最終節 ヴェローナ対インテル | La Gajitta dello Sport

 

セリエA 最終節

インテルはヴェローナとのアウェイゲームにて2-2ドロー。アルニー弾で先制するも、その後、ノスリン&スソロヴに決められ逆転を許す。しかし、前半のうちにアルニーが再度決めて同点に。後半はスコア動かずで2-2決着となり、インテルの今シーズンは終了となった。

 

 

ヴェローナ&インテル、共に消化試合。

(ヴェローナは前節残留を決めたため)

インテルはターンオーバーを敢行。アウデロやビセック、アウグスト、フラッテージ、アルニー等が先発した。

 

最終節、エンタメ的には良かったんじゃないかな。

今シーズン、全体的にしょっぺー存在だった男(アルニー)による豪快な2ゴール。チャンスに絡み続けまたしてもアシストを記録するフラッテージ、最終節にして初出場ディ・ジェンナーロのファインセーブ。

 

そしてスクデット決定後からわかりやすく調子を落とすバレッラ…^^;この試合でも失点直結ミス。シンプルにやればいいところを無駄にコネてセルダーに掻っ攫われそのまま逆転ゴールを許してしまう。(あの…まだEUROもあるんでバカンスのこと考えるのやめてもらえます…?)

 

ヴェローナについては、

見たかった代表候補、フォロルンショが欠場して残念。スソロヴ&ミトロヴィッチ、21歳のこの2人がなかなか光ってたかなと。前線守備サボらず前半のヴェローナ攻勢に大いに貢献してた(前半だけで10本シュート打たれてたとか)。

 

後半は早々に両翼の電池を入れ替え、サンチェスを投入したインテルがやや優勢だったが、勝ち越し弾は生まれず。一瞬、クアドラードとブキャナンのポジションがチェンジされ、インテリスタが見たがってた【右ブキャナン】がお披露目されたが、すぐに元に戻されてた。

 

その後、第3GKディ・ジェンナーロ、そしてアスラニが投入され試合は平和的に終了。ラスト、サンチェスが抜け出しから鮮やかなループシュートを沈めたが、VARによりオフサイドとなり取り消された。

 

そういえば先日、セリエAより今シーズンのポジション毎の最優秀プレーヤー、総合MVPなどが発表されたけども、こんな感じでした。

 

■最優秀GK

ミケーレ・ディ・グレゴリオ(モンツァ)

■最優秀DF

アレッサンドロ・バストーニ(インテル)

■最優秀MF

ハカン・チャルハノール(インテル)

■最優秀FW

ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユベントス)

■最優秀若手選手(U23)

ジョシュア・ザークツィー(ボローニャ)

■最優秀監督

シモーネ・インザーギ(インテル)

■総合MVP

ラウタロ・マルティネス(インテル)

 

インテルからは監督含め4人が選出される快挙。ディ・グレゴリオがインテル育ちだということを考えれば4.5人といっていいだろうw(とはいえほとんどレンタルで出されてたのでインテルの試合には出ていない…)。

 

GKは最小失点のゾマーではないのか!?という疑問も当然出てくるんだけども、これはあれですな、失点数を競うわけじゃなくセーブ数というのかな。確かにゾマーは最小失点GKではあるものの、そもそもインテルではシュートを打たれる機会が他のチームに比べて少ないため、その辺が影響してるんだろうと思う。

 

DF、MFにはインテルのバストーニとチャルハノールがそれぞれ選ばれた。あとはFW、間違いなくラウタロの次にゴールを決めたってだけでヴラホヴィッチを選出。ただ、ユーヴェはこの選手をエースFWとして扱う限りは残念ながら怖くない。

 

コッパとCLでは残念だったが、スーペルコッパとスクデット、2冠を達成したシーモが最優秀監督に。とりわけセリエでの圧倒的な成績が考慮されたと思われる。ELを制覇したガスプも良かったけどね。

 

総合MVPは説明不要のラウタロ・マルティネス。得点ランクで言えば2位ヴラホヴィッチ(16ゴール)に8ゴールもの差をつけ24ゴールを記録(アシストは6)。ちなみに全コンペ合わせると27ゴール7アシストとのこと。ただラウタロの場合、リーグ終盤戦では2ヵ月半にも及びゴールから遠ざかっていた時期があり、この辺コンスタントにゴール取れるようになればまだ上にいけると思われる。

 

 

まだ未消化試合が1つ残ってるが、

とりあえず今シーズン、おつかれっした^^

 

結局インテルは89ゴール22失点でフィニッシュ。

得点数も失点数も近年ではベストの数字となった。

特に失点数は昨シーズンの半分程度にまで減少。

 

得失点も2位ミランに大差をつけ、「きみたちとは住む世界が違うんだよ^^」ってのを見せつける結果に。最多勝点記録等も色々狙えたが、スクデット決まって以降はアウェイゲームは基本ターンオーバーだったので、シーモとしてはその辺は気にしてなかったんだろう。控え選手達にとっても、そっちの方がいいですしね。ではここから、3つほどトピックを。

 

■ミラン、しょぺーな

最終節、ミランはホームに最下位サレルニターナを迎えての一戦だった。ピオリ監督最後のゲーム、試合開始前には「ピオリありがとう」ということでセレモニーまがいのイベントを敢行。またジルーやケアーらもこの試合を最後にミランから離れることが決まっていた。そんな彼らの姿を見に、サンシーロには多くのミラニスタが。ミランもまた、来シーズンの新ユニを着用するなど消化試合であると同時にまさに「イベント試合」の様相が強かった。

 

ぶっちぎりで降格を決め、モチベーション皆無なサレルニターナもちゃんと空気を読むやさしいクラブだ。22分、サレルノGKがわかりやすいファンブルでレオンの先制ゴールをお膳立てする。さらに5分後にはジルーにまでゴールを許す等、完全に脇役に徹していた。

 

ところが後半、シミーがゴールを決める。そう、これはあくまでもサッカーの試合なのだ。カモフラージュのためにもそれっぽいスコアにする必要がある。77分にはキャプテンらしからぬキャプテン、カラブリアがゴールを決め3-1。なんともサッカーらしいスコアである。

 

しかし87分と89分、サレルノ突然の裏切り!

サンビアとシミーが立て続けにゴールを奪ってしまい終わってみれば3-3ドロー。「おい、話が違うじゃないか」、ミランの選手達がそう思うのも無理はないだろう。個人的には申し訳ないが笑わせてもらったが、同時に「あんたらこんなんで来シーズンCL大丈夫なの…?」という心配も。

 

冗談はさておき、不甲斐ない終盤の2失点によりせっかくの「イベント」が台無しになったミラン。ここまで条件揃いといて勝てないとか話にならんし、あのファンブルがなければ負けていたぞ?と言いたい。

 

結局ミランは2位だったが、失点数は49とトップ10においてはワーストの数字で、モンツァやヴェローナ辺りと同レベル。しょっぺーとしか言いようがない。そしてこんな失点してるのに、話題はザークツィーだーシェシュコだー等FWのお話ばかりしてる。どうやら来シーズンはフォンセカ(笑)が監督をするようで、飛躍どころか退化する匂いを雄弁に漂わせている。

 

■空気読まないアタランタ

EL王者アタランタはホームにトリノを迎え3-0の圧勝。前半にスカマッカ、ルックマンがゴール(スカマッカのゴールはやばいぞあれ)。後半にパシャリッチのPKで美しく締めくくった。この結果をもってアタランタはまだ1試合残しているが勝点を69に伸ばし4位に浮上。仮に延期分のフィオレンティーナ戦で勝利するとユーヴェを抜いて3位でフィニッシュすることになる。

 

そして密かに話題になっていたCL6枠かも!?祭りはあっさり終了。ローマがCLに出場するには【アタランタがELで優勝しつつセリエを5位で終える】ってのが条件だったが、今節勝利したアタランタが4位以上を確定させたことでこの話はナシ!w

 

ただ、前々からお伝えしてる通りCLに6チームが出ることは個人的には反対だったので(足を引っ張るチームが出ることの方が心配だったし、ローマは正直インテルやミランなどと肩を並べてCLを戦うのはまだ早いと思ってた)、結果的にはこれで良かったのかなと。

 

ちなみにボローニャの5位が確定。つまりCLの特別枠(5チーム目)を使うのはボローニャってことになりますね。で、6位ローマ、7位ラツィオも確定。アタランタとの延期分を残しているもののフィオレンティーナの8位も確定した。

 

あとはフィオレンティーナが今週行われるECL決勝で優勝すれば特典としてEL出場権が与えられる。相手はオリンピアコス(ギリシャ)だ。そして仮にそうなった場合、来シーズンはCL5チーム、EL3チーム、ECLに出場するチームはナシってことになるのかな。

 

■ミラクルな残留争い

最終節なんだかんだ1番のトピックでした。

 

すでにサレルニターナ、サッスオーロの降格が決まっており、残り1つの降格枠を巡りエンポリ、ウディネーゼ、フロジノーネが争う構図だった。

 

インテルの試合後、iPadとPCの2台体勢でディレイ観戦したけども、ものすごいドラマが待ってた。Xにも投稿したんだけど、まとめの画像を作ったのでこちら↓

 

 

結論からいうと、降格はフロジノーネだった。

 

事前情報としては、

 

エンポリ

【当落線上に位置しておりローマに勝たないと基本的に残留は無理】だった。ローマとドローを演じても、フロジノーネ対ウディネーゼでフロジノーネが勝利していれば残留プレーオフが用意されていた。

 

フロジノーネ

【負けさえしなければ残留】で、【エンポリ対ローマでエンポリが勝たなくても残留】、考えうる9つのパターンのうち、降格するパターンはわずか1つで、今回の残留争いにおいてはポールポジションに立っていた。

 

ウディネーゼ

【勝てば文句なし。】【勝てなくてもエンポリが勝ちさえしなければ降格はない】という状況だった。

 

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スタートは⑤、まぁどちらも0-0なので当たり前。

 

13分、エンポリのカンチェリエーリがあっさりゴールを決めてエンポリが先制する。この時点で②に移行、降格はウディネーゼだった。試合開始前にアタランタ4位以上確定で自身のCL出場の夢が潰えたローマはあからさまに気が抜けていた模様。

 

前半終了間際、ローマのアワールが同点ゴールを決め、⑤に戻る。(エンポリ、ピンチ)

 

76分、0-0だったフロジノーネ対ウディネーゼのスコアが動く。防戦一方だったウディネーゼが途中出場デイヴィスのゴールで先制、⑥に移行となった。ルッカの胸での落としが見事だったし、滑り込んだデイヴィスのシュートがオコリの股を抜けるという…(エンポリ、さらにピンチ)

 

焦るエンポリとフロジノーネ。

フロジノーネとしては負けてもエンポリが勝ちさえしなければ残留だったが、何が起こるかわからない状況において、他力本願ほど頼りないものはない。必死に同点を目指す。

 

どこかが1点取ればその都度降格チームが変わるカオスのような状況で迎えた終了間際、やはりドラマが待っていた。

 

エンポリ対ローマ、93分だった。

エンポリ右サイドからの攻撃、走りこんだカンチェリエーリがダイレクトで左足アウトサイドでやさしいパスをPA内に送り込む(このパスが秀逸だった、エンディカの股抜いてるし)。

 

待っていたのはニアンだった。10年前、ミランではエースFWとして期待されるもなかなか花開かず、その後ジェノアやトリノ、フランス方面やサウジ方面などを転々とし、辿り着いたエンポリの地で、残留を決定付けるゴールをぶち込んだ(③に移行…)

 

この一報でどん底に落とされるフロジノーネ

最後まで攻撃を続けるが、焦る気持ちと裏腹に攻撃が全く形にならず…無念にもタイムアップ。

 

シーズン序盤、スーレのブレイクにより一時は一桁順位に位置し、なんだかんだ最終節開始前では16位とポールポジションに立っていた。【負けさえしなければ大丈夫、負けてもエンポリが勝ちさえしなければ大丈夫】もっと言うと、90分までは一度も降格の危機に晒されることなく来ていたのだが…ラスト2分で、全てが変わってしまった。とんでもないドラマじゃ…

 

試合終了

フロジノーネ 0-1 ウディネーゼ

エンポリ 2-1 ローマ

 

この2つの試合で総合MVPを挙げるとすれば、間違いなくウディネーゼGKのオコエだろう。終始フロジノーネの攻勢に圧倒され、21本ものシュートを打たれ、中にはコースギリギリの際どいシュートも多々あったにも関わらず、シャットアウトしてみせた。まさにセリエA残留の守護神だった。

 

 

降格はフロジノーネ

単純に勝点でエンポリやウディネーゼがフロジノーネを上回った形でフィニッシュした。フロジノーネ対ウディネーゼは、ウディネーゼにとってアウェイゲームだったため、劇的な残留を決めても内輪で喜び合うだけだったが、エンポリ対ローマはすごかったw

 

ニアンの決勝ゴールの段階でCLで優勝したかのようにお祭り騒ぎだったのに、試合終了のホイッスルが鳴ると今度はティフォージまでピッチに乱入して喜びを爆発(ニアンなんかはもみくちゃにされてた)。まね…歴史的瞬間だからね…^^;エンポリに全く思い入れなんぞない僕もなぜか目が潤みましたよ。本当にギリギリ、ギリッギリでの残留。いやはや、本当におめでとうございます。

 

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色々あったけども、

今節をもって23-24シーズンは終了。

 

インテルとしては例年通りであれば7月から新チームが始動。8月の下旬に新シーズン開幕となる見込みだが、CLでの試合数も増えるし、スーペルコッパも今シーズン通りだったらまた試合数が増える。

 

で、来週から今度はEUROの準備。

インテルからはほとんどの選手が出場しますね。

ちなみにラウタロもコパアメリカがある模様。

 

いつ休めと?