【5/28追記】哲仁王后感想&考察⑪サブタイトルの深い意味2 | OLがけっぷち日記

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このままじゃ、まずいよね?


サブタイトルの考察の続きです!


ep1〜ep7のサブタイトル考察はコチラから↓



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(1)各話のサブタイトル


ep8:危険な関係

ep9:光と闇
ep10:悪夢を生きる
ep11:許されざる者
ep12:剣の上で踊る
ep13:明日はない
ep14:死んでこそ生きる女

(2)サブタイトルの深読みep8〜ep14

ep8:危険な関係


哲宗&ソボンの関係性に変化が起きる、この回。

1956年フランス映画「危険な関係」のオマージュ。主人公はお互いに愛人がおり、どんな情事かまで共有して楽しむ特殊な関係の夫婦。ゲームのつもりが旦那は貞淑な人妻に本気になり、二人の自由な関係は破綻。結局旦那は死に、妻は顔に火傷を負う。この映画は、1950年代にも関わらずいわゆる「女性らしさ」を否定し、夫とは独特だけど信頼関係に基づいたルールを持ち、自分の欲望や感情のまま自由に生きた妻が主役の話なんだそう。

「それぞれが幸せに楽しく生きる」ノータッチという特殊な夫婦関係を結び、自分の欲望や感情のまま自由に生きるソボンと合致する。


ep9:光と闇


「人々は闇を恐れ、光で闇を追い出そうとする。しかし、光が強いほど闇も濃くなる」

[5/28追記]

この「光が強ければ影もまた濃い」というのはドイツの作家・ゲーテの格言。ゲーテは生前にドッペルゲンガー(自分とそっくりの姿をした分身)を見た事で知られている。


ep8でチョ大妃が『満月の夜に池を覗くともう1人の自分が池から出たきて歩き回る』という話をし、ep9ではファジンの黒化が本格化。鳳凰の髪飾りのシーンのスクリプトブックには、不敵に微笑むファジンに対し「鏡の中には閉じ込められたようなファジンだ」という表記もあり、もう1人ののファジン(=ドッペルゲンガー)になってしまっている事を暗喩しているのかも…


ep10:悪夢を生きる


「悪夢を生きている人たちがいる。彼らは悪夢に打ち勝つ方法を探している。そうやって悪夢に耐え、甘い夢を見た瞬間、悪夢はまた違う顔をして私たちの生活の中に入り込んでくる」


2001年に発刊された女性詩人チョ・ウンの「崖で生きる/벼랑에서 살다」という写真エッセイ集に由来と思われる。貧しい40代独身女性が感じる断崖感、物理的にも傾斜地に立つ家に住む生活の中で作者は絶えず生と死の問題を悩みながらも彼女は崖を「落ちる場所」ではなく「生きる場所」と規定し、日常生活の中に希望を見いだす様子が綴られる。

悪魔のような日々の中で活路を見いだす哲宗やソボンの様子と合致する。

※dronx7さんより情報いただきました


ep11:許されざる者


1992年クリントイーストウッド監督「許されざる者」をオマージュ。登場人物全員が「正義」という大義名分を傘に着て暴走する様に、"西部劇の定番である勧善懲悪を否定した"と評される作品。


ビョンインは中殿を狙った哲宗を倒すのは正義と信じ、ファジンはオウォルを殺した中殿を倒す事が正義と信じる。大王大妃に屈辱的な扱いを受ける大妃も自分こそが先王の意思を継ぐ正義であると信じている。改革を目指す哲宗すらも安松キム家からすれば安寧を揺るがす悪である。誰もが自分の考える正義の為に暴走するが、その姿は誰かにとっての悪でもある。

 

ep12:剣の上で舞う

1926年に韓国初のソプラノ歌手ユン・シムドクがリリースした「死の賛美」と言う歌の歌詞の一節に由来と思われる。作詞したユン・シムドクは脚本家のキム・ウジンと心中した事で知られる。二人の人生をドラマ化した「死の賛美」ではシン・ヘソンさんがユン・シムドク役を演じている。

死の賛美2節歌詞
『웃는 저 꽃과 우는 저 새들이
笑うあの花と鳴くあの鳥たち
그 운명이 모두 다 같구나
その運命はみな同じ
삶에 열중한 가련한 인생아
生に熱中した可哀想な人生よ
너는 칼 우에 춤추는 자도다
お前は刃の上で踊りを踊る者だ

似たような言葉「剣の刃渡り」は「危ないことをする」という意味の慣用句。大王大妃側の人間でありながらイ・センマンとして宴会の準備を手伝うソボンの行動を示すとともに、哲宗が自ら爆発事故を起こそうとしている事の暗喩でもある。

※dronx7さんより情報いただきました✨


ep13:明日はない


「しかし、私達は明日がやって来なくなって初めてそれが奇跡である事を知る。いつも失ってから大切さに気づく愚かな私達だから」哲宗が死にかけたことで、ソボンがその大切さに気付いた回。


1967年の映画「俺たちに明日はない」のオマージュか。世界恐慌時代の実在の銀行強盗であるボニーとクライドの出会いと逃走を描いた犯罪映画で、主人公達は最終的に二人とも銃に打たれて死ぬ。


前半は哲宗の事故で「明日が来る事は奇跡だ」と後悔する様子が描かれサブタイトル通り「明日はない」の流れだが、哲宗の無事を知ったソボンが「俺たちには明日があるって事だな」というセリフで映画とは違うエンディングになったことを示唆している。


ep14:死んでこそ生きる女


1992年メリル・ストリープ主演映画「永遠に美しく…(韓国題:죽어야 사는 여자/死んでこそ生きる女)」不老不死の秘薬を飲んだ女性達の騒動を描いたブラックコメディ。


主人公達が不老不死のポーションを飲む事で死ななくなるという映画のストーリーのうち「薬を飲むことで死ななくなる」と言う部分が重複している。


 

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サブタイトル深読み第2弾は여기까지 !

ep15〜ep20も今日中にはアップできると思います。



※あくまで個人の考察です。

※画像はお借りしました。



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