片想いのあの子(坂田銀時) | 空のブログ[銀小説]

片想いのあの子(坂田銀時)

昨日は銀さんの誕生日・・・・って事で誕生日小説!(昨日かけよ

しかも今回はヒーロー目線でいかせていただきます!!

久しぶりだなぁ、ヒーロー目線ッ!わくわくするッでは、どうぞ


もう10月だってのに少し暑い日が続いている

テレビの向こうでは結野アナが晴れマークを指差して今日もなかなか暑いことを説明していた


「10月だってのに、汗かいちゃいますね」


洗濯物は早く乾きますけど、と洗い終わった洗濯物を干しに行く新八

俺はソファにごろんと横になって置きっぱなしのジャンプを手に取った


「ま、ついこの間まではもっと暑かったんだ。かわりゃしねぇだろ」

「そうですけど」


今日も仕事がなく結構暇になってきた

神楽は録画していたドラマの再放送を見ていて暇ではなさそうだった

新八は洗濯が終わったら今度は朝ごはんの食器洗いとまるでお母さんみたいに働いている

俺は立ちあがって玄関へと向かう


「少しでてくる」

「どこいくんですか?」

「その辺ぶらぶらしてくるだけだ」


って言っても時間はあっても金がねェ

どこへ行こうか、なんて辺りを歩いていると見覚えのある後姿に思わず笑みがこぼれた

俺は小走りでそいつに近づき、ぽん、と肩をたたく


「よ!」

「わぁっ!?」


びっくりしたみたいで変な声を上げながら俺の方を見てくる

目をまん丸くしてこっちを向いたが、俺の顔をみてその表情が次第に柔らかくなる


「なぁんだ、銀さんか」

「悪ィな、驚かしちまって」

「んーん、それより偶然だね」


よく行くパチンコ屋でアルバイトをしていて、俺が声かけたことがきっかけ


『お姉さん、この後さぁ、ひま?』


ナンパするつもりなんてなかった

その時は本当に気まぐれで声をかけただけだった

きっとこの子も軽く受け流すだろうと思っていたし、俺もそれくらいの感じだった

だけど、受け流すなんてことはしなくて、ちょっと考えたような表情を見せてきた


『うーん』


それから、少し照れたような表情を見せてきた

それも、愛想笑いとか、そう言うんじゃなくて、自然と出てきたようなかわいい笑顔


『実は予定会ったけど、お兄さんの為にあけたげる!』


一瞬でその子に釘づけになった

玉がいっぱい台の中ではコロコロはじけているのに、そのことも忘れてずっと見てしまった

この返し方は結構ナンパ慣れしてて、結構遊んでいるような子なのだろうか

きっとそうだろうな、こんなに可愛いんだし

でも、たとえ遊んでいるような子でももう一度あの笑顔をみたいなんて思った俺はその子のバイトが終わるまでずっと玉を打ってたんだ

その後は普通にファミレス寄ってご飯食べて、少し話してバイバイって感じ

連絡先ももちろん聞いた

きっと俺は一目ぼれだったんだろうな・・・・


「銀さん?」

「・・・・・あ、あぁ?なんだ?」

「もぉ、聞いてたー?」

「悪ィ悪ィ」


つい昔のことを思い出して話しを全く聞いてなかった

ちょっとばかり鋭い視線をぶつけて来て、ちゃんと聞いて、アピールをしてくる

はいはい、と俺は彼女の話を聞きながら横目でその顔をのぞいていた


「そう言えば、最近銀さん来ないよね」

「金がねぇからな。収入が入ったらまた行くさ」

「ん、待ってる」


そう話しながら俺はカフェの前で足をとめて、その看板を見つめた

当たり前のように彼女も足をとめ、俺の方を見つめる


「銀さん?」

「なぁ、寄ってかねェか?昼飯まだなんだ」

「あー、あたしもまだ」


このまま家へと帰るのが寂しくなって、そう提案すればこくりとうつむいてくれた


「いいよ。食べちゃお」


俺がドアを開けてあげれば、ありがとう、とお礼を言って先に店の中に入る

俺の前を通るとふわりと柔軟剤のにおいが俺の鼻をくすぐった

モノを注文してから少しの間話して、話題が丁度いい具合に切れたら俺は水を含んだ

いつも以上に喉が渇くのは緊張してるからなのだろうか

コップをテーブルに置くと表面についていた水滴がテーブルを濡らした


「銀さん、これ」

「ん?」


顔をあげると小さな包みを渡された


「なんだ、これ?」

「明日誕生日でしょ?明日あたしバイトだから、早めに渡しちゃおうと思って」


って言っても4時までだけど、と付け加えてまた照れたように笑う

確かに明日は俺の誕生日で、また1歳年をとる

でもそんなことよりも、恋人でもない俺に誕生日プレゼントをくれるという嬉しさが顔にでてしまう


「やべぇ。顔ニヤけるわ」

「嬉しい?」

「嬉しいに決まってんだろ、コノヤロー」


小さい声でありがとな、と言えば、ん、と首をこくんとふってくれた

たまにこう言うことをされると


『こいつも俺のことを好きなんじゃないのだろうか』


という期待が胸の中をうず巻く

でも、あの日、俺のナンパを慣れたようにうけてくれたことから、その期待もただの俺が舞い上がって感じてしまっている勘違いなのかもしれない、とも思う


(こんな歳になって、恥ずかしいな)


俺の気も知らないで運ばれてきた料理を嬉しそうに食べるそいつにまた見とれてしまった


―・・・


「あれ?旦那じゃねぇですかィ」

「チッ、見たくもねェ顔みちまったぜ」


昨日アイツと偶然出会えたからってわけじゃねぇけど、今日も町を歩いていた

見覚えのある制服だな、と思っていれば案の定真選組の野郎だ


「そういや、今日誕生日らしいですねィ」

「んでんなこと知ってんだよ」

「聞いたんですよ」


沖田が出した名前を聞いて、それだけでドキンと鼓動が大きくなった


「昨日偶然会いやしてね、旦那のプレゼント探してるって。大層悩んでやしたよ」

「あー、そうかぃ」

「旦那たち付き合ってるんですかィ?」

「は、はぁ?何言ってんの、総一郎くん」

「総悟です」


んな質問で顔を赤くしてしまうそうだ

まるで中学生じゃねェか、馬鹿らしい


「昨日アイツにも聞いたんですがねィ、同じこと」

「・・・・・で?」

「『秘密』なんて顔真っ赤にしていくから、てっきり俺ァ付き合ってるもんだと思ってやしたがねィ」


そう言ってからチラッと俺の顔をみる

まるで捕まえた犯罪者を上から下まで見定めるようなその目つきに不快感が走る


「なんだよ」

「どうやらその調子じゃ『まだ』みてェですねィ」

「だったらなんだよ」

「旦那、もたもたしてやすと、俺がもらっちやいますぜィ?」


俺をおちょくってるかのような言葉に無性にムカつきがきた

だけど、それより前に身体が動く


「そうかィ。悪ィが渡す気なんざねぇよ」


ポンと沖田の肩に手を当ててからパチンコ屋まで走っていった

後ろを振り向いたわけじゃないから知らないが、きっと奴はやれやれといったような表情なんだろう

同じドS系として、なんとなくそう思った

店内に入れば聞きなれた騒音

その中から透き通ったようなアイツの声を聞き当てる

見つけて、腕を強く引っ張れたまだ驚いたような表情で俺をみる


「銀さん?」

「お姉さんさ、この後、ひま?」


まるであの日を思い出させるような言葉に彼女は驚きながらも少し笑った

んー、と少し考えるしぐさをしたら、あの人同じあの笑顔


「今日はお兄さんの為にあけてあるから、全然オーケーよ」


いたずらっぽく笑ってきたその顔はやっぱりちょっとだけ赤らみを帯びている

ドキン、とまた大きくなった鼓動を抑えて、時計の針をみた


「4時ごろ、迎え来るから」

「いいの?」

「あぁ、どうしても言いたいことがある」


こんな真剣なまなざしで見つめて言いたいことがある、なんざこの先の展開を予想してるかもしれない

だけど、それよりも、絡みあった視線にフイッと顔をそむけて耳まで真っ赤にしているこいつをみて俺も先の展開を予想してしまった

じゃぁ、また、と手を振ってから緊張で喉が渇いてしまう


「イチゴ牛乳でも買ってくるか・・・・」


とりあえずコンビニに行ってから、どっかでヒマつぶして来よう

片想いのあの子に告白するため、どっかで緊張をほぐして来よう。





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