Jayer-Gilles Bourgogne Hautes Côtes de Beaune Blanc 2009
産地はブルゴーニュの中心部だが、シャルドネ100%ではない混醸で、その相手もアリゴテではなく、ピノ・ブランと半々のワインだそうです。造り手の名前も興味をひき、地区名ワインにしては、天然酵母に新樽率50%と贅沢な造りなので、どんなものかと飲んでみました。
あまりブルゴーニュらしくないデザインのラベルです。自体がドイツっぽい所からそう思うのでしょうか。
キャップシールはよくある葡萄の図柄で、穴は4か所、長方形の頂点です。
ワインの色はかなり濃い目でとろみがあります。濃厚な味を期待させます。
抜栓直後から、シェリーのような熟成した香りが強く、酸味は少し弱め、石灰のミネラル感があり、果物系の香りはほとんどなく、あえて言えば梅酒のような熟したプラムの香り、口に含めば微かに桃の香りがします。
熟したシャルドネによくある、炒ったナッツの香りや蜂蜜のような甘い香りはなく、樽香の強さも手伝ってか、あたかも吟醸日本酒を飲んでいるのような、酸味がなければ果実からできていることを忘れてしまうような味わいです。
見た目通り、果実味というか旨味はたっぷりとしており薄い感じは全くしなく重めで、後味にもピノ・ブラン由来らしい微かに苦みもあって充実感があります。雑味はないので意外とスルスルと飲めてしまい、良く熟した果実から丁寧に作られている感じがします。
全体的にピノ・ブランが勝っているのかシャルドネの華やかさがなく、ブルゴーニュの白と思って飲むと意外に感じてしまうのですが、その重さから魚貝のあっさりした料理というよりは、ラムのロース肉の料理や、日本酒のように焼き鳥に合う気がします。
若々しいワインの酸味が立ちきりっとして果物の香りがはっきりしものに飲み飽きて、スイスの上等なシャスラーのように地味においしいワインがお好みの方に、向いているように思います。