今や強豪雀士としても有名なサイバーエージェント藤田社長がチェアマンとなって、麻雀のナショナルプロリーグ「Мリーグ」が発足する。
一昨日記者会見が行われた。
プロ野球を例に取るまでもなく、ある競技の発展に際しメディアとスポンサーの存在は欠かせない。
麻雀界からしばしば羨望の対象となってきた将棋についても、順位戦の発足は、メディアである毎日新聞が後押しをし、将棋愛好家が社長を務めていた薬品工業会社がスポンサーになってはじめて成立したものであった(このあたりの経緯は山本武雄著「将棋百年」(時事通信社)に詳しい)。
昭和22年からはじまった順位戦は、高度経済成長に伴う新聞発行部数の大幅増もあり、将棋ファンの拡大や将棋の社会的地位の向上におおいに貢献した。
今年2月には、ついにトップ棋士である羽生善治が国民栄誉賞を受賞するに至った。
もっとも、将棋が賭博と決別して完全にクリーンなイメージになったのは、はるか昔の話ではない。
現代のトップ棋士である深浦康市(46歳)らの師匠である花村元司は、プロになる前は賭け将棋の世界で勝ちまくり有名だった人物で、その実力を買われ異例のルートでプロに編入している。
ひと世代前は、将棋の世界もそういうものであった。
将棋の世界で起こったことが今後麻雀界で起きても不思議ではないと私は思う。
「Мリーグ」は麻雀ファンの拡大と社会的地位の向上にとって、千載一隅のチャンスである。
藤田社長も言うように”革命”といえる性質の企画であり、そこに不安を覚える業界人もいるかもしれないが、基本的な話、ファンが増えて裾野が広がることは皆にとって利益のあることである。パイが増えれば期待値は上がるし、チャンスも広がる。
そもそも、愛するマイナー競技がメジャーになるのであれば、それは嬉しいことだろう。
「Mリーグ」に出場できるのは、プロ団体所属の麻雀プロだけである。
このため、現在プロ団体に所属していないネット麻雀の有名プレイヤー達などからも葛藤の声が聞こえる。
むろん他人の人生に無責任なことは言えないが、たとえば独身で子供もいないというのであれば、チャレンジする価値は大きいだろう。
プロになるのに遅すぎるということはない。道は遠いようで遠くないかもしれない。RTDマンスリーがはじまった2年前、当時プロ3年目だった松本吉弘が今年のRTDに出ていると想像した人は何人いたか。
いち麻雀プロでもある私の無責任な願望をいえば、腕に覚えがあって周囲もそれを認めているような打ち手は、全員「Mリーグ」を目指してプロになってほしい。
それはきっと「Mリーグ」の質の向上と盛り上がりに繋がるし、面倒を顧みず事を成してくれた藤田社長への「麻雀打ち」からの恩返しにもなるはずだ。
どうせ麻雀しか行き場のない体なんだろ。
こんなセリフが漫画にあったような、なかったような。
Mリーグに出場する選手については、賭け麻雀は禁止され、これに反すると処分がされる。
この点について色々な声も聞かれるところであるが、専門の法律家として大事なことを今から書く。
国民全員について、賭け麻雀は禁止されており、これに反すると国から処分される。
賭け麻雀が禁止されているのはMリーグの選手だけではない。
賭け麻雀はその金額の多少は問わず、刑法第185条に反する行為である。
単純賭博罪は廃止しろと言い続けている私であるが、将来の法律がどうあるべきかと、今の法律がどうであるかの話は全く別だ。
今ある法律を守るべきなのは当然であり、これに違反すれば処分されるのは当然だ。
Mリーグに出場するから賭け麻雀が禁止されるのではない。
Mリーグに出場しないから賭け麻雀をしていいなどという話は断じてない。
麻雀プロが賭け麻雀をにおわすツイートをするなどもってのほかである。
これらの点は過去ツイートなどでも散々してきたが、大切な話なのでここでもう一度書いておく。
なお、法律的議論としての賭博罪の問題点に、その規制対象が広範で曖昧な点が挙げられる。
そのため、ある行為が賭博罪に反するか否か国民が判断しにくい場合も出てくる。
たとえば、賞金付きの麻雀大会にゲストのオファーが来たがそれを受けていいのかどうかなど。
選手の皆さまにおかれては、賭博罪関係で悩む話があったら、ひとりで判断せずに専門家の判断を仰いでいただければと思う。
私は賭博罪の専門家である。
麻雀プロでもあり、おそらくであるがMリーグに出る選手は私の連絡先を知っている人も多くなるはずだ。
私でよければいくらでも相談に乗るので、遠慮しないでいただければ幸いである。
麻雀を深く愛する弁護士として、Mリーグの成功を願ってやまない。