模擬裁判のほうが、得られる経験に偏りがないように調整が可能なため、実際の裁判よりも「教育効果」があることが考えられます。なお、刑事裁判には死刑という重大な問題も含まれるわけですが、これについても別の機会に譲ります。
こうした中での上記の報道です。このような裁判員制度のために、東京地裁は《殺人など対象となる全事件について、初公判から判決までを原則数日間で終わらせる「連日開廷」とする》というのです。常識に照らして、死刑事件までも含む「全事件」をどうして一律「原則数日間」で終わらせることができるのか、まったく理解できません。これまでは《初公判から判決までの平均審理期間は6か月だが、被告が否認している事件では1年以上かかるケースも少なくない》とされるのに、一律「原則数日間」で終わらせるとは……。
これは大幅な手続きの変更を意味するとしか考えられませんが、実際、上の記事では「公判前整理手続き」を全対象事件に適用するとしています。そして、この手続きによる過去の実績は平均で「1・3か月」の短縮であったとしながらも、一律「原則数日間」という方針には無批判で記事を書いているわけです。いくら、《証拠や証人の数を減らしたり、証人尋問などを効率的に行ったりすることで、連日開廷を実現させたいとしている》というにしても、あまりにも差が大きすぎます。
《同地裁の方針について、ある検察幹部は「全く異論はない」と、前向きの姿勢を示す》とは、当たり前の話でしょう。裁判での検察側の主張を一方的に通すことを念頭に置けば、「原則数日間」は造作もないはずだからです。《カギを握るのは弁護士側の協力だ》とは、よく書くものです。「原則数日間」ができなければ、それは弁護士側の責任ということでしょう。弁護士側の組織的な問題を挙げていますが、そもそも背景も含めれば多様極まりないはずの死刑事件までも含む重大事件を一律「原則数日間」でどうして片付けられるのでしょうか。
同地裁の刑事裁判官は「裁判員制度が始まれば連日開廷は避けて通れない」と言っているそうですが、そうだとすれば同地裁だけの問題ではないでしょう(記事にはこの指摘さえもない!)。「連日開廷」は司法の大変化であると考えざるを得ず、それは検察側の主張を一方的に通す司法の大改悪にもなりかねません。「司法に対する国民の信頼の向上」を目指して裁判を「身近」にするという裁判員制度のために、この重大事が生じるとすれば、これはもう本末転倒以外の何物でもありません。
大体が、「連日開廷」はプロにとっても大問題であることは容易に想像がつきますが、素人の裁判員の多くにとっては本業などとの兼ね合いで望むところであると同時に、その日程消化自体が裁判内容以上の優先事項となる可能性を誰が否定できるでしょうか。これもまた本末転倒です。
しかし、いずれにしても、裁判員制度がもたらすもののうち「司法に対する国民の信頼の向上」よりも「連日開廷」のために検察側の主張を一方的に通す可能性のほうを重大とみなすとすれば、本来の導入の意図は重大なほうにあったのではないかという疑念がふつふつと湧いてくるのです。
なお、海外の陪審員制度との比較も必要でしょうが、これも別の機会です。
裁判員制度のサイト では、上戸彩ちゃんがさわやかな笑顔で登場しています。
FAQ(よくある質問とその答え)カードを持って説明する内容は、雑誌広告にもなっています。
もちろん、「いいことづくめ」の解説です(子ども向けもあります:裁判員制度forキッズ )。
それにしても上記でヤマボウシさんがまとめてくださっているように、連日開廷ありきで段取りされた制度の日程感と、現実的に十分な審議を尽くすために必要とされる検討量の乖離には、驚かされるばかりです。
・刑事事件に「国民の皆さん」を参加させる
・「公判前整理手続き」を全対象事件に適用する
・「連日開廷」
(司法の大変化であると考えざるを得ず、それは検察側の主張を一方的に通す司法の大改悪にもなりかねません)
といった点に、大きな注意を払わなくてはならないと思っています。
死刑執行をベルトコンベヤー化したい(乱数表など)、という恐ろしい発言を舞台に登場するやいなや語った鳩山法相なみ、と言ってもいい、自動化の発想があるように見えてなりません。
この件については、できれば続けて書いていきたいと考えています。
(※)韓国の事例
TBS動画ニュース 08/2/13
韓国で市民参加型の裁判制度スタート
日本では来年から裁判員制度が始まる予定ですが、お隣の韓国では、ひと足早く、一般市民が参加しての裁判が始まりました。
韓国で始まった「国民参与裁判制度」、無作為に選ばれた人のうち、正当な理由が無ければ参加を断れないという点は、日本の裁判員制度と同じです。呼び出しを受けた人のうちの何割が裁判所に足を運ぶのか、全て手探りの状態で最初の裁判を迎えています。
12人の陪審員を確保するために、この日、呼び出された人は230人。裁判所の予想を大きく上回る87人が集まりましたが、理由無く欠席したとして、90人が罰金の対象となりました。
「孫の世話のため、嫁に会社を休ませた」(呼び出された人)
適性検査とくじ引きを経て選ばれた12人が取り組んだのは、強盗傷害事件の裁判です。日本の検事らも傍聴する中、審議が始まりました。
検察側が、懲役5年以上を求刑したのに対し、陪審員側は、被告が犯行後、被害者を病院に連れて行き、自首する意思を示したことを考慮し、減刑すべきと主張しました。裁判官もこの意見を支持し、執行猶予付きの有罪判決を下しました。
どうすれば制度を円滑に実施できるか、量刑に対する市民感覚はどういうものなのか、日本で来年から裁判員制度を始めるにあたって、参考の一つになりそうです。(13日10:14)
「量刑に対する市民感覚を参考とする」、とは、なんだかとっても便宜的(市民感覚に補正係数をかければよいとする自動計算が成り立つかのような)で、無批判な見解に聞こえてしまいます。
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引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。
被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。
「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。
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