冷え性と整体 =一次性レイノー症候群との関係=
①概説と症状
・心臓から動脈が両腕-両足(四肢)に伸びていますが、その動脈が閉塞し四肢末端の血流が低下していく病態で、血流低下による手足の蒼白症状から始まり、次に紫色に変色し、血流が回復する時に赤みを帯びて元の状態に戻るのが一般的な症状(レイノー現象)です。
・血液は酸素・栄養素・ホルモンなどに加えて温度(体温)も運んでいますので、レイノー現象の際には「手足の冷え」を実感することもあり、いわゆる「冷え性」の一因であることも考えられます。
・基礎疾患がありレイノー現象が出ている場合を「二次性レイノー症候群」と言い、治療法はその基礎疾患を治療していく事から始まります。
・それに対して原因が不明でレイノー現象が起きている場合を「一次性レイノー症候群」と言い、若い女性に好発します。ここではこの一次性について説明していきます。
②一次性レイノー症候群を誘発する要因は?
・原因不明ですが、動脈などの血管は自律神経、中でも交感神経が重要な役割を果たしてその血流をコントロールしていますので、自律神経の失調が大きく原因している事が推定されています。
「凍傷」との関係
・凍傷とは極寒状態が続くと四肢への血管を自律神経が閉塞させて血流をストップさせ、大切な血液(栄養、酸素、体温など)を頭部と体幹に集中させて命を守る、一種のリストラ的な防衛機構です。
・一次性レイノー症候群は、ひょっとしたらこの凍傷のシステムの誤作動、あるいは敏感になる過剰反応ではないかと推定されます。事実、一次性レイノー症候群の第一の誘発刺激は「寒冷刺激」ですので、これは凍傷が寒冷刺激で生じるのと同じですね。
いわゆる「クーラー病」などの冷え性もこのシステムと関係があるかもしれません。
・一次性レイノー症候群の誘発刺激の二つ目は精神的ストレスです。ちなみに精神面の中枢は脳の「視床下部」にありますが、自律神経の中枢も同じく「視床下部」にあり、精神的ストレスを視床下部が受容する事で自律神経の中枢に誤作動(交感神経の過緊張?)を誘発させたのかもしれません。
③整体は一次性レイノー症候群に効果的?!
★頭蓋仙骨療法
・このテクニックは交感神経の緊張を緩和させる大きな効果がありますので、一次性レイノー症候群の様な自律神経失調(特に交感神経の緊張状態)の患者さんには大きな効果が期待できます。
★中国整体
・経絡治療らよる頚椎付近の「天柱穴」は四肢の血流回復に効果がある経穴です。
★心理カウンセリング
・精神的ストレスが大きく、あるいは長く継続されている患者さんに対しては心理カウンセリングが効果的です。
・無意識内に抑圧されて自分でも気付けていな精神的ストレスを発見するだけでも、大きな効果が期待できますよ。
④整体による実例
●28才・女性(会社員)の実例
・この患者さんは毎年クーラー病がひどく、夏場のクーラーの効いた会社での勤務中には靴下を3枚以上履いたりして四肢の冷え性を代償していました。体調が悪い時は手足が白く変色し、赤ピンク色に回復する頃の手足の何とも言えない違和感に苦しんできました。
・当JHSC治療室に来院された時も四肢が冷えて冷たい状態でしたが、上記整体治療法を施術している途中から「手足が段々とポカポカしてきました」と、治療効果を実感されました。
・症状を安定化する為にその後何度か通院されていますが、もう手の色の変化もなく、そして3枚の靴下に頼ることなく日常の勤務をされています。
【その他の冷え性の治験例】
●お腹-お尻と大腿の冷えの整体治療
● 大腿と背中の冷え性の整体治療
● 冷え性と整体治療・・・卵巣嚢腫の後遺症(?)
● 冷え性と整体 = 一次性レイノー症候群との関係
● オシリの冷え性と整体治療
● 上腕(二の腕)の冷え性と整体治療
● 手足と臀部の冷え性の整体治療
●冷え性
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