仁王立ちになった僕の前で彼女は跪き、上目遣いで僕を見つめる。
彼女は1日に何人もの人を相手にこんな風にしているのだろうし、それが彼女の仕事なのだけれど、僕にとっては1年に何度も経験できることではないので、ちょっと恥ずかしいし緊張もしてしまう。
「どうですか?」と聞かれるのだけれど、どんな風にしたら良いのか、彼女の方が慣れている。僕があれこれ注文をつけるよりも、彼女に任せた方がよいのだろうと思う。
「こ、これでお願いします」
と少しドキドキしながらこたえるのが精一杯だ。
1時間ほどして、裾上げがきれいにできあがってきた。