387「マージン・コール」→いちばん長い日 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。


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タイトルの「マージン・コール」とは、日本語に直すなら

「追い証」とも呼ばれる仕組みを言うそうで、なんでも、

相場の変動などによって、差し出している「痛く証拠金」が

不足に陥った場合に、追加しなければならない「証拠金」の

ことを言うのだそうです。

投資にはとんと縁のない筆者ですから、この辺のことには

十分な理解が及びません。

さて、実社会では、2008年に投資銀行「リーマン・ブラザーズ・

ホールディングス」の経営破綻がありました。

その影響は、一銀行の破綻に留まらず、各方面での連鎖反応を

招き、遂には「世界的金融危機」にまで拡大したとされています。

そもそもは、その発端はアメリカ合衆国の「住宅バブル崩壊」

(2007年)にあったようですが、それに引きずられる形で、

資産価格の暴落を初めとして、ともかく尋常でない経済混乱の

状況を呈しました。

この出来事は、日本でも大きな影響をもって受け止められ、

以後これが「リーマン・ショック」と呼ばれるようになったほどです。

本作は、その「リーマン・ショック」(2008年)をモデルにして、

ウォール街のとある投資銀行がその崩壊を回避しようとして、

懸命の対策を練る姿を描いたものですが、ちょいと目を引くのは。

物語の舞台がほとんどが建物内に限られた展開になっており、

そこに登場する人物たちの会話だけで、その緊迫した状況を

描き出している点です。

この手法は、大昔の作品「十二人の怒れる男」(1957年)を

彷彿とさせるものがあります。

陪審員の会話だけで、一歩一歩、事件の真相に迫っていくのが、

「十二人の怒れる男」なら、そのほとんどを「倒産回避」のために

最善策を模索する関係者の会話で構成されているのが「本作」

と言っていいのかもしれません。

観客を退屈させないことを意識したものか、冒頭リストラの

対象になった人物が会社を立ち去るに当たり、なんとも

「謎めいた言葉」を残すなどの展開になっており、この点などは

実に「映画的」な構成になっています。

ただ、ド派手なシーンが用意されていない分、本作は観客の

好き嫌いの評価は分かれる傾向がありそうですが、筆者に

限れば、「十二人の怒れる男」と同様に、本作も大いに気に

入っているところです。

 

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 「マージン・コール」  2011年 監督:J・C・チャンダー
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重量級の俳優が揃った配役がいかにも豪華絢爛で、

この点でも嬉しいものがあります。

ケヴィン・スペーシー/ジェレミー・アイアンズ/ポール・ベタニー/

ザカリー・クイント/ペン・バッジリー/サイモン・ベイカー/

/スタンリー・トゥッチ/デミ・ムーア/などなど。

 

中でも、TVドラマ「メンタリスト」で活躍のサイモン・ベーカーの

ドラマとは一味違う渋い一面が見られるのもお楽しみの

一つかもしれません。

 

本作で長編映画デビューした監督のJ・C・チャンダーは、

実は脚本も担当したようで、この部門でAWオリジナル脚本賞に

ノミネートされています。

監督2作目の「オール・イズ・ロスト~最後の手紙~」(2013年)は、

未見ですが、本作とは打って変わって、全編セリフのない

海難映画というで、ともかくこの1973年生まれの40歳代の監督には

この先大いなる期待を寄せているところです。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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