自暴自棄な配信者 | galloブログ

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精神障害者です。生きづらい中でギリギリ生きてます。日頃の生活日記としてブログにする習慣をつけようと思います。

ある配信者がいた。

 

人気もなく、人もあまり来ない過疎配信。

それでも男はそこに救いを求めていた。

 

日が沈む頃、近くのコンビニへ男はニルヴァーナを聴きながら闊歩する。

その姿は派手な髪色で、小汚い格好であり、この世界では浮いた存在。それでも人目をはばからずに、男は闊歩した。

 

安酒と栄養ドリンクを買い、店員へ不要な程の愛想を振りまき帰宅する。

この買い物は夜の配信の準備のための買い物でもあり、外へ出る唯一の口実でもあった。

 

家族から出された夕飯を終え、自室で配信の準備をする。

大量に用意された薬と酒。そして配信は始まる。

 

…。誰かがコメントするまで男は喋らない。薄暗い画面の中で下を向き何かを作っている。

手慣れた手つきで男は茶色の葉を摘み、紙で巻いて手巻きタバコを幾つも作っている。

そして、酒を栄養ドリンクで割った黄味がかった飲み物を口にする。

バックで流れる音楽は「死」や「絶望」がテーマの曲だ。そしておもむろにポリっと薬をラムネのように咀嚼する。

…。男の様子は次第に変わり、とろんとした目で画面のカメラを見つめる。

自暴自棄の生配信。恥じさえなく、男はありのままを曝け出していた。

 

物珍しさから、ちらほらコメントがつくも、既に男の呂律は回っていない。ひどい有様。

それでも、誰かと繋がる事が出来る配信が男の救いだった。

 

とうとう、酒がなくなり配信が終わると、男はカミソリを手に持ち、リストカットをする。

すぅっと血が流れるのを感じながら、ふうっと溜め息をつく。唯一のストレス解消法だ。

そうして、気持ちが落ち着き、ベッドで眠りにつく。

 

翌日起きると、血が固まり瘡蓋のようになった左腕を洗いながし、身支度を整える。

そして日が沈む頃、男はまた闊歩する。

 

ニルヴァーナを聴きながら。