カウンセリング技法論の本当 | 『治る実践カウンセリング』心理カウンセラー我那覇隆裕のブログ

 これからカウンセリングの技法について、シリーズ的に述べていこうと思います。

 カウンセリングの基本に『傾聴』というのがあります。「カウンセリング入門」というテキスト等にもれなくあげられています。とにかくクライエントの話をひたすらによく聴きなさいというものです。


 先日、女性の方(主婦です)が、どうしようもない不安症の悩みで私のカウンセリングルームに来られました。
 その方はカウンセリング関連の本をよく読んでいるらしく、心理学的な観点もふんだんに交え、自分の問題についてしゃべり続けるのです。
 一時間以上経ってもその勢いは衰えるどころかますます増すばかりです。この調子では際限が無さそうです。

 どうです? 傾聴はスゴイでしょう。
 あるいは恐ろしいでしょう。

 この技法に従えば、たった一人ののクライエントのお話を聴くだけで数時間が軽く費やされるのです。
 
 私は、時折、必要に応じて建設的な不真面目になります。
 
 私は、頃合いを見計らって彼女の話をさえぎり言いました。
 
 「あなたは同じ話を方々で何度もしてきたでしょう。だからあなたは苦しい思いをするのです。今のあなたに必要なのはしゃべらない事、言葉を少なくすることです。」

 と。

 その代わりに、あるテーマで絵を書きなさいと指示しました。
 (指示はよくない。主体をそこねる、と言いたい人も多いでしょう。でも本人は主体がゆらいでいるのです。病人は薬という毒が効くと考える方が論理的では?)


 数日後、5~6枚も絵を仕上げてから彼女は見違えるほど落ち着きを取り戻し、不安症は消失しました。


 彼女の悩みは何だったのかと言うと、それは夫婦の不仲でした。夫が家出したのですから大変な心労だったのでしょう。
 ともあれ彼女の場合、傾聴より絵を描くことによって楽になることができたのは、私にとっては意外なことではありませんでした。時にストレスは女性を多弁にし、かつそれが又、表現や感情放出の妨げになるものであることに気づけば対応は自然に定まるということです。

 今回は、カウンセリングの現場における傾聴の限界と表現療法についてのお話を述べました。

 では又。



 ~美し国ぞ大和の国は~
   我那覇
 




 

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