余命3ヶ月と宣告を受けていた大林監督。
肺がんと戦いながら制作されたこの映画。
監督のみなぎる生命力を感じた。

圧倒的なパワーで、強烈な作品だった。

今迄に観たことのない映像美。
全カットほぼ合成されているのだとか。

登場人物と背景、どれもが明らかに「合成だよね、」と感じるのだが、
そのアナログさが美しくひとつの幻想的な世界観を造り出している。

常盤貴子・満島真之介・矢作穂香がとても美しく、まるでスクリーンの世界にしか存在し得ないような人物だと感じた。 


赤い薔薇、赤ワイン、赤い口紅。
指先から溢れる血、喀血。

これらの場面を何度も反復して表現されていたため、その映像が頭から離れない。

血は、「人間の生きている証」と捉え
あのような見せ方をされたのだろうか。


青春を謳歌する彼らも、
戦争が始まったことで
その青春が消耗されていく。

戦争。
お国のために死ぬという考え方。

病気で若くして亡くなってしまう人。
戦争で戦死する人。


生きるとは何か?


青春、友情、性欲、不良、冒険
何だか色々な部分が絡み合った1つの芸術作品を味わった感じでした。


檀一雄さん×大林監督
観れて満足でした。