10/25(月)の「アイーダ」に引き続き、27(水)はコバケン・スペシャル20に行って来ました。
1週間に2回は初!


指揮)小林研一郎
演奏)安土真弓(ホルン)、名古屋フィルハーモニー交響楽団
曲目)
①ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(リムスキー=コルサコフ編)
②ゲディケ:ホルン協奏曲ヘ短調作品40
③リムスキー=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」作品36
④チャイコフスキー:序曲「1812年」作品49
アンコール)
⑤チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」作品20より「四羽の白鳥の踊り」
⑥チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」作品71より「トレパック」


今回は比較的に短い曲が4曲。
特に①「はげ山の一夜」と④「1812年」は大好きな曲なので期待感特大でした。
席は1階中央付近のちょっと前の方。
楽団の人たちの表情が良く見えます。


それではここから感想を。


①ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(リムスキー=コルサコフ編)
黒ミサを題材にした曲ですが、夜を迎え魔女達が集まり出すおどろおどろしい雰囲気、ミサ真っ最中の喧騒と混乱、そして夜明けと共に徐々に静かに日が昇る情景が眼に浮かぶようで、あっと言う間に演奏が終わってしまいました。
「まだ5分くらいじゃないの?」と思ったくらい。
良く聴いてる曲だからなのか時間が経つのが早かった。


②ゲディケ:ホルン協奏曲ヘ短調作品40
これは今回初めて聴く曲です。
ゲディケと言う作曲家も知りませんでした。


第1楽章は若干悲壮感のある印象。
第2楽章は静かで穏やか。ホルンの本領を発揮している気がします。ホルンにはこういった曲調が合う気がしますね。
第3楽章は明るく楽しい印象。


ここでホルンを担当するのは安土真弓さん。
名フィルでホルン担当の方です。
ホルンは世界で一番難しい金管楽器だそうで、クラシック系のジョークでも音を外すのがホルンだ、というものがあるそうで、そういう事考えると力の入った演奏だったと思います。
息継ぎの箇所が取れないようなかなり難しい箇所の連続。
カーテンコールはコバケンさんに促され5回ほどで、一回躓きそうになり場内がちょっと沸きました(^^)
こうして見ると校長先生と生徒のように見えます。
実際に安土さんが大学生の時にコバケンさんの授業を受けたそうなので、本当に先生と生徒ですね。


③リムスキー=コルサコフ:序曲「ロシアの復活祭」作品36
ここでコバケンさんのマイクパフォーマンスが入りました。
実はコレが聴きたかったんですよね(^^)
この曲についての解説をしていただけました。
ファゴットの佐々木さんにテーマを演奏してもらい「これが楽器を代え音色を変えて何度も現れます」と。
コンマスの日比さんにもフレーズを弾いてもらいました。


各楽器がそれぞれ持ち味を出した演奏で、終曲部の盛り上がりは感動的にでした。
グロッケンシュピールが実に美しかった。
これもあっと言う間に終わったという印象。
個人的にちょっと残念だったのは、この曲はテーマの頭5音が吉幾造の「酒よ」の出だしと同じなのでどうしてもそれが頭の中に響く事(「なみだには~」。
いっそそっちの記憶が消えて無くなればいいのにと思いました(^^;


④チャイコフスキー:序曲「1812年」作品49
ついに来ましたトリ。
ここでもコバケンさんのマイクパフォーマンスが。
冒頭の賛美歌部は、チェロとビオラを徐々に増やして音圧を上げていく事に取り組んでいるとか。
チェロの太田さんが1フレーズ弾いてくれました。
大好きな曲なのと、マイク解説もあってかいきなり感情移入してしまい体温が早速1~2度上がった感じ。
今までCDで何十回聴いたか分からないほど聴いているにも関わらず、生の音は全く新しい感動を引き起こしますね。
最終楽章では2階席部分(ステージから見て左側)にトランペットとトロンボーンが並び(バンダとか言うそうですね)高らかに鳴り響きます。
まさに楽器に囲まれているように感じ。
これは初体験です。
普段でもこういう編成をするんですかね?
座席は1階中央の前の方なので、わたしからはバンダは右斜め後ろ。
目の前はトロンボーン隊なので、トロンボーンの音色が弾丸のように直撃する。
大砲代わりの大太鼓は女性が担当。
最初の発音は「おぉ来たな」と思いましたが、最終楽章に入ると周りの楽器の音にかき消されてどこかに行ったような感じがしましたが、ズンズンとした響きが足元をくすぐってるのがわかりました。
とにかく堂々たる終幕。
圧倒的な満足感でした。


普段聴いてるCDは本当の大砲と鐘を使ったという、クンツェル指揮、シンシナティ交響楽団のテラーク発売のCDで、さすがに大砲の衝撃音の凄さはこちらの方が優ってますが、全体の演奏を考えると今回のコバケン指揮は強烈な盛り上がりでした。
本当にもう一回聴きたい。

 

自衛隊音楽隊がたま~に自走砲かなんか使って屋外演奏するようなので、一度は参加してみたい…


最後に、コバケンさんに促されオーケストラ全員が東西南北すべての人に深々とお辞儀。
コンマスの日比さんの弓の糸が切れたのを見たのは2度目ですが、前のもコバケン指揮でした。
よほど力が入るのかもしれないですね。。
ハープは女性の印象が強いですあ、今日は白髪の男性の山崎さんでした。
男性のハープ奏者って珍しい?
コバケンさん「オケが入場する時に暖かい拍手が起こる事は滅多に無いから名フィルは恵まれている」との事。
コンマスの日比さんもうなずいていたのでそうなのかな。
今まで当たり前だと思ってましたけど。
コバケンさん「海外のオケが来た時はお義理で拍手が起きますが」で会場が沸きました(^^)


アンコールの「四羽の白鳥の踊り」と「トレパック」は前回もやってました。
定番なのかお気に入りなのか。
ちょっと別の曲も聴いてみたいですね。


とにかくコバケン指揮は楽しいです。
観客を喜ばそうとする姿勢がうれしい。
オケも気持ちよく演奏しているようでいつも以上に良い演奏に聞こえます。
しいて言えば残響が完全に消えきるまで待っても良かったかなぁ。
間を楽しむと言うか。もう少し間(消音部)を取ってもいいかも。
前聞いた上岡敏之さんはそういう事をかなり意識していたようでしたし。。


次のコバケン・スペシャルは3月まで待たなくてはなりません。
待ち遠しい…


関係ないですが、下の大ホールでは布施明ライブやってました(^^)


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