見るからに、アルコール依存症という純粋無垢な方がいらっしゃいますが、結果から申しますと、純粋に飲みながらあの世へ行く方か、飲まない生き方を会得して、第二の人生をはじめられる方に二分されます。

 

アルコール依存症って診断名を受けること自体が、かなり困難な事実もあります。

この診断名が付く前に、内科で違う疾患名を受けるとか、泥酔で事件を何度も起こすとか、家族関係がだんだん破綻して、家族崩壊になりかけているとか、借金してまで会社を休んでまで酒をかくれ飲みするとか、、初診で下される診断名ではないということがはっきりしています。

 

しばらく節酒をしてみましょうなんて、のんきなことを言う医者がいますが、アルコール依存症者は、それができません。いや、一時的にできる人もいるんです。山型飲酒といって、飲まない期間との飲む期間がバイオリズム的になっている体質の方です。

 

また、アルコール依存症は、まずは、依存症なので、他の依存の傾向がみられる傾向があります。まずは、人間関係への依存です。大切な妻や子供に依存をして、少しずつ人生を蝕んでいくのです。また過食症(積極障害)や薬物(処方薬や違法薬物)、ギャンブルや仕事に依存をしながら、何かが行き詰った時にアルコール依存症が顕著になる場合です。最近は、ゲーム(ネット)依存や、買い物依存、窃盗壁、性依存なども、依存症として認められています。

 

とにかく! ご本人様よ! やめたくない気持ちはよくわかります。

で、ギブアップ状態ですか?まだいけそうですか?誰にも迷惑かけてないですか?

全てを投げ出したいですか?死にたいけど勇気がないですか?

 

だって、依存症って、依存対象を、やめたくてもやめられない病気なんですもん。

 

故ジャニー喜多川氏も、ある意味、姓依存症者でしたが、やめたくてもやめられないまま回復せず死んでいった方です。

 

美空ひばりも石原裕次郎も、金には困らなかったので、体にガタがくるまで飲みまくって命を落とした方です。

しかも、アルコール依存症者の平均年齢は52歳と言われていますから、お二人とも合致しています。

 

さて、私は、35歳のときにアルコール依存症と診断されました。20歳ころからギャンブルとお酒にはまっていて、診断名がつくまでに15年の歳月がかかってやっとギブアップとなったわけです。根底に発達障害があるために、12ステップという回復のプログラムがきっちりとはまって回復できないジャンルの人間なんです。とりあえず、10年間は自助グループに所属して、いやなミーティングに出て、死にかけの執事のような古いメンバーの与太話を聞かされて、やってきましたが、どうも違うんです。お互いの共感ということよりも、メンバー同士の依存と支配の世界に感じたんです。12ステップを勉強のように機械人になるように勉強をしていて、そういうメンバーの話のつまらないこと。回復の実感が感じられないんです。何度も失敗(再飲酒)しながら、お酒がやっと止まって、なんとかメンバーをやり続けている人もいますが、本当に居場所なのかな?と疑う人もいます。

 

私みたいな発達系の依存症者は、あまり寄り道せずにすんなりお酒をやめられるケースが多いようです。もともとの依存症の問題よりも、発達障害の問題が根底として生まれつき問題があったからだと思います。

 

医者でも、この点に言及している方がいらっしゃいますが、医者としては、商売ですから、自助グループへ積極的にすすめなくても、定期的な通院やデイケアを提供してお金儲けしているクリニックの多いこと。

 

中間施設といって、病院と社会をつなぐ、依存症の施設が多くありますが、以前は、短期間集中で社会に戻っていって、その恩返しとして、新しい仲間へのサポートを通して、自分の回復に役立てるといった機能が顕著にみられたのですが、現在の中間施設は、総合福祉法のもとで、利用期間の長期化、医療機関のデイケアとの格差のなさ(施設には回復の12ステップがあったのに、現在は感じられず)。ダルクは薬物依存症、マックはアルコール依存症、と決まっていたのに、現在は、どんな依存症者も受け入れる施設が多いこと。施設の採算のためも大いにあると思います。利用者の回復が第二となっている感があります。

 

もう一つの提言として、医療がアルコール依存症を治せるといった行動を見せている点です。「治らない病気」「自助グループの必要性」といいながら、入院患者をかかえる役割は素晴らしいとしても、退院後の依存症者をかかえこんでいるんです。または、再入院するまで野放しにしている。

 

これが、平成末期から令和にかけての、アルコール依存症(12ステップに関わるほう)の現状です。

 

AA(アルコーホーリクスアノニマス)の現状は、アノニミティ(守秘義務)もあるので、割愛しておきます。

言いたいことたくさんあるけどw。

回復の12ステップが合う人と、合わない人がいるということだけは、断言しておきます。

仲間という意識が育つ人と、毛嫌いする人がいることも断言しておきます。