第5節 インテル対ミラン | La Gajitta dello Sport

 

24-25 セリエA 第5節

ホームにミランを迎えてのミラノダービーは1-2負け。序盤にプリシッチに先制弾を浴びるも前半のうちにディマルコが同点弾。しかし終盤にセットプレーからガッビアに被弾を許し敗北。今季初黒星。

 

 

予想通りの11人だったわけだが、

結局のところ、マンC戦を見据えてターンオーバーしたモンツァ戦、そしてダービーを見越してラウタロ、ムヒタリアン、パヴァール、ディマルコ(は怪我だったけど)を温存したマンC戦、そしてここぞとベストメンバーで臨んだミラノダービー、全て勝ててないこれは…

 

今回のダービーは、今シーズン序盤の状況や直近の試合の内容を考えても、過去数回で最も「勝てるだろう」と思われてたゲームで、当然ダービー7連勝も期待されていたわけだが、だからこそ嫌な予感があったねぇ。

 

基本的にインテルと対戦するチームって

①インテルに合わせて勝点を得たいチーム

②インテル相手でも自分たちのスタイル貫くチーム

の2つあって、①はプロビンチャに多めで②は強豪に多めってのが当然あるんだけども、インテルが苦戦するのはいつも①で相手側にハメられた時。つまりインテル用に準備してきたモノが見事に働く、そうでなければあっさり負けるってな具合なんよね。逆に②だとマンC戦で見せたようにどんなクラブが相手だろうと自分たちの土俵で戦うことができ、むしろやりやすさがあったりする。

 

さて今回のダービーはどうだったか。

ミラン、強豪なのに①だった。しかもそれが見事に働いた。

という表現でいいかなと。

 

ミランが用意してきたのは

攻撃時は4-2-3-1で守備時は4-2-4という特殊なもの。

攻撃時はラインデルスの見事な持ち上がりとモラタの降りて受けるプレーで中央突破、詰められたらサイドに捌くというものだったが、守備時の4-2-4が非常に厄介だった。

 

インテルのビルドアップって左サイドから崩す場合

 

 

これはほんの一例だけど

基本的にボランチのチャルハノールが最終ラインまでボールを受け取りにきてムヒタリアンやバレッラ、降りてきたラウタロなんかが相手選手間にあるスペースでボールを受け、1タッチ等を駆使して素早く展開(サイドorテュラム)する。もちろん状況に応じてムヒタリアンがチャルハノールの役目をするシーンもあるし、逆サイドの場合はバレッラがその役目をする。これはシーモどころかコンテ期から続けてきたものなので今さら説明するのもアレなんだけども、とりあえず。

 

インテル用に対策を講じるチームってのは基本、このボールを受けにくるチャルハノール役を阻害することを念頭に置くんだけども、今回ミランがやってきた守備システムは

 

 

こんな感じ

前線4人はそこまでボールを追おうとせずコンパクトに横に並ぶ。チャルハノール阻害役なんて意識もないように感じられた。それよりもその先、まず前線4枚がコンパクトさを保ったままスライドし中盤(バレッラやムヒタリアン、降りてきたラウタロ)にボールを入れさせない網を構築。さらに入れられてもラインデルス、フォファナ、ガッビア等が前を向かせないところを特に注力していた。

 

これをやられるとインテル、スイッチが入らない。

過密日程でコンディションが整わない現状、尚更。

 

なんとか突破口を見つけようと最終ラインで回しながら伺ってもサイドしか逃げ道がない。こういう時、パヴァールとバストーニの攻め上がりが効果的なんだが、前線4枚が目を光らせてるし、仮に奪われてカウンターでも喰らおうものならプリシッチやレオンら1人で決めきる選手がいるので多用できない。ボールは触れるけどディマルコ、ダンフリースに預けるパターンばかりだった。

 

開始からこれをされたことで、一気にペースを奪われる。というか、なんかやりづらいな感をインテルに植えつけた効果はデカイ。そして何も打開策を見つけらず浮き足立ってるところをプリシッチに掻っ攫われ決められるという最悪の展開。

 

25分くらい経過、ようやくペースを掴んできたところで幸いにもすぐにディマルコの同点弾が生まれ、その後の前半は押し気味だったが、いつもに比べるとどうにもアグレッシブさに欠けてた。

 

ハーフタイムに修正できると思ったが、特に変化なし。前半序盤のマズイ展開のリピートとなる。とりわけ後半序盤にレオンやアブラハム、ラインデルス等に決定機を作られたのは致命的だった。カードをもらっていたことを含め中盤の機動力を復活させたいシーモは60分にフラッテージとアスラニ(とダルミアン)を投入し打開を試みるが、アスラニは完全にあれだな、マズイ展開&周りのお兄ちゃんたちがフラストレーション溜まってると悟ると途端に臆病になるんだな…。当然、1番活かしたいフラッテージまでボールなんぞ届かない。その後、マンC戦大活躍のジエリンスキを投入しても変化はなかった。

 

オカフォー、チュクウェゼを投入し仕留めにくるミラン。

質は高いが特に同じことしかできない選手を多くベンチに置くインテルは最後、バストーニ→アウグストで最後、CBの攻め上がりに期待するも不発。何をやっても良い方向に働かない。89分にセットプレーから勝ち越しを許したのは言っちゃ悪いが当然の帰結だった。

 

総じて【ちゃんと負けた】

それどころか、決定機の数や質を考えると1-2以上のスコアでも全然おかしくない試合だった。ミランは素直に強かった。完敗でござんす。

 

さて、ミランみたいな特殊な守備をするチーム。

これがモデルとなって今後も増えてくるかもしれない。

 

僕なんかは全然素人なんでアレですが、この守備をされたらどうすればいいんでしょうね。漠然とだけどロングボールとCBの攻め上がりくらいしかないように思えるんだが…。

 

ロングボールに関してはディマルコの同点弾はバレッラのロングボールが起点となってるので有効だと思うし、キレイに配置された守備網にはリスキーだけどそれを崩してエラーを起こすような予想外の動き(CBの攻め上がり)が必要なような…

 

確かに、失敗に終わってカウンターからプリシッチやレオンに前向かれたそりゃー危険だけども、そこはもう、アチェルビと反対側のCB、もしくは余ったIHやボランチが臨機応変にスライドしてカバーするとか…、ってそんなのはCB攻め上がり戦法を編み出した時からわかってたでしょうけど、今回のダービーはリスク回避最優先でチーム全体の動きが重かったんで、それが原因なのかも。

 

うん、知らん。

負けは負け。

 

 

開幕5試合、2勝2分1敗スタート。

昨シーズンは5連勝スタートだったんで比べるとさすがに物足りないが、シーモ2年目の一昨シーズンもこんな感じでスタートしてた(その時は結局3位フィニッシュだったし12敗もしてた。が、CL決勝まで進むという不思議な現象が起こった)。んなことより、失点数が気になるな…

 

インテルにとって幸いなのが、

最終的にライバルになりそうなユーヴェやナポリ、ミラン辺りが同じくスタートダッシュに失敗してるところか(ユーヴェの失点0ってなんやねんw)。

 

トリノ強いなぁ~…