麒麟総評②はこちらです👇



皆さん、お久しぶりです

GWの麒麟総括ライブ、沢山の方に来ていただいて本当にありがとうございました!ライブの前にこの総評を投稿しようと思っていましたが、遅くなりました🙏最後まで読んでいただけると幸いに思います🙇‍♂️


1.池端脚本の魅力とは?

総評①、②で綴った作品評価を基に、麒麟を始めとした、池端脚本の魅力、本質、そして作風について考察していこうとおもいます。

❶美しさと醜さ

池端脚本の魅力、そして特徴はこれが一番だと思っています 「大きな国」という道三に託された夢を巡って物語が進んでいきました。義昭、信長と共に上洛する事が出来たという出来事は希望なんですよね そして敵を次々と討ち果たし、幕府を滅ぼすといういわば希望を叶えるという事なんです ただ、希望や叶えた先には必ず悪い部分があるわけで…池端先生が描きたかったのは、希望とは外面的な側面で有り、実際は闇である その中で必死に生き抜いた人を描く という事なんだと思います 


❷主人公の造形

池端脚本の魅力というのは、この主人公のキャラ造形の巧みさにあると思っています ある意味表面上は現代人の感覚に近く見えるんです 戦のない世の中を目指したり、平和を好むと言う一般に言われる「当時の価値観」からしたら外れているというかそういう印象を受けるかも知れません。ただ、よくよく見ると、それは違うんです 中身は「戦は世の常」などの一般的な当時の価値観は根底としてあるんですよ その上で普遍的な現代にも通じる願いをリアリティを持って描かれているのがいいんです そして、そんな主人公に限ってドロドロな悲劇を辿っていくというのもまた恐ろしいです…


❸万人受けと作風

池端脚本は万人向けするのか…という話です そもそも様々な視聴媒体がある中で視聴率を基準にするのは必要性は感じません 視聴率が振るわなくても、SNSで好評な作品は沢山あります(平清盛、いだてん…)その中で考えると、池端脚本は万人向けをするとはあまり考えられません 今回は戦国ものという事で一定の固定客はいるという前提で考えます 中世というファンタジー的な舞台だからこそ出来る崇高なテーマ性をオリキャラなども交えて描いているというのは、昔の作品には良くある事で、最近無かった作風が復活したに過ぎないと私は捉えています 久々の事なので、戸惑った方もいるんだと思いました ただ、視聴率が安定して取れたという事は、戦国ものというより室町ものと取れる作品でも出来るんだという事が証明できたと思っています


2大河史の位置付け

制作発表の時に「大河新時代」として転換点になる作品として位置付けられました ここ10年くらい、いい作品はあるものの、中々それが続かずに迷走していたと感じています そしてそれを経て、大河ドラマ枠は、ついに「いだてん」から完全復活したように思います

❶脚本

池端先生という大ベテランで歴史劇の名手を中心とした事が今作一番の最高の要因だと思います 大河ファンでも再登板が望まれていた中、期待通り、それ以上の作品を魅せてくださいました!そして何より今作において、若手脚本家の岩本麻耶先生の台頭が本当に大きいと思う 池端先生が手掛けられた「夏目漱石の妻」という作品にも岩本先生は関わっておられて、弟子の様な感じなのかと思います 今後、大河が続く上で、若手脚本家の対等は必要条件だと思います 大河の継承という意味でも脚本チーム制は正解だったと思います


 ❷出演者

前半は大河常連・主役経験者の本木雅弘さん、村田雄浩さん、西村まさ彦さんなどで固めつつ、終盤にかけては大河常連というより、長谷川博己さん、染谷将太さん、風間俊介さんを始めとした演技派の若手、中堅を中心にあの重厚感を出せたというのは、本当に今後の大河の財産になったと思います 今後の大河でメインを担う役者さんたちになっていくと思います 特に染谷将太さんはいずれ主役もあると思っています!


大河が続いていく上で、本当に大きかったと思う


3.30年間の変化とは?

池端先生の前作大河「太平記」と今作「麒麟がくる」は29年経ています そこで改めて感じた所謂昔と今現在の大河の変化した点というのが鮮明に出たと思います

❶台詞

放送開始前にも池端先生がインタビューで仰っていましたが、「分かりやすく」を重視されたんだと思います ただ、回を重ねていくうちに、台詞回しも文語調になっていったので、そこも素晴らしかったですね


❷編集

昔はメインでない登場人物(チョイ役)の最期の描写において、映像をしっかり見せて余韻を持たせていたと思うんです 対して最近の作品では、そのチョイ役の最期は、余韻を見せるというより、効果音と共にスピード感を重視していると感じました



以上で、麒麟総評を完結いたします。

最後までお付き合い頂き、有難うございました!

麒麟は本当に私の人生を変えてくれた、本当に大切な作品になりました まだ、麒麟ロスは続いていますが、一応の本作の考察はこれで完結させます

続編、お待ちしています!

半年間ありがとうございました!

 

  「麒麟は必ず来る!」

                             
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