高知県の白バイ衝突死事件での控訴棄却判決で挙げられた裁判官の暴言をあちこちのブログで拝見して、判断停止・権力迎合ぶりに驚きました。


 「供述者が第三者というだけで、その供述が信用できるわけではない」


◆この事件に対してのKSB瀬戸内放送の動画はこちら:

http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=4&sid=7


わたしの自宅の前も緩やかな坂道でもある準幹線道で、深夜になると80キロ以上を一般車両が当たり前に出しています。


取り締まりのために頻繁に白バイが控え、しばしば法定速度をオーバーした車両やバイク(ほとんどすべてが該当しますが・・・)を追いかけ、視野の悪い箇所から急発進します。

個人的には、その急発進があまりに唐突に思えることもあり、お年寄りの施設も近くにあるため、とてもひやひやしています。

みなさんがすでに書かれているとおり、この高知の事件は冤罪が強く疑われることの反面で、報道がほとんどありません。

権力にとっての「都合の悪さ」を封印する意図がしっかり機能しているようにも思え、その逆に、本来の民主主義の要件である「三権(報道も含めて四権)分立」が機能不全であることを想像しないではいられません。


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また、『浜岡原発判決裁判長の「柏崎刈羽を引き合いに出すやり方」に不審感と危惧を覚えます 』で挙げたように、先月末の浜岡原発の差し止めへの棄却では、裁判長から以下のような説明がありました。

審理期間以降の現実ならは、いくら軽んじてもよいという発想としか思えませんが、上の高知の事件での発言と同じマインドが見て取れます。

 宮岡裁判長はその上で、柏崎刈羽原発と浜岡原発では立地や設計が違うことを指摘。「柏崎刈羽原発の事例を持って直ちに浜岡原発の耐震設計が不十分ということは出来ない」との判断を示した

◆関連する記事:

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)

不当判決を斬る~浜岡原発差し止め訴訟弁護団海渡雄一弁護士


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さらにはこの4月、不法入国ではなかったアミネ・カリルさんご一家が、(高裁判決を覆した)最高裁の判断で、家族として引き離されたことを思い出します。


当時の長勢法相から、マリアムさんの日本留学を認めたのは、「日本人の優しい思いやりをもって人情ある措置をした」という、暴言がありました。


◆アミネさんご一家に関する経緯:

 『アミネさん一家のために皆様へのお願い 』(在留特別許可取得一斉行動弁護団)

◆弊ブログエントリー:

アミネさんご一家の記事に涙、三権(四権)分立の機能不全を思う

 (こちらで挙げた空港でのご一家の別れの写真と「泣いちゃだめだよ」という言葉を見ると今でも涙がこみ上げます)


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アミネさんのご家族のことを書いた、上掲の4/27のエントリーでも挙げたように、三権分立(Wikipediaの4/27時点での記載) をまず再掲します。


三権相互の関係
裁判所と内閣の関係は、司法の独立があるものの、密接である。最高裁判所の長官は、内閣が指名し、天皇が任命する。最高裁判所のその他の裁判官は、内閣が任命する。下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。このほか、判事が法務省などの行政機関に出向して行政事務を行い、あるいは、検事が裁判所に出向して判事になるなど、判検交流と称される人事交流も広く行われる。このように、内閣が裁判官人事に深く介入しているためか、行政事件は裁判所が審理裁判するものの、行政に不利な判断は滅多に示されない。また、裁判所では、いわゆる司法消極主義の態度が広く見られ、政治部門に対する法的判断は控えられる傾向にある。このような裁判所と内閣の関係は、戦前の司法行政権の名残であるとも言えなくはない。地方裁判所・高等裁判所で地域住民の訴えを認めた判決が、最高裁判所に上告されると判決がくつがえるなどの事例も多く、日本国の三権分立は、司法権が行政権に支配を受けやすい状態であるといえる。

ただし、行政が司法の任命権を持つことは世界の権力分立制度に共通のものである。これらの国との違いは、日本において政権交代が著しく少ないことが原因とする考えもある。アメリカの場合は、上院の承認さえクリアすれば、大統領によってより恣意的に合衆国最高裁判所の判事の選任が行われる。しかし判事の任期は終身であることから、辞任した判事の後任を任命することしかできないため、数年に1人程度の任命しかなく、結果的に共和党と民主党の交代に伴って、判事がバランスよく配分されることになる。このような状況は、日本では自民党政権が長期にわたっているためあまり無く、行政と司法の距離を特に近づけているとする考え方である。


その他の権力分立 から引用)
また、報道を「法律を伝達する権力、第四権力」として含めて四者として、四権分立(しけんぶんりつ)と呼ぶこともある

報道は、三権分立制度が長期政権での運用下でゆがみや不全をもたらしたとき、チェックとバランスを保つために持てる力を発動すべき存在でなくてはなりません。

今さら感はあるでしょうけれど、きれいごとではなく、よってもう一度引用させていただきます。

Wikipedia 四権  より

権力を 4 者に分ける基準は、法律に関る案件を実行するか、政治家への遠近(独立するか、付着するか)という点で異なる。

法律の面で権力を分ける場合:政治家は法律を作り、官僚は法律の窓口となり、裁判官は法律に合っているかを審査し、報道者(ジャーナリスト)は法律の内容を伝える、という機能を持つ。報道者は、官報を除けば政府機関に属してはいないが、他の権力と似た影響を持つ意味で、権力の範畴に入れる。

政治家への遠近で権力を分ける場合:政治家、経済家、官僚、報道者に分けられる事が通例である。これは、大企業(経済家)が金銭力と影響力を増して立法機関(政治家)と付着し(政経の親近性)、次いでジャーナリズムを左右している事に因む。

その頃、SOBAさんから教えていただいた、「直言」での植草さん(わたしの認識としては、植草さんも冤罪とたたかっています)の、三権分立をについて挙げた記事をまた改めて引用します。これもまた弊ブログの『植草さんの三権(四権)分立危機への指摘、瀬戸内寂聴さんのお話 』からの再掲にはなりますが、高知の件、浜岡原発の件を踏まえてぜひお読み下さい。

「直言」特別鼎談volⅠ
第5回「腰砕け民主党と傲岸自民党公明党が作った"魔界"の正体」


植草:「権力の創出」と「権力のけん制」という言葉があり、政治学者が使います。大統領制と議院内閣制を比べた場合、大統領制は一般的なイメージとは逆に「権力のけん制」の側面を強く持つ。それは、行政権の長である大統領とは独立に連邦議会議員を選んでいるわけです。議会多数派と大統領の所属政党が異なる場合はよくあるのですが、この場合には大統領の提案が議会をなかなか通りません。立法府と行政府が互いにけん制し合うわけです。


 これに対して議院内閣制の場合、行政権の長である内閣総理大臣を国会議員の中から選びますから、議会多数派と行政権力=内閣は基本的に同一なわけです。その時に司法はどうかというと、司法のなかに青年将校がいるかもしれないけれど、司法当局の幹部は基本的に法務省人事の範疇に入りますから、最終権限は結局、内閣総理大臣に帰着する。内閣総理大臣が最高権力者で三権の中で突出した権力を保持することになる。


 日銀の独立性の問題とも重なるところが多いのですね。日銀の独立性が叫ばれますが、日銀の意思決定を行うのは、総裁1人と副総裁2人、審議員6人の合計9 人です。9人で多数決ですから5人をコントロールできれば、日銀を支配できる。この9人を誰が選ぶかが問題になりますが、最終的な任命権者は内閣総理大臣なんです。
 内閣総理大臣が権限をフル活用すると三権の頂点に君臨する存在になる。議院内閣制は絶対権力を創出する「ポテンシャリティー」を持つ仕組みなんですね。これまでの日本では、「自己抑制」がどこかで働いて、自民党の総裁であっても、タテマエ上、人事権をフル活用することは不可能でないのですが、それを行使した人はいなかった。派閥均衡というのは権力者の権力行使における「自己抑制」なんですね。内閣総理大臣は司法の問題について介入しようと思えば介入できるわけです。人事権を通じて。日銀もそうです。


 戦後の日本では政治権力者の「自己抑制」によって「三権分立」のタテマエが曲がりなりにも成立してきたと思います。小泉首相はこの不文律を根こそぎ破壊した最初の人間ではないか。内閣総理大臣が「自己抑制」を捨て去れば三権の頂点に君臨することは不可能ではない。「権力を持つ者が活用できる権利を 100%フルに活用するのは当然である」と考える発想法は、「市場原理主義」そのものと言えるのではないでしょうか。

 アメリカ人と日本人の違いを表す逸話で私がよく用いるのは、卑近な例ですが、混み合っている駐車場で空きスペースを捜しているときに、2台の車が同時に空きスペースを発見したとします。多くの日本人は相手と目を見合わせて譲ろうか入ろうか迷います。アメリカでの経験を踏まえれば、アメリカでは間違いなくアクセルを踏んで自分が真っ先に入ろうとします。


 アメリカ社会のシステムは、基本的に相互不信を前提にして形成されているという印象を私は強く持っています。勝つか負けるか。弱肉強食ですから、自分の権利を100%活用して戦ってゆくしかない。自分の安全も地位の向上も権利を100%行使して勝ち取ってゆくものだとの前提が置かれているような気がします。だから、他者に対する配慮を自ら進んでするようなゆとりは存在しない。権力は100%行使が当然なのかも知れません。
 ルールは明確にしておき、ルールの解釈には寸分の狂いも生じないようにして、すべてを割り切っていく。これが市場原理主義だという気がします。内閣総理大臣がタテマエ上の権力を100%行使したら、過去の権力者の100倍位のことができると思いますね。これをやっているのが小泉首相でしょう。見方によっては斬新に見えるかも知れないが、ただ品格がないだけでしょう。


 内閣総理大臣が国会を支配し、司法を支配する。第四の権力とも第一の権力とも言われるのがマス・メディア。いろいろなメディアがありますが、巨大メディアは行政権力のコントロール下にありますから、メディアが利益を追求するなら、権力を100%行使する権力者が出現したら、迎合しなければ事業として成り立たなくなります。現在がまさにこの状況です。

(略)

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柏崎刈羽原発の3号機で、きわめて重要な配管(非常時に臨界を止めるための配管)のカバーに損傷が発見されましたが、家族によればこれもTVでは報道されていなかったようだ、とのことです。


今後、浜岡原発のように停止を求めた訴訟を起こしたとしても、このような状況下では、最悪のケースですが「たとえ配管に損傷があってもただちに危険性があるとは言えない」などと語りながらの司法判断が出てこないとも言い切れません。

中国新聞 検査装置動きカバー損傷 柏崎刈羽原発の重要配管

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市・刈羽村)の3号機で、新潟県中越沖地震の揺れで原子炉建屋内の部屋にあった約1・5トンの検査装置が動き、原子炉につながる重要な配管のカバーと接触、カバーが損傷していたことが1日、分かった。

 この配管は、炉心に制御棒を挿入できない非常時に、原子炉内の核分裂反応を抑えて未臨界状態にするホウ酸水を注入する。配管自体には損傷はなかった。

 動いたのは超音波試験の関連装置で、動かないよう固定する措置はしていなかった

 経済産業省原子力安全・保安院は、同日開催した作業グループの会合でこの事例を明らかにし、「固定されていない装置が地震で動き、安全上重要な機器に損傷を与えないよう早急に対策を取る必要がある」と、ほかの原発に注意を促した。
(初版:11月1日16時30分)

余談ですが(冗長になりますが)Googleで調べた時事ドットコムのニュースは消えていました。


時事通信 2007/11/01-18:39 重要配管のカバーにへこみ=柏崎刈羽原発3号機-東電


新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発3号機で、地震の揺れで動いた別の機器が近くにあった安全上重要な配管にぶつかり、配管の保温用カバーがへこんでいたことが1日、分かった。配管そのものに損傷はないが、同社は機器を固定するなどの対策を行うとしている。

(キャッシュより冒頭部)

キャッシュにあったサムネイルなので小さく、解像度もありませんが、このような画像がついていたようです。
071101時事ドットコム

アベ内閣という、きわめて理解しやすい怪しさの炸裂し続けた内閣では、頻繁に考えざるを得なかったことを、実態は変わっていない現在も、続けて心に留めておく必要があります。


【11/3に差し掛かってからの追記】

SOBAさんから、上のサムネイルの元画像の存在を教えていただきました。

ありがとうございます!


雑談日記(徒然なるままに、。)

Rolling Beanさんが紹介していた、柏崎刈羽原発3号機重要配管のカバーにへこみの元写真見つけた。Webから消し忘れかもね。(笑)


こちらでお知らせいただいたYahoo!ニュース

重要配管のカバーにへこみ  とその魚拓 です。

情報開示の写真を黒塗りした担当部門(というものがあるかどうかは存じ上げませんが、喩えです)も、今からYahoo!ニュースの掲載期間を前倒しして潰すことはできないでしょう。


(クリックでさらに拡大)
重要配管のカバーにへこみ


地震で震度6強を経験した知人の会社では、工場に設置されているステンレスのガス配管がちぎれて垂れ下がっていた、と聞いたことも覚えています。

上の写真では、カバーには(内部の配管より剛性の低い素材でできているでしょうけれど)しわのようなものがよっています。となると配管自体にもかなりの応力ひずみがあることは想像に難くありません。


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UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。

被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。

同時に風説被害解消を挙げつつ安全宣言をいたずらに急ぐ政府・企業方針に懸念を覚えます。


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