西岡壱誠さんが書かれた「東大作文」
『伝える力』と『地頭力』がいっきに高まる。
東大作文で身につく「5つの力」
仕事でもプライベートでも!「もう、文章に悩まい」最強のアウトプット術
CHAPTER 1.~CHAPTER 2. では、どうすれば「うまく作文ができるのか」
CHAPTER 1 .あとがき作り とCHAPTER 2. 目的作りで、「なにを書くか」「相手に伝わりやすい文章をどう作るか」を知り実践するためのテクニックが書いています。
CHAPTER 3.4.では「相手→自分」相手から自分の矢印をどうやって作るかについて書いています。
CHAPTER 3.では「説得力のある文章」を書くには1人ディベート(ツッコミ作り、譲歩作り、インパクト作り)でギャップをつくる。
CHAPTER 4.
質問トラップ作りで「読者を引き込む文章」が書ける
東大生は「読む人との会話」を重視する
質問トラップとは
相手に「会話したい」と思ってもらえるような文書を作るテクニックです。
「相手→自分」相手から自分
そう考えたときに一番わかりやすいのが「質問」です。
例えば「僕の話が終わった後に質問するように」と言うと生徒達の勉強の質が大きく向上します。
なぜか → 何か質問しなければならない、どこかに質問できるポイントがはないか
と、話を聞く姿勢が大きく前のめりになるからです。
「ふぅーん、そうなんだ」と聞き流すだけでインプットするだけで終わってしまう場合が多いです。しかし、「自分から相手に何かを質問する」という自発的な行為が義務つけられていると、それだけで「詳しく聞かなきゃ」という意識が生まれます。
相手からの質問(ツッコミ)を想定して、相手から質問してもらえる文章作りをする。そうすることで、一方的に話しかけているだけの作文から「会話」のある作文へと進化させることができるのです。
問いかけ作りで「読者との距離」をいっきに詰める
自分と相手の距離が遠いと、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。
話をする人への理解がない状態や、話す内容と自分の今までの経験から乖離があった場合には、「会話しよう」とはなかなか思いません。
つまり、質問しやすい文章とは、相手との距離が近い文章です。
相手と距離のある事柄・ちょっと難し内容でも、なんらかのフックがあって、それに相手が食いついてくれれば(興味を持ってもらえれば)、距離が詰めることができるのです。
( フックとは )
どんなに距離が遠い相手でもこっちに引っ張ることができる文章のことです。
例えば、「質問トラップってなんだと思います?」「質問トラップっていうのは.....読者を引き込む文章術で....」
問いかけからはじめて、その答えを出していく→興味を持ってもらう。
(相手から自分への双方向性)
【 問いかけ作りのやり方 】
1. 「譲歩作り」「インパクト作り」CHAPTER 3. の付箋を用意する。
2. 文章のはじめと、「譲歩」「インパクト」を使うタイミングで、型にはめて問いを作る。(問いかけには3つの型がある。)
① 「これって疑問に思ったことありませんか?」型
問いかける。最初に問いかけから入るのは、「相手と自分の距離を詰める」という効果があります。
(例)
これって不思議ですよね?〇〇って知っていますか?私知っているんですよ。
と、文章を進めていく。
② 「相手の言葉を先回り」型
「ツッコミ」を、先にこちらで封殺する。
1人ディベート「ツッコミ作り」「譲歩作り」CHAPTER 3.
(例)
1人ディベートのツッコミで考えたことを「 」に入れて「『〇〇』って思った人いるでしょ、『〇〇』だと思ったでしょ」という形に直せば完成
③「正解はどれでしょう?」型
「インパクト文」や「譲歩」の前に選択肢の問題を出すのが、この「正解はどれ?」です。
(例)
「AとBどちらだと思いますか?」と問いかけておき、その後で「Bだとも思った人も多いと思いますが、実はAなんです。
ポジション作りで「読者に響く」文章を書く
読者との距離は「主観的な文章」のほうが近い。
あなたが「話を聞いてみたい」と思ったのはどっち?
A:私自身、不登校だったときはこの言葉に救われた
B:不登校の子の〇割がこの言葉をかけられて嬉しかったとアンケートで答えている
Aは主観的で、Bは客観的な文章です。
「質問しやすい文章」というのは相手との距離が近い文章で「客観的な文章」というのは遠い存在なんです。 読者は人間です機械的なデータではなく人間的な感情のほうが距離を近く感じるのです。
客観的な文章を書くのも必要ですが、主観的な部分も入れて書けると、相手から自分の→矢印をもらいやすくなる。
【ポジション作りのやり方】
① 「主張」と「目的」の付箋を取り出す
② 自分が次の4つのうちどのポジションにいるのかを考える
上司が部下に、先生が生徒に、相手との立場を考えたときに、こちらのほうが優位な場合は「上」です。
友達に、仲間に、相手との立場を考えたときに、対等な場合は「横」
部下が上司に、生徒が先生に、相手の立場を考えたとき、相手のほうが優位な場合は「下」
「上」でも「横」でも「下」でもない場合は「外」
メモ:「相手の立場を考えると....」ってあるんだけど、ここを理解するのに時間がかかって、もう一度「主張と目的」誰に何を伝えたいのを思い出したら理解できた。
「横」を選んだら、自分の「主張に対する自分の思い」を書く
「上」を選んだら、「横」に立てる経験を探し、書いてみる
「下」を選んだら、自分が「下」だと表明した上で「主張に対する自分の思い」を書いてみる
「外」を選んだら、「上」「横」「下」のどれかに自分の位置を定めてみる
「横」というポジションはとてもいいポジションで
人間は「対等な相手」の言葉以外入ってこないからです。
先生や親から「勉強しろ」と言われてもなかなかやる気になりませんよね、でも、友だちから一言 「一緒に勉強しようぜ」と言われると少しやる気がでたりします。
同じ立場の人間の言葉でないと行動まで行き着かないことが多いのです。
「めっちゃすごい人の仕事術の本」などが売れることもありますが、
「まったく違う人間だから」と思う人は本を眺めるだけで終わってしまいます。「なりたい」「近づきたい」と読者が「対等になりたい」と思うからこそ、読者は没入するのです。
【ポジション作りのまとめ】
「上」の場合は、まず「横」に立てるポイントを探さなければなりません、
先生であれば生徒の側に立って1つでもいいから「相手との共通点を探す」。
「横」の場合は、すでに対等なのでそのまま思いの丈を書けばいい。
ただただ主観的に「思い」を書けばそれだけで伝わる。
「下」の場合は、「下」であるということを語りつつ、「横」として話をする、
「自分の立場はわきまえているけど、その上で僕はこう思ったんです」と語る。
「外」の場合は、「ポジション作り」を決めないとできません。
(外というのは客観的に距離を取っているいる状態)
自分がどこにいるのかもわからず、誰に書いているかもわからない状態で作文を書いて、それがどんな人に伝わる文章になっている、ということは絶対にありえません。
自分の立場をブレさせて、誰も彼もに向けた文章を作ろうとしても、結局出来上がるのは誰にも伝わらない文章です。
「今のポジションは外だな」と感じたら、かならず「内」に入ってから話すようにしましょう。たったこれだけで文章は劇的に改善されます。