夕刻になって、携帯に朝日新聞のヘッドラインが入ったのですが、


「低炭素社会」訴え

第169通常国会が召集。福田首相は地球温暖化対策を重点課題に「低炭素社会への転換」を打ち出した。


とありました。


「低炭素」をアピールしていて(これは教育再生の代わりに加えられた基本方針です)、なんだか猛烈に好意的なニュアンスに読み取れてしまいます。


原子力ルネサンスの甘利大臣が居残りし、マダム寿司も環境番組などで売れっ子だそうで、洞爺湖サミットに向けてのアピールに朝日新聞も協賛しているのか、と「邪推」してしまいますが、いや、きっとわたしの認知の歪みなのだろうと、といったん無理して苦笑してみたところで、朝日の記事の全体を読んでみました。


ところが、でした・・・。

asahi.com 低炭素社会の実現訴え 福田首相が施政方針演説

2008年01月18日15時26分


 第169通常国会が18日、召集された。福田首相は同日午後の施政方針演説で、地球温暖化対策を内閣の重点課題に据え、世界の先例となる「低炭素社会への転換」を打ち出した。さらに今年を「『生活者や消費者が主役となる社会』へ向けたスタートの年」と位置づけ、消費者行政の一元化に向け「強い権限を持つ新組織」創設を表明。衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」を踏まえ、「野党の意見も積極的に取り入れる」と強調し、野党に協議を呼びかけた。

 首相はまず、国政の「五つの基本方針」として、(1)国民本位(管理人注: 法人も国民の一環である、という詭弁は無しです)の行財政への転換(2)社会保障制度の確立と安全の確保(管理人注: 社会保障体制は確立されていなかったと認めていますね)(3)活力ある経済社会の構築(管理人注: 税制改革に要注意です)(4)平和協力国家日本の実現(5)低炭素社会への転換――を掲げた。(管理人注: 結局、基本方針は要注意メッセージばかりです)

 なかでも、地球環境問題の重要性を強調。省エネ技術など日本の持つ「環境力」(管理人注: 鈍感力の仲間でしょうか?)を最大限活用、7月の北海道洞爺湖サミットを「我が国の環境問題への取り組みを世界に発信する大きなチャンス」と位置づけた。(管理人注: ああ、やっぱりこの展開でした)

 安倍前政権が打ち出した温暖化対策の長期戦略「美しい星50」を具体化し、温室効果ガスの排出をゼロに近づける(管理人注: 温室効果ガスの定義も、近づけるの定義もさじ加減次第ではないでしょうか)技術開発を目指す「環境エネルギー技術革新計画」の策定や、自治体と連携して「環境モデル都市」をつくる方針も示した。有識者による環境問題懇談会の設置も表明した。

 さらに、「環境面で世界をリードしていくためにも外交力の強化が不可欠だ」とし、安全保障に限らず、温暖化や貧困など地球規模の課題解決にも積極的に取り組む「平和協力国家」を掲げた。

 もう一つの大きな柱が、首相就任以来訴えてきた「消費者重視」。「役所や公の機関がむしろ国民の害となっている例が続発している」と認め、行政や政治を「国民本位に改める」と強調した。具体的には消費者行政担当相を常設し、複数の省庁にまたがる消費者行政の窓口を一元化して「新組織」を設置する(管理人注: 消費者担当相の設置ですが、以前野田聖子議員の名が挙がっていましたね)

 年金記録問題では「私の内閣で解決するよう全力を尽くす」と明言。持続可能な社会保障制度のため、「安定した財源を確保しなければならない」として、近く立ち上げる社会保障国民会議などを通じて「消費税を含む税体系の抜本的改革について早期に実現を図る必要がある」との考えを示した。また、「各党各会派が胸襟を開いて、話し合いが行われることを強く望む」と野党側にも議論に加わるよう促した。

 昨年10月の所信表明演説では触れなかった憲法改正については、「すべての政党の参加の下で、幅広い合意を求めて真摯(しんし)な議論を期待する」と述べた(管理人注: やっぱり出してきました!)自衛隊が海外で活動する基準を定める一般法(恒久法)については「迅速かつ効果的に国際平和協力活動を実施していくため検討していく」と述べたが、法案提出時期など具体的なスケジュールには触れなかった。

なんという素晴らしき客観報道・・・

朝日さん、もはや(時事通信調べ)支持率35%を割った(※)内閣のプロパガンダ垂れ流しではないでしょうか?


  年金記録問題では「私の内閣で解決するよう全力を尽くす」と明言。


とありますが、これは何か、言ってみれば、


脳内イメージ/ 200X年X月 フクダ元総理:

「あのね、私の内閣の次の内閣がたとえもし自公連立政権であったとしてもね、それは関係ないって言っていたでしょ。あとはね、何も解決するなんて一言も言ってないわけですよ、全力を尽くしましたよ私は、マスゾエさんも本当によく協力してくれました」


などと後々の布石を敷くための予防線を明言したに過ぎません。

書いていて異常に空しくなって、突っ込んだことに大きく後悔しています。。


そしてここで、内閣支持率です。

これだけのオブジェクションが民意として大声で挙げられている事実を背景にして、なぜ大新聞は政府に「筋をただす」ことができないのか、上掲の朝日の記事には再び恐ろしさを覚えます。

(※) 時事ドットコム 2008/01/18-15:08


内閣支持34.5%、大幅ダウン=不支持が逆転-時事世論調査


080118内閣支持率(時事通信)

 時事通信社が11日から14日にかけて実施した1月の世論調査によると、福田内閣の支持率は34.5%と、前月比5.6ポイントの大幅減となった。不支持は同5.6ポイント増の39.8%。昨年9月の福田政権発足以来、初めて不支持が支持を逆転した。該当者不明の年金記録約5000万件のうち一部の特定が困難となった問題を受け、政権批判が高まったことが響いたとみられる。
 薬害C型肝炎訴訟をめぐり、福田康夫首相は議員立法で被害者全員を一律救済する政治決断をしたものの、4割台の支持率を維持できなかった。
 不支持の理由(複数回答)は「期待が持てない」が同2.0ポイント増の23.3%でトップ。これに「リーダーシップがない」14.1%、「政策がだめ」10.2%などが続いた。支持の理由は「他に適当な人がいない」が14.2%で最も多かった。
 年齢層別に見ると、不支持は前月2割台にとどまった20歳代でも41.7%と同15.2ポイントの大幅増となった。60歳以上を除くすべての年代で4割を超えた。支持で4割を超えたのは70歳以上の44.8%だけだった。
 男女別では、不支持は男性47.9%、女性32.2%。支持は男性32.9%、女性が36.1%だった。

給油再開と憲法、年金、揮発油税、加えて「消費者担当相」と「環境エネルギー技術革新計画」には今後も注意を払っていきたいところです。


それにしても低炭素を語る前に、真に低環境負荷の代替エネルギー開発は、「環境エネルギー技術革新計画」でなされるのかはなはだ疑わしく思ってしまいます。


また、もしも政府が単なるキャンペーン以上の真意をもってCO2の効果をそれほどまでに深刻に思うのならば、化石燃料の無駄な使用を控えることは、日本国内だけでなくインド洋でも行っていただきたいものです。


~~~

さらに、ちょうどこの、通常国会開幕と偶然にも機を一にして、新潟日報でこんな報道がありました。


国(原子力安全委員会)が無くした、とか、そもそも無かったと話していた、あの柏崎刈羽原発1号機設計当時の部会議事録の写しが東電に保管されていたそうです。


議事録紛失については、

◆参考: 08/1/10

何らかの理由で廃棄されている可能性のある柏崎刈羽原発1号機審査部会議事録(新潟日報)

でご紹介しています。

新潟日報 08/1/17 東電倉庫に原発部会新資料か

 国が、東京電力柏崎刈羽原発1号機の安全審査を担当した部会議事録を保管していなかった問題で、東電は17日、同部会の議事概要を記したと思われる書類の写しが社内で見つかったため、原子力安全委員会に届けたと発表した。安全委は議事録に当たる資料かどうかの確認を急いでいる。

 見つかった書類が当時の議事録の写しだとすると、国が作成していたことを裏付ける証拠となる。その場合、国が誤って紛失したか破棄したことが確実となり、重要書類の管理のずさんさがあらためて問われそうだ

 東電や安全委によると、書類は11日、都内にある同社所有の倉庫で見つかった。1975年から約2年間に計79回開かれた安全審査部会と三つの分科会の書類がすべて残っており、計百数十ページに上る。議題の項目や配付資料名のほか、出席委員、開催日時、場所などは示されているが、詳細なやりとりは記されていないという。

 書類は東電の原子力関係の資料保管場所ではなく、訴訟関係資料が置いてある場所で発見された1号機をめぐっては地元住民が国を相手取って設置許可取り消し訴訟を起こしており、国は裁判の答弁で「審議の経過を逐一残すことは本来不必要」などと議事録の存在を否定していた。今回の書類が議事録と確認されれば、この答弁との矛盾が生じてくる。

 審査を受ける側の東電が審査概要を記したとみられる書類の写しを所有していた理由について、東電は「入手した経緯は分からない」と説明。「1号機の訴訟対策の一環として持っていた可能性はある」としている。

 1号機の議事録については、国は新潟日報社の情報公開請求に対し「保有していない」と文書で回答。「作成されたかどうかも分からない」としていた。しかし、部会事務局を務めた旧科学技術庁の元職員2人は取材に「担当者が作成したはずだ」と証言していた。

 安全委は本社の報道などを受け、東電に対し同部会の関連資料を保有しているかどうかの調査を依頼していた。

新潟日報2008年1月17日

この「低炭素国会」会期中にどんな言い訳がなされることでしょうか(怒)。


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UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。

被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。

「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。

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