擬人化 第21回 スイス

擬人化したキャラクターを強く必要とするのは、国家統合に汲々としていることの裏返しなのかもしれません。
複数言語国のスイスは“ヘルヴェティア”というケルト系先住民の名前に由来する女性像を様々な場所で使用しています。



スイス十字の盾を持ち、槍か長剣で武装し、赤いマントを羽織った姿で描かれます。頭に載せているのはスイス同盟諸州を葉を連ねるリースで表現したものです。
西欧の中央に位置し、山岳に囲まれたスイスは貧しさから多くの男子を傭兵として国外に輸出してきました。スイス槍兵といえば代表的な傭兵ですね。現在でもローマ法王の衛兵はスイス兵に任されているくらいですから。



スイスの中立は、ヨーロッパのあらゆる国で軍の精鋭部隊として傭兵たちが働いてきたことに拠るものでしょう。父子や兄弟が異なる国の兵士として戦場で向かい会うことが、逆にスイス国内の平和を守ってきたとも。

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