怖れで生きるのか!? 愛で生きるのか!?


刀根さんは、心理カウンセリングをベースに企業研修などの講師として活躍されています。加えて、ボクシングジムのトレーナーとしてプロボクサーの指導、育成もされていました。(ご自身もボクシング経験あり) その刀根さんに肺ガンがみつかったのが2016年9月(当時50歳)。刀根さんの著書『僕は、死なない。』には、そこから約1年の間の“変化”と、刀根さんがガンから“学んだこと”が記されています。

 

 


刀根さんとは著書の出版前に、ガン患者をサポートする集まりでお会いしました。刀根さんの自己紹介でガン生還体験に関心を持ち、上梓を楽しみに待っていました。そして、2019年のクリスマスイブに東京で再会し、お話をお聴きしました。

 

刀根健さん(左)

 


病気および治療の経緯は刀根さんの著書に事細かく書かれていますので、この対談では著書の内容をいくつか取り上げ、インタヴューする形式にしました。


◆次々とパンチを繰り出した死闘の末に・・・◆

小澤
年末のお忙しいところ、お時間を取っていただきありがとうございます。そして、ご出版おめでとうございます。ご自身のガン体験本が世に出た今の率直なご感想をお聞かせください。

刀根さん
僕の体験を、僕の一人称で、ありのままを書いた本なので、必要な人に必要なタイミングで届き、何かお役に立てたら嬉しいですね。

ご存知のようにガンは(同じ種類、同じ病期であっても)ひとり一人出来方もちがえば、治り方もちがう。こういう人がいて、こういうことが起きた。その事実が参考になる人がおられるかもしれない。その人たちのお手元に届けばいいなと思っています。

小澤
体験本には、ハウツー情報や闘病の経緯で心や生き方を変えたという、いわば「これやって治りました」が多いのですが、読者が「刀根さん、こんな厳しい病状からどうやって切り抜けたんだろう? どんな療法で奇跡的生還を果たしたんだろ?」・・・“何が効いたか?”を求め読むと「あれれ、何やればいいんだ?」となってしまうかもしれません。(笑)

もちろん、刀根さんもガンが見つかった当初は、いろんなツールを用いて猛然と闘いを挑まれましたよね。

刀根さん
闘いましたね。(笑)

*2016年9月に肺腺がんが見つかる。すでにリンパや骨への転移があり、ステージ4と診断。手術、放射線は適用外で薬物治療(抗ガン剤、分子標的薬)での治療を勧められる。

「自分ができることは全部やる。きっと、必ず、道は開けるはずだ。8月の中旬、CTでがんが見つかってから僕はがんからの生還者、がんサバイバーたちが書いた本を片っ端から購入し始めた。生き残るためには、生き残った人がやったことから学ぶのが一番」(p45)

「負けねえぞ、がんになんて負けるもんか。絶対に治してやる」(p50)


*刀根さんは、現代医学では治療法が限られていることを知り、自分でできる様々な健康法の情報を入手し、次々とトライしていく。食事療法、自強法、陶板浴、漢方、サプリメント、水・・・大学病院からは特定遺伝子EGFRが陰性のため、通常の抗ガン剤治療を勧められたり、また治験の提案もあったが、コンピューターが3つの治療グループにランダムに振り分けるやり方が実験動物扱いのように感じられ断る。セカンドオピニオンも得る。この間、脳への転移も示唆された。

「どうやったらがんを消せるのか? あの日以来、僕の頭の中にはいつもこの叫び声が鳴り響いていた。僕は調べた。徹底的に調べた。ネットを検索し、本を読み・・・そして、できることを実行し始めた。そう、まさに背後は底なしの断崖絶壁なのだ。このまま何もしないで病院任せなんて絶対にできなかった」(p76)


小澤
西洋医学を否定はしないものの、別のアプローチのほうに刀根さんは重きを置かれていましたね。

刀根さん
そうですね。どうも納得がいかなかった。治験の件もそうですし、治療方針を聞いても治る希望が見いだせない。なので、自分の治癒力を発揮させるほうが本来的だという考えで代替療法に傾倒し、片っ端からやってやってやりまくりました。“doing”のオンパレードです。(笑)

小澤
ただ、そのdoingの最中に、寺山心一翁さんや、病人をやめるメソッドのセラピストさんとの出会いなどがあります。

刀根さん
寺山先生のワークショップに行きましたら、寺山先生のエネルギーがすごく強くて、先生が居るだけで部屋がエネルギーで満ち溢れました。その中に僕は浸り穏やかさを感じる。ところがワークショップを終えると、日常に戻るわけです。その時、体感した感覚は覚えているのですが、自分でつくり出すことはできなかった。

ずっと僕はファイターで、闘うことで燃える生き方でやってきた。ガンめ、死ね!叩きのめしてやる! ワークショップでは、そうじゃない、闘うべきものではないと感じるのですが、日常に戻ると慣れ親しんだパターンが起動する。

小澤
感じることはできたけど、ご自身が変容するまでには至らなかった。それで、土俵際に追い詰められてしまった。

 

 

研修講師の刀根さん

 



◆怒りは「悲しみ」を隠すものだった◆

小澤
刀根さんが“ファイター”になった背景として、お父様との関係性に言及されています。それがセラピストさんとのやり取りを通して、思わぬ感情が潜んでいたことに気づかれます。

刀根さん
僕は、怒りの爆発スイッチを持っていました。(笑)20代の頃は、やたら年上のおっさんに反発してましたね。上司にも食ってかかってました。年齢を重ね40代を過ぎる頃になると、起爆スイッチの対象は父親だけになりました。いろいろ経験も積んで、自分のやり方も確立しているのに、ダメ出しや考えを押し付けようとする。するとたちまちスイッチが入る。

また、社会で起きている出来事にもよく文句をつけていましたね。テレビに向かって、「そんなことだから戦争になるんだよ!」とかボロカスにこき下ろしていました。(笑)怒りのエネルギーって強いから、自分がエネルギッシュで強くなった感じがするんです。だから怒ることに対して価値を感じている。

ですから、自分の中にある「怒り」は自覚していました。

小澤
ところが、その怒りは本当の自分を隠すものだった。

「そうか、僕は父に愛してもらいたかったのか!
僕は怒りの下にある悲しみに気づいた。怒りは悲しみを感じなくするためのカモフラージュだったのだ。」(p174)



刀根さん
怒りを感じることで、悲しみに向き合うことを避けていたのです。そのほうが自己を保てますからね。悲しみに直面すると、自信を失い、本来の自分に戻ってしまう。自信が無い、悲しい自分は嫌だから、無意識に怒りのエネルギーで鎧をつくって身に纏っていたのです。

小澤
本当の自分を守る鎧だったのですね。

刀根さん
この厳しい世の中で闘い生き抜くためには、その鎧が必要だと何の疑いもなく思い込んでいました。

小澤
東洋医学では臓器と感情の関係性を五行論で表していて、悲しみの感情は肺と密接な関係があります。刀根さん自身、肺に発病したのは「悲しみ」が関わっているというのは腑に落ちたのですか?

刀根さん
納得しましたね。ただそれは、父が僕を愛してくれていなかったのではなく、父の言動から「愛してもらっていない」という解釈を僕自身が付けて“悲しみの感情”を抱えていたのだと、今は理解しています。でも、悲しみが心の奥底にあったことに気づいたときは、ショックでしたね。「俺、悲しかったんだ!」


◆サレンダー(明け渡し)◆

*刀根さんのガンは進行していきます。2017年6月、左肺の原発巣は増大。右肺も数え切れないほどの多発転移。リンパ、肝臓、脳、全身の骨・・・両眼にも転移。

「僕は頑張った。やれることは全部やった。あれもこれも、これもあれも、全部やった。やってやってやり尽くした。これでもかってくらい頑張った。今までの人生でこんなに頑張ったことはなかった。まさに、命がけでやってやって、やり尽くした。それでも、ダメだった。まさに、完敗。完璧な、完膚なきまでのKO負け。」(p180)

(中略)

「そのときだった。目の前が急に明るくなり、呼吸がさわやかになった。圧力釜の中のような圧縮された暑苦しい高密度空間から、一気に何もない軽やかな空間に解き放たれた。」(p181)

(中略)

「これはなんだろう?
全力を尽くした爽快感?
それとも、もう何もしなくていいという解放感?
でも、とにかく気持ちがいい。
そっか、手放したのか。
これが“自分”を手放した、向こう側の世界か。
向こう側の世界って、なんて気持ちがいいんだろう。」(p183)



小澤
四方八方手を尽くしたが、ガンは広がっていった。

刀根さん
ここに書いたとおり、調べて考えて、僕としては100%やった感がありました。だからもう、何もない、何もできない。そうなったとき、不安よりも爽やかな気分になりました。

小澤
決して悲観的な意味での「諦め」ではなく、何か憑きものが落ちたような心境だったのですか?

刀根さん
退院後に振り返って思ったのは、この世の現象って二極ですよね。「プラス:マイナス」「上:下」「右:左」「シロ:クロ」・・・陰陽対極図のような。ポジティブ:ネガティブも同じエネルギーの対極で、その中を行ったり来たりしながら、ポジティブにしがみついていた。その二極が一つになったのです。

小澤
う~ん、ジャッジしないってことですか? 

刀根さん
ノージャッジです。

小澤
付けていた解釈が変わった?

刀根さん
解釈が消えたというか、落ちたというか。落ちたら、一つだけになった。そこは何の意味付けもない、心地よい世界でした。それまで抱えていたエゴが崩壊しました。今までの人生で頑張って、頑張って、作ってきたエゴがボーンッ!と破壊されて、よく氷山で表される顕在意識の部分が吹っ飛んで、潜在意識と繋がったのかもしれません。

小澤
かなり荒っぽい吹っ飛び方でしたね。

 

 

 

日本ランク1位になった教え子のボクサーと

 

バリバリのファイターだった!

 

 


◆自分で自分にダメ出し!◆

小澤
病は時代や社会と密接に関係しています。戦後の高度成長時代は復興や、基本的欲求を満たすこと、物質的な豊かさを追い求めることで精一杯だった。そのような社会環境では、個人が本当の自分を生きることを押し殺しても、誰もが頑張った分だけ収入が増え、家族の幸せが望める確信度合いが高いので自己の中で葛藤は生じにくかった。

ところが今や、物質は満たされている。社会全体、国や企業が光を与えてくれるわけではない。自分の幸せは、自分で見つけなければならなくなった。となると、本当の自分で生きていない葛藤が持続すると、身体に傷害を起こすリスクが高くなると思うのです。

刀根さん
同感ですね。僕はもともと、交流分析(TA)という心理学ベースの講師業をしています。TAの「エゴ」を取り扱う理論で、自分の体験を分析してみようとチェックリストを作りました。

*交流分析(TA=Transactional Analysis)
1950年代、アメリカの精神科医 エリック・バーン博士によって、精神分析を土台とし、人間性心理学を取り入れて開発された、人の心と行動を快適にする心理学。


小澤
刀根さん自身のガンになる前と後での心理的変化を比較されたのですか?

刀根さん
たまたま今日の午前の打ち合わせ用に分析結果のデータを持参しているので、お見せしましょう。300くらいの質問リストから、いろいろな心理状態がわかるのですが、僕はガンになる前「自分に対して厳しい。自分にOKと言っていない」というのが特に顕著だったのです。それが、ガンを経験してからは自分に優しいエネルギーを注げるように変化していました。この結果には、僕自身、愕然としました。

小澤
他者からダメ出しされるのも気分よくないですが、自分に自分がダメ出しするのは強烈に作用するでしょうね。

刀根さん
そう思います。しかも、他者には決して口にしないような厳しい言葉を、遠慮なく自分には浴びせている。「存在する価値がない!」「生きてる価値がない!」「やった意味がない!」

そして、いちばん影響するのが「禁止令」なんですよ。とくに僕の場合は「成功するな!」でした。

*交流分析「13の禁止令」(~するな)
(おもに幼児期に大人から伝えられるメッセージが人生脚本に組み込まれ、望ましくない人生を歩むことになりかねない)
1.存在するな
2.成長するな
3.自分の性であるな
4.子供であるな
5.重要であるな
6.成功するな
7.所属するな
8.健康であるな
9.親しくするな
10.感じるな
11.考えるな
12.実行するな
13.欲しがるな

「5つの拮抗禁止令」(~しろ)
1.完璧にしろ
2.満足させろ
3.努力しろ
4.強くなれ
5.急げ


小澤
あれだけ闘っていて、「成功するな!」ですか?

刀根さん
何かやる度に、父親に「ダメ出し」されるわけですよ。「そうじゃない。あれが違う。これが違う。もっとこうやらないとダメだ。こんなふうに努力しなさい・・・」必ずケチをつけられる。それが積み重なると、「自分はどんなに頑張っても成功できないんだ」→「成功するな」という禁止令になったのです。絶対に100%、100点は取れないんだ。

小澤
そうすると、その禁止令は刀根さんにどういうシナリオを書かせたのですか?

刀根さん
その成功できない自分を守るため「完璧であれ!」を組み込みました。「完璧にできたら僕は存在してもいいよね」ってやつです。

小澤
ということは「私は条件付きでOK!」となってしまいますね。「○○ができたらOK!」

刀根さん
その通りです。なので、完璧にできなかったらNOT OK!になっちゃいますから、もう必死で完璧を目指すわけです。ボクシングのトレーナーとしては全戦全勝! 研修の講師としては全員100点。それが達成できないと、「あ~」と落ち込む。完璧なんて、絶対に無理なのに。

小澤
それは選手や研修参加者ではなく、自分へのダメ出しなんですね?

刀根さん
もちろんです。それをずっと繰り返してきました。

小澤
キツイですねぇ。

刀根さん
でも潜在意識のほうが優位なので「自分はダメ」が勝る。にもかかわらず、完璧を執拗に目指す。だからやればやるほど、エネルギーにズレが生じるのです。

小澤
頑張っている自分を顕在意識の自我は褒めてるけど、内々では交感神経バリバリのストレスホルモンまみれになっている。まさに身を削るように生きている。

刀根さん
なのに、それに気づいていない。だから病気になるのですよ。(笑)

 

 

ガンになる前と後のご自身の心理的変化を分析したエゴグラム

 

 


◆愛で生きる◆

小澤
刀根さんの鎧はかなり堅固だったのですね。

刀根さん
僕の鎧を破壊するには、このくらい強烈なパンチ(全身末期ガン)が必要でした。破壊されたとき、はじめて自由になって、そのままの自分が受け入れられる。するとそこは安らぎの世界なのですよ。

闘うなら徹底的に闘って、それで治るならそれでもいいと思います。でも、上手くいかないのなら、そのエゴが破壊された先の世界に行くことが求められる。“病をつくった自分”を手放す必要があるんだと思います。

手放したら、人が変わりました。(笑)

小澤
私もこのところ「治る人に変わろう!」をテーマにテキストを作ったり、勉強会をやったりしています。実存的変容、実存的転換という用語もあります。

刀根さん
ガンも含めてですが、大きな出来事でそれまでのエゴが破壊されると、たぶん本当の自分に出会うのだと思います。

何かをやっている自分ではなく、自分という存在そのもの。

小澤
何ができても、何ができなくても、存在そのものがOK!

刀根さん
“doing”より“being”の大切さに気づきました。

小澤
お手伝いしているガン患者会に来られる方、メールや電話で相談される方と接して思うのは、ガンを治すには強い人間にならなければならない、前向きに進むパワーが必要だと思い込んでいる人が少なくない。でも、人間って(他の生き物も)天命(人生の目的、寿命)を全うするプログラムを持って生まれてきていると思うのです。ですから、その本来のプログラムが動作するのを妨げていること、邪魔していることをリリースするのが重要じゃないでしょうか。

刀根さん
僕もね、「入れる」より「落とす」ことが大事だと学びました。不健康になる要素を入れ過ぎている。

小澤
他者の価値基準で生きる、過去に囚われて生きるのは、ウイルス感染したりバージョンアップされていないプログラムだから、不具合が起きる。

刀根さん
免疫もそうですし、遺伝子のスイッチオン・オフにしても、感情や思考が大きく影響すると思います。

小澤
愛を感じるとガン抑制遺伝子の発現率が高まるという研究も報告されています

刀根さん
僕にとって愛の感情を湧き上がらせてくれるのは音楽ですね。本にも書きましたが、KOKIAさんの「愛はこだまする」 素晴らしいです。彼女の歌を聴いて、「あ~、僕は自分に対して“I LOVE YOU”って言ってこなかったなぁ」 入院しているときも、何回も何回も何回も聴いて自分をハグしました。イメージに出てきた汚れた体操服を着て寂しそうにしている小学生の自分を抱きしめ続けました。

小澤
音楽やアートには、そういう力があるのですね。

*病状が悪化した刀根さんは医師の強い勧めもあって入院する。検査によって、肺腺ガンの4%にしか出現しないALK遺伝子が50個すべての細胞に認められ、適合する分子標的薬治療の対象となった。服用を始めて20日、全身のガンはほぼ消滅する。

 

 

入院治療中の刀根さん



刀根さん
以前に治療していた大学病院でもALKを調べたはずでしたが、2ヶ月半待っても結果の通知はなかったのです。(後にALKは調べてなかったことが判明) 僕はてっきりダメだと思っていたので、不思議な感じでした。でももうサレンダーしたので、愛とともに受け入れるだけでした。

「看護師さんが渡してくれたアレセンサを目の前の机に置き、手を合わせて心の中でつぶやく。
〈私はこの薬、アレセンサを飲むことで健康になります。アレセンサ、君は愛の弾丸。君は僕の身体に入るとがん細胞とハグをします。そして二つは一つになって光となって消えていきます。ありがとうアレセンサ、ありがとうがん細胞。君たちは愛です〉」(p272)


小澤
闘いの祈りではありませんね。(笑)

刀根さん
怖れで生きるのか!? 愛で生きるのか!? 
僕の本にも愛を込めました。(笑)

 

 

本に書かれていないことまで語ってくださいました。
ご協力ありがとうございました!

 


*刀根さんのブログ「Being Sea/肺がんステージ4からのアウェイクニング(気づき)」はこちら!

 

 



【編集長感想】(2019年取材時)

「ガンの辞典」は、公開から今年で16年を迎えます。公開当初は治療法探しの取材に明け暮れていました。まだ世に知られていない“ガン治しの秘策”があるのではないか!?

しかし、これさえやればどんなガンも治るという療法はないことに気づき、それならと、治った人の話を聞こうと体験談取材を増やしました。でも取り組んだ療法は十人十色。標準治療一辺倒の方から、ほぼ何もしない人まで・・・。

取材を重ねだんだん見えてきたのは、「何をやったかより、どう向き合ったか?」どう意識が変化していったのか? 刀根さんの言葉をお借りすれば、“doing”より“being”。

治すことにエネルギーを注ぐより、生きることや自分の在り方ににエネルギーを注いでいる人が、たとえ医学的に厳しい診断をされていても予後がよい、治っている、長期生存している。

僕が15年以上、ガンの取材を通して見てきた、気づいたことを、刀根さんは1年でご自身の心身で体現されたのです。その一致になにかご縁を感じました。

そして、様々な医療関係者とのやり取りの場面、ドクターや療法家さんの言い分を読むと、これまで取材や相談でお聞きした“あるある”が思い出される箇所もあって、思わずクスッとしてしまいました。失礼お許し下さい(^^);;



(追記:2022年12月)

この取材以降、刀根さんは講演やセミナーで体験談を語られる機会が増えました。主催者としてご一緒したことも数回あります。

刀根健さんの著書を読んだり講演を聴かれて、「なんだ、分子標的薬が劇的に効いたんじゃないか。運がよかったんじゃないか!」という感想を持つ方もいらっしゃいます。確かに刀根さんは、いまでも服薬を継続しています。

では、その一つの遺伝子に効く薬だけで、数百種類もあるがん遺伝子すべてが発現しなくなっているのでしょうか? もしくは、がん抑制遺伝子がOFFになってしまったらどうなるでしょうか? 寛解状態が維持できるでしょうか?

私は、刀根さんの「明け渡し(サレンダー)」「自分を愛する」という脳内環境の変化が遺伝子のバランスを保っている要因の一つだと推測しています。

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