374「クイルズ」→サド侯爵の執筆 | 映画横丁758番地

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生きているうちに一度は(何度でも)観ておきたい映画について、変幻自在・巧拙緻雑・玉石混淆で書いています。


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タイトルになっている原題「Quills」、邦題では「クイルズ」とは、

一体なんのこっちゃ? そもそも、入口から意味不明です。

 

物語は、「sadism/サディズム/加虐性欲」の語源にもなっている、

フランス貴族のマルキ・ド・サド(1740-1814年)の晩年、つまり

シャラントン精神病院に入院?収容?中のサドの様子を描いており、

実はこのサド侯爵は、猥褻な文書を書いたとして「ナポレオン」の

命令で投獄されて以来、その後も数十年を刑務所・監獄・病院(兼刑務所)

などで過ごしています。

 

世間から隔離された生活を強いられたわけですが、そこはそれ

金の力もあって、執筆活動も割合に自由に続けました。

実際、サドの作品のほとんどはそういった環境で書かれたものという

ことで、現代でこそ、そうした作品に対する評価も定着しているようですが、

ともかく当時の常識からは大いに逸脱した内容だったため、評価される

どころか、つまりは精神病院を棲家にせざるを得なかったということです。

そうした環境の中にあるサドの言動を描写したのが本作ということに

なります。

 

さて、疑問だった「クイルズ」とは?

知ってみれば、割合他愛のないもので、要するに当時の執筆作業には

欠かせない筆記道具である「羽根ペン」のことでした。

ボールペンもシャープペンシルもない時代ですから、サド侯爵の

執筆活動を象徴するキーワードが題名の「クイルズ」ということになります。

 

だったら、もう少し分かりやすくなんらかの副題を加えるのも一つの

方法だったような気もします。

題名「クイルズ」だけで、意味が理解できる人がはたしてどのくらい

いたものか、ちょっとばかり「親切心」に欠けていたような気もする

今日この頃です。

 

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 「クイルズ」  2000年 監督:フィリップ・カウフマン
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ケイト・ウィンスレット/ジェフリー・ラッシュ

 

配役は豪華で、

1966年「シャイン」で、オーストラリア人初のアカデミー賞

     主演男優賞に輝いたジュフリー・ラッシュ/

1997年「タイタニック」で一躍その名を知られるようになり、

2008年「愛を読む人」で、数度のノミネート経験の末、ついに

    アカデミー賞 主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレット/

また、

2000年「グラディエーター」などでも、ノミネート経験をもつ、

    個性派俳優ホアキン・フェニックス/

    ※1986年「スタンド・バイ・ミー」や

      1989年「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」などで、

          活躍したリバー・フェニックスの実弟。

さらには、

1986年「ハンナとその妹」、1999年「サイダーハウス・ルール」で

二度のアカデミー賞助演男優賞に輝いた名優マイケル・ケイン/など。

 

監督は、米ソ間の宇宙競争を見事に描いた

1983年「ライトスタッフ」の、フィリップ・カウフマン/

 

余談ですが、

マルキ・ド・サドをモチーフにしたメッチャ有名な作品がこれ。

1967年「マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちに

     よって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」

     (監督:ピーター・ブルック/サド役:パトリック・マギー)

 

このあまりに長い題名が有名で、観客も覚えきれないと思ったものか、

時として「マラー/サド」と略されたそうです。

ちなみに、この日本語訳題こそが日本公開映画の中で

「最も長いタイトル」だそうです。

 

 

アンティークな作品が多くて恐縮至極にございます。
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