緊急事態宣言が出てますます息苦しい日々となった。年金生活者の私は家に居さえすればいい。とはいえ、自粛生活にも問題はある。コロナ離婚もコロナ虐待もないが、コロナ太り、コロナ鬱、コロナ認知症が心配である。毎日の散歩だけでは運動不足感がある。

 

 この頃、長く座っているのは健康に悪いと言われるようになった。会社の業務も会議も立ったまま行われ、アップルウオッチは長く座っていると警告が来るという。その流れに乗ったというわけではなく、私は立った状態で使う机を探していた。ゲーテは立って執筆していたという。これを知って以来、ときどき台所のカウンターで立ったままパソコンを扱い、本を読んでいる。座って本を読むと眠くなったりするが、立って読むと集中できる。文章を書くときもスムーズに進むように感じていた。

 

  二週間ほど前、「テレワーク生活での運動不足解消に」という惹句のスタンディングデスクの新聞記事を見つけた。高さ調節ができキャスターもついている。マンション住まいの我が家はいつも人工の光の下での生活である。しかし、移動可能なこの小さな机なら自然光のもとで作業可能となる。

 

 即座に買うと決め、インターネット検索して購入ボタンを押し、コンビニに駆けつけた。初めてのコンビニ決済もなんとかこなし、配達を待つだけとなった。

 

 テレワークで需要があるのだろう。在庫不足で予定より配達は遅れたが、今、私は春の日差しに照らされて、この机を使い、立ってこれを書いている。

 

 この机の高さを調節し、食卓の高さに合わせれば食卓面積を拡大できる。次男が結婚し、長男家族も一緒に我が家で集合というときには役立ちそうである。しかし、今年40歳になる次男にその気配はない。この机を購入した動機には、次男結婚になる呼び水になってほしいという無意識が働いていたのかもしれない。