3年間続く会陰部痛(肛門痛)と下肢のしびれ感の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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3年間続く会陰部痛(肛門痛)と下肢のしびれ感の整体治療
12診目で解消した症例の解説です。

患者Eさん=71才-女性-主婦/パートの症例より


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①    Eさんの病歴・・・
患者Eさん3年前のある日、就寝しようと思い布団に入る時、突然肛門付近にズキズキする様な痛みが走り、翌朝まで続いたそうです。そこで翌日肛門科を受診するとイボ痔-内痔核の診断を受け、数日後に手術をされましたが、にもかかわらず肛門付近の疼痛に変化は無く、術後もずっと続いたそうです。その後、3~4件の婦人科を受診・治療されましたが痛みは取れず、特段の異常も発見されなかったそうです。さらに脳神経外科、内科、神経内科、ペインクリニック、心理療法、鍼灸、漢方、整骨院など、20件近くの治療院を受診されましたが、結局全て効果が無かったので、最近ではどの担当医も「脳からきている痛みでは」「自律神経では」などと告知されていて、事実上の放置状態だったそうです。どんな方法でも痛みが軽減しないので、会陰部痛による精神的な不安定と不眠が続き、睡眠剤を服用しないと就寝できないそうです。

 

 

 


②    Eさんの診察
【会陰部と大腿に関する診察】
・痛む部位は肛門では無く会陰部で、正確には膣前庭の右下半分と、そこから肛門にかけての右会陰部で、同部に持続性の(ズキンズキンではない)疼痛が一日中あり、座位で増強するそうです。歩行に跛行などの異常はありませんが、やはり会陰部に痛みがあるので、歩きにくいそうです。
・各医療機関での画像検査で特段の異常所見は無かったそうです。また血液検査でも異常は無かったそうです。
・血圧はやや高めで、降圧剤を服用されているそうです。その他、特段の既往歴は無く、元来健康だったそうです。
・出産歴はお子さんが三人おられますが、全て通常分娩で、特段の異常所見は無かったそうです。直近の婦人科の検査では子宮下垂・子宮腫瘍あるいは大腸癌などの所見は無かったそうです。
・閉経前、生理痛や不正出血等の愁訴は無かったそうです。また膀胱炎の既往も無いとの事でした。
・排便は毎日あり、排尿も正常で、尿漏れ等も無いそうです。不正性器出血も無いそうです。ただ、頻尿気味だそうです(尿量は少なめ)。
・腹部はかなり膨満していました。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音は減弱していました。
・腹部触診上、全体的に柔らかく、押圧により指を深く侵入することが出来ました。特段の腫瘤感や抵抗感はありませんでしたが、右季肋部から右恥骨結節の縦のラインに緊張と圧痛があり、特に右恥骨結節の深部にゴルフボール大の著明な緊張部がありました。
・これまでの問診上、生理痛や膀胱炎、あるいは腸炎などの特段の腹痛歴も無いとの事でしたが、改めて下腹部の痛みや炎症歴について問診すると、5年前に(☚会陰部痛が生じる2年前)右の腎盂腎炎の既往があった事を思い出されました。
・その腎盂腎炎は某病院で治療されて完治されましたが、その1年後後に原因不明のしびれ感があったそうです(歩行などの運動に障害は無し)。そのしびれた部位は臍より下の腹背部全体と両下肢全体だったそうです。MRIなどで脊髄・他の異常は無かったので特段の治療も無く、三日ほどで自然に解消したそうです。しかし軽度のしびれ感は現在に至るまで残存し、その部位は右臀部の下方、右大腿後面と内側部、右足根部、右足底部先端そして左の足背部だそうです。これらのしびれている部位の神経学検査では、軽度の知覚麻痺(健常部に比べて7/10前後)がありました。


【下腿のしびれについての診察】
・下肢について改めて問診すると、10年以上前に右膝が45°程屈曲したまま戻らなかったため、自力で膝を押圧して真っ直ぐに矯正したことがあるそうです。この件については医療機関の受診はされていないそうです。





➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    腹膜後方と閉鎖筋膜・上骨盤隔膜・外側恥骨膀胱靱帯付近を走行する陰部神経(後陰唇神経)、下直腸神経皮枝、後大腿皮神経(下殿皮神経、会陰枝)、閉鎖神経、陰部大腿神経陰部枝、S1神経根の絞扼性癒着(?)を解放する
  ⑵    陰部、子宮膣、膀胱静脈叢のうっ血を解放する
  ⑶    右の浅腓骨神経の絞扼を解放する

・上記神経群の解放テクニック
 (平滑筋テクニック、膀胱子宮窩(子宮底)解放テクニック、卵巣-卵管癒着解放テクニック、他)
・陰部・子宮膣・膀胱静脈叢解放テクニック
・浅腓骨神経解放テクニック

 





④    経過と結果・・・
・初診治療中、

右恥骨結節深部の施術において右大腿後面・足背や会陰部に放散痛が生じていました。またその際に、下腹部の奥で何かが剥がれていく感触がしていたそうです。治療終了後に椅子に座って頂くと、会陰部痛が治療前に比べて半減していました。
 

・2診目来院時、

会陰部の疼痛は6~7/10程度まで戻っていましたが、右臀部の下方、右大腿後面と内側部、そして左の足背部のしびれ感は消失し、右足根部、右足底部先端にわずかにしびれ感が残っているだけだそうです。毎晩、睡眠薬を飲まないと眠れなかったそうですが、初診治療後は睡眠薬を飲まずとも眠れるようになり、大変喜ばれていました。治療後は右足根部、右足底部先端のしびれ感は消失し、会陰部痛は4~5/10程度に軽減していました。
 

・3診目来院時、

臀部や大腿、足背などのしびれ感は解消していたそうです。会陰部については痛みでは無くムズムズ感に変わっているそうです。


・4診目来院時、

会陰部のムズムズ感が、何かが膨らんで拍動する感触に変化しているそうです。


・5診目来院時、

会陰部痛が再燃し、大腿の後面のしびれ感も再燃していたそうです。しかし施術後に会陰部痛と大腿後面のしびれ感は消失していました。触診上、少しだけですが子宮底がやっと可動するようになりました。
 

・その後も、来院の度に「症状の変化or悪化⇔施術後の軽減or解消」が繰り返されながらも、次第に全体的には軽快していき、10診目来院時には子宮底の可動性も大幅に増加するまで改善していました。そして会陰部痛も当初の1~2/10程度で推移していました。


・12診目治療時、

この2週の間ほとんど会陰部の痛みは解消していましたので、本件を治療を終了することにしました。

 

 

 

 


⑤     今回の症例の概説、、、
【会陰部と大腿に関する概説】
・今回のEさんの会陰部痛の遠因として、(若い頃から婦人科臓器の問題はあったであろうが)5年前の右腎盂腎炎が関係しているのでは、推測されます。おそらく腎盂腎炎時の炎症産物(膿瘍)が右尿管を下行し(流注膿瘍)、それが右尿管付近の消化管と骨盤の最下端である会陰部(☚腹膜後方と閉鎖筋膜・上骨盤隔膜・外側恥骨膀胱靱帯・膀胱子宮窩付近)に蓄積し、癒着性・刺激性に瘢痕化したのでは、と思われます。

 

 

 

・それが右側腹部では同部の消化管の刺激源となって緊張と圧痛が生じる原因となり、一番多く蓄積したであろう右会陰部(膀胱子宮窩)付近では周辺組織への癒着性瘢痕となって、同部を走行する上記神経群(陰部神経(後陰唇神経)、下直腸神経皮枝、後大腿皮神経(下殿皮神経、会陰枝)、閉鎖神経、陰部大腿神経陰部枝、S1神経根)の絞扼性神経障害の刺激源となっているのでは、と考えます。

 

 

 

・おそらく右卵管および卵巣も尿管経由の流注膿瘍に巻き込まれて癒着し、上記神経群の絞扼に一役買っているものと推測されます(☚右恥骨結節の深部にゴルフボール大の著明な緊張部)。右恥骨結節深部の施術中にEさんの主訴症状が再現できたので、この仮説でおおむね妥当では、と考えました。
 

・また腎盂腎炎後に臍から下方全部が広範囲にしびれた件も、この仮説で説明できると思われます。一般的に臍より下の腹背部全体と両下肢全体のしびれは脊柱管狭窄症や脊髄梗塞などによる中枢神経性障害やギランバレー症候群の可能性がありますが、脊髄のMRI検査などで全く異常が発見されず、また未治療なのに三日で自然治癒したのですから、中枢神経性は考えられません。従って末梢神経性のしびれが考えられますが、しかし末梢神経性でもこれだけの広範囲にしびれ感を誘発したとすると、腰痛ヘルニアや変形性腰椎症などの局所性病態は考えにくくなります。
 

・そこで、これだけの広範囲のしびれ感を誘発する刺激源として腎盂腎炎性の流注膿瘍が骨盤全般に広がったと仮定すると、その可能性が生まれます。おそらく右尿管を中心として後腹膜を骨盤全体に広がって下行した膿瘍が仙骨神経叢や腰神経叢を刺激し、同神経群が支配する広い領域にしびれが生じたのでは、と考えられます。
 

・それらの広がった膿瘍の多くは腹膜に吸収されたりマクロファージ等により処理されたと考えますが、その一部が残存したのが右会陰部付近だったと思われます。それが今回のSさんの会陰部痛の刺激源になったものと推測されます。これらの事から総合的に勘案して、上記③「治療目標と整体治療」の計画を立て、施術した訳ですが、とりあえずEさんの長年の会陰部痛が解消したので、上記仮説でおおむね妥当であったのでは、と考えます。

 




【下腿のしびれ感に関する概説】
・右下腿(右足根部、右足底部先端)のしびれ感については、10年ほど前に屈曲位で固定した右膝関節を無理やりに自己矯正した際、膝周辺の軟部組織等に障害が残り、その後遺障害により浅腓骨神経が絞扼されて側根部や足底部先端などに神経痛が生じているのでは、と推測されました。

 

 


・そこで浅腓骨神経流域の筋肉群を施術する事で同神経の絞扼解放を期待した結果、しびれ感が消失したので、左記仮説でおおむね妥当であったのでは、と思われます。
 

 

 

 

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