今回はクラシック関連の本2冊についてです。
なのでテーマもクラシックの中に入れました。
1冊目:佐伯茂樹「楽器から見るオーケストラの世界」

序章でオーケストラの配置と楽器について簡単に説明した後、第1章からは各時代の有名曲のオーケストラ編成と当時の楽器の説明をしながら有名曲の説明も合わせて行ってくれます。
なぜ、当時はああいう編成だったのかとか、その曲でのあの楽器の位置づけ、曲上の役割などを分かりやすく説明しています。
詳しい人にとっては物足りないでしょうが、わたしのようにあまり知識の無い者にとっては大変参考になります。
この章を読んでいると、クラシックを本当の意味で楽しむには色々と知識が必要だなぁと感じます。
作曲家の人となりや作曲時の状況、時代背景、各楽器の編成、楽器に割り当てられた意味、調性やらハーモニーやらなんやらかんやらが、十分に分かってこそ、本当の意味で曲の意味が分かり、楽しさが分かる。
ただ、これを学ぶには相当な時間と労力がかかりそうなので、今はとりあえず色々聴いて経験値を稼ごうかなと思います。
第2章では世界のオーケストラの説明。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィルに始まり世界各国の有名なオーケストラの特徴を説明してくれます。
ここでもそのオーケストラ独特の楽器奏法やそこでしか使わない楽器の解説があり、トランペット一つとっても実は多くの種類がある事がわかります。
本書はフルカラーなので税込み2100円とちょっと高いですが、題名どおり、多くの楽器の写真が掲載されており見ているだけで楽しくなります。
コンサートに行くと、たまに見たこと無い楽器が演奏されている事がありますが、そんな時に本書で読んだ記憶が少しでも蘇ると一つ成長したような気になりそう(^^)
2冊目:手塚治虫、小林準次「手塚治虫 クラシック音楽館」

著者に手塚治虫氏の名前がありますが、当たり前ですが、手塚氏が筆を取ってるわけではありません。
手塚氏の作品(マンガやエッセイ)が収録されているので記載されているわけです。
本書はマンガの神様、手塚治虫氏とクラシック音楽とのかかわりを氏のマンガやエッセイ、発言などを元にまとめたものです。
手塚マンガには音楽描写が非常にたくさん出てきます。
氏はクラシック音楽が大好きでしたし、家族も音楽一家、妹さんはピアニストでその夫は東京交響楽団のクラリネット奏者でもあります。
氏も良くピアノを弾き、かなりの腕だったとか。
そんな氏の描くマンガに出てくる音楽描写は実に独創的。
本書冒頭には「ふたりの演奏家」という5ページの小品がフルカラーで掲載したあと、如何にマンガの中で音楽を表現していったかを実際のマンガの一コマを使って紹介しています。
このあたり見ると、「あぁ、こんなコマあったなぁ」と感慨に浸れます。
次の章では色々な作曲家と手塚作品の関連を紹介。
氏は最初チャイコフスキーが好きになり、その後ブラームスに傾倒していったそうですが、作品としてはやはりベートーヴェン。
未完の遺作となった「ルードウィヒ・B」ではベートヴェンそのものを主人公にしています。
未完なのは本当に残念。
子供のように無邪気なベートーヴェンの姿は、音楽室の肖像画のいかめしい顔と同一人物とは思えない面白さがありました。
他にもバッハ、モーツァルト、シューベルト、シューマン、ワーグナーなどの有名どころに加え、日本では富田勲や高井達雄などの関係も紹介されています。
次にあるのが「雨のコンダクター」と言う作品。
これはベトナム戦争時のニクソン大統領就任記念演奏会の際のレナード・バーンスタインが行った反戦演奏会について書かれたもので、非常に重苦しい作品ではありますが、氏の平和への希求の思いが感じ取れる作品です。
どうやらバーンスタイン自身がこの作品を知っていたらしく、彼のコンサートプログラムにマンガの一コマが使われていたとか。
こういう逸話があると自分の事のようにうれしくなります。
この後、音楽とアニメを融合させた作品の紹介があり、当然ながらディズニーの「ファンタジア」に始まり、氏のアニメ「展覧会の絵」「ある街角の物語」「森の伝説」と続きます。
ちなみにこれら作品で演奏しているオーケストラは東京交響楽団で、義弟の宇都実さんが同団のクラリネット奏者だったことからの関係。
「展覧会の絵」の時の指揮は秋山和慶さん、「森の伝説」の時の指揮は”炎のコバケン”小林研一郎さん。
むか~し見た記憶はありますが、当時はクラシックに興味がなかったので、今、この本を読んで無性に観たくなりました。
最後は氏が色々な媒体に書いていたクラシックに関するエッセイ集になってます。
枕詞のように”マンガの神様”なんて言われてますが、わたしにとって手塚治虫と言う人は本当に神様と同じ位置づけ。
人生で初めて買ったマンガは「ブラック・ジャック」でしたし、それ以外の様々な作品も出来る限り読んでます。
マンガ本は定期的に古本として処分する事がありますが、氏の作品は絶対にそうする事はありません。
今までに有名人の訃報を数々聞いて来ましたが、氏の訃報を聞いた時ほどの衝撃は未だに薄れる事がありません。
病床にいる事は知っていましたがまだ60歳と言う若さでペンを置くことになるとは夢にも思っていませんでした。
(こう書いてるとなんだか泣けてくる…)
今、なんとなくクラシック音楽を聴く事が多くなってきて、氏の爪の先あたりに触れる事が出来るようになるかなぁ、と思います。
なのでテーマもクラシックの中に入れました。
1冊目:佐伯茂樹「楽器から見るオーケストラの世界」

序章でオーケストラの配置と楽器について簡単に説明した後、第1章からは各時代の有名曲のオーケストラ編成と当時の楽器の説明をしながら有名曲の説明も合わせて行ってくれます。
なぜ、当時はああいう編成だったのかとか、その曲でのあの楽器の位置づけ、曲上の役割などを分かりやすく説明しています。
詳しい人にとっては物足りないでしょうが、わたしのようにあまり知識の無い者にとっては大変参考になります。
この章を読んでいると、クラシックを本当の意味で楽しむには色々と知識が必要だなぁと感じます。
作曲家の人となりや作曲時の状況、時代背景、各楽器の編成、楽器に割り当てられた意味、調性やらハーモニーやらなんやらかんやらが、十分に分かってこそ、本当の意味で曲の意味が分かり、楽しさが分かる。
ただ、これを学ぶには相当な時間と労力がかかりそうなので、今はとりあえず色々聴いて経験値を稼ごうかなと思います。
第2章では世界のオーケストラの説明。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィルに始まり世界各国の有名なオーケストラの特徴を説明してくれます。
ここでもそのオーケストラ独特の楽器奏法やそこでしか使わない楽器の解説があり、トランペット一つとっても実は多くの種類がある事がわかります。
本書はフルカラーなので税込み2100円とちょっと高いですが、題名どおり、多くの楽器の写真が掲載されており見ているだけで楽しくなります。
コンサートに行くと、たまに見たこと無い楽器が演奏されている事がありますが、そんな時に本書で読んだ記憶が少しでも蘇ると一つ成長したような気になりそう(^^)
2冊目:手塚治虫、小林準次「手塚治虫 クラシック音楽館」

著者に手塚治虫氏の名前がありますが、当たり前ですが、手塚氏が筆を取ってるわけではありません。
手塚氏の作品(マンガやエッセイ)が収録されているので記載されているわけです。
本書はマンガの神様、手塚治虫氏とクラシック音楽とのかかわりを氏のマンガやエッセイ、発言などを元にまとめたものです。
手塚マンガには音楽描写が非常にたくさん出てきます。
氏はクラシック音楽が大好きでしたし、家族も音楽一家、妹さんはピアニストでその夫は東京交響楽団のクラリネット奏者でもあります。
氏も良くピアノを弾き、かなりの腕だったとか。
そんな氏の描くマンガに出てくる音楽描写は実に独創的。
本書冒頭には「ふたりの演奏家」という5ページの小品がフルカラーで掲載したあと、如何にマンガの中で音楽を表現していったかを実際のマンガの一コマを使って紹介しています。
このあたり見ると、「あぁ、こんなコマあったなぁ」と感慨に浸れます。
次の章では色々な作曲家と手塚作品の関連を紹介。
氏は最初チャイコフスキーが好きになり、その後ブラームスに傾倒していったそうですが、作品としてはやはりベートーヴェン。
未完の遺作となった「ルードウィヒ・B」ではベートヴェンそのものを主人公にしています。
未完なのは本当に残念。
子供のように無邪気なベートーヴェンの姿は、音楽室の肖像画のいかめしい顔と同一人物とは思えない面白さがありました。
他にもバッハ、モーツァルト、シューベルト、シューマン、ワーグナーなどの有名どころに加え、日本では富田勲や高井達雄などの関係も紹介されています。
次にあるのが「雨のコンダクター」と言う作品。
これはベトナム戦争時のニクソン大統領就任記念演奏会の際のレナード・バーンスタインが行った反戦演奏会について書かれたもので、非常に重苦しい作品ではありますが、氏の平和への希求の思いが感じ取れる作品です。
どうやらバーンスタイン自身がこの作品を知っていたらしく、彼のコンサートプログラムにマンガの一コマが使われていたとか。
こういう逸話があると自分の事のようにうれしくなります。
この後、音楽とアニメを融合させた作品の紹介があり、当然ながらディズニーの「ファンタジア」に始まり、氏のアニメ「展覧会の絵」「ある街角の物語」「森の伝説」と続きます。
ちなみにこれら作品で演奏しているオーケストラは東京交響楽団で、義弟の宇都実さんが同団のクラリネット奏者だったことからの関係。
「展覧会の絵」の時の指揮は秋山和慶さん、「森の伝説」の時の指揮は”炎のコバケン”小林研一郎さん。
むか~し見た記憶はありますが、当時はクラシックに興味がなかったので、今、この本を読んで無性に観たくなりました。
最後は氏が色々な媒体に書いていたクラシックに関するエッセイ集になってます。
枕詞のように”マンガの神様”なんて言われてますが、わたしにとって手塚治虫と言う人は本当に神様と同じ位置づけ。
人生で初めて買ったマンガは「ブラック・ジャック」でしたし、それ以外の様々な作品も出来る限り読んでます。
マンガ本は定期的に古本として処分する事がありますが、氏の作品は絶対にそうする事はありません。
今までに有名人の訃報を数々聞いて来ましたが、氏の訃報を聞いた時ほどの衝撃は未だに薄れる事がありません。
病床にいる事は知っていましたがまだ60歳と言う若さでペンを置くことになるとは夢にも思っていませんでした。
(こう書いてるとなんだか泣けてくる…)
今、なんとなくクラシック音楽を聴く事が多くなってきて、氏の爪の先あたりに触れる事が出来るようになるかなぁ、と思います。