読了。
映画の予告は何度も見ました。
でも桜井翔とすずちゃんに東野圭吾は微妙だなーと。
キャストが若いんですよ。
キョウジュとケイブは渋みがないとね。
なんで映画のウェブも見てないし、先入観なしに読めたのはラッキーでした。
東野圭吾にしてはディティールにこだわって、引き込ませるのも上手いじゃん、と思いました。
以下ネタバレ
ケントのキャラ付けは甘いです。母が姉がどう思っていたかを重ねて欲しかった。
ケントの姉の性格は刑事の中岡によって明らかにされてゆくのに、母やケントの生い立ちの背景は物足りないです。
桐宮や武尾の肉付けも甘いですよ。
こんだけサイドストーリーをまとめたんなら、桐宮と武尾のバックボーンも欲しいです。
たぶんわざとなんでしょうね、マドカが横柄なのは。
分別があると桐宮が言ってるのに口の利き方も知らなくて感情移入できないキャラでした。
キョウジュがこのストーリーの軸ですよね。
でもやっぱりまとまりが無いんです。
東野圭吾にしては読ませるなと思ったけど、
竜巻事故は重要ですか。
羽原医師がマドカを諭すシーンもなかったので、
親子としての関係も希薄だったんでしょうね。
だからケントに傾いたのですかね。
より所を持ちたい願望は共有できます。
物足りないのはそのへんなんです。
心象風景をおざなりにするという。
物理的効果に結末するのはいいんです。
東野圭吾の他の小説では浮気も描いてますからね。
人の心を描くのが下手な作家ではないんです。
そういう意味では結末ありきにこじつけた感があって、
すがすがしい読了は無かったです。