① オーバーコッヘンの魅力を再考する〜 CARL ZEISS Oberkochen | BLRM ブラッキー リッチモア ~ Be Lucky Rich More!! のブログ

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私の双眼鏡沼の入り口は、1Q デルトリンテム であった。

 

 

その、突出した中心像のシャープさと、

 

臨場感溢れる、3D的な見え味に感動し、

 

その後すぐさま、Oberkochen 8×30 を入手して、

 

その、コクとキレのある見え味に更に感動し、

 

以来、沼に溺れて今に至る訳だが、、、

 

 

大変ありがたい事に、これまでに古今東西、

 

現行機種からヴィンテージ機、

 

更には、ミドルクラスの普及機からハイエンド機種まで、

 

数百台の双眼鏡を体験させて頂いた。

 

 

その結果、1周回って、原点回帰とでも言うのだろうか、

 

それとも、数多くの機種を体験した事で、

 

自分の中で一つの結論が出たのか・・・!?

 

今再び、オーバーコッヘンに魅力を感じている次第である。

 

 

事実、今現在、私が普段 最もよく外に持ち出すのは、

 

CARL ZEISS Oberkochen 8×30B  である。

 

 

先日も、京都の伏見稲荷大社にお詣りに行く際に、

 

8×30B を携行したし、近所の散策時も本機を携行する事が多い。

 

 

そんな訳で、先月で本ブログも10周年を迎えた事もあり、

 

今一度、オーバーコッヘンを見直し、

 

その魅力を探ってみたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事柄、あらゆる双眼鏡のそれぞれの内部、各部品を、

 

実際に、この目でつぶさに観察して来た。

 

 

また、組み立て時や調整時に於いては、

 

その双眼鏡の工作精度のレベル、造りの良し悪しが、

 

一目瞭然で、丸裸になって分かってしまう訳だが、

 

やはり、オーバーコッヘン機の造りは良いのである。

 

 

それも、群を抜いて抜群に良いのだ。

 

恐らく民生機としては、疑いようもなくトップだろう。

 

 

一部の軍用機を除いて、民生機では、

 

オーバーコッヘン機程に、徹底した種々の対策、

 

丁寧で頑丈な造り、耐久性の高さ、高度で超精密な工作精度、

 

それら全てを兼ね備えた双眼鏡は、

 

今尚、他では見た事が無いのである。

 

 

戦後間も無くと言った時代背景もあり、

 

それまでのイエナ工場から、9割近い設備と、

 

多くの技術者を西のオーバーコッヘンに召喚し、

 

東のCARL ZEISS JENA を超えようと、

 

考え得る限りの叡智と技術を詰め込んで、

 

満を持して完成したのが、オーバーコッヘン機である。

 

 

実際に、そんなオーバーコッヘン機に触れていると、

 

コストや利益よりも、まずは とにかく良いモノを造ろう、

 

最高のモノを造ろうと言った気概が感じられるのである。

 

( 昭和のNikon製品や、往年のイエナ製品にも、

 その気概が感じられる。)

 

 

昨今のように、コストや株主、様々な規制に、

 

大きく制限されてしまうような環境下では、

 

また、世界的にグローバリズムが席巻し、

 

良いモノ作りよりも、目先の利益が優先され、

 

モノ作りの思想が根本から変化してしまい、

 

クラフトマンシップと言う言葉や精神そのものが、

 

絶滅危惧種となってしまったような昨今では、

 

このレベルのクォリティの製品を作るのは、

 

もはや夢物語であり、非現実的とさえ思える。

 

 

仮にもし今、オーバーコッヘンと同じクォリティのものを

 

作ったとすると、かなり高額な定価となるのでは無いだろうか?

 

恐らくは、20万や30万では到底済まないだろう。

 

そもそも、ポロ機はダハ機よりも遥かにコストが嵩む。

 

 

 

オーバーコッヘン機の鏡体には、

 

プラスチック部品等は殆ど使われておらず、

 

メンテナンスが可能な構造となっている事もあって、

 

100年後も200年後も使用可能なクォリティの製品だ。

 

何年経過しても、外装がベタ付くなんて事にもならない。

 

 

現在の現行品で、100年後も問題なく使用出来そうな機種が、

 

はたして一体、どれくらいあるのだろうか!?

 

そもそも、メンテナンスが可能な構造ですら無くなってしまった。

 

 

上記に並べた理由だけでも、昨今の製品とは、

 

内包するモノとしての価値のレベルが根本的に違っており、

 

オーバーコッヘンの本質的な価値の高さが計り知れるだろうし、

 

個人的には、それだけでも選ぶ理由が十二分にあるのだが、

 

それ以外にも、これまでに数多くの双眼鏡を体験した結果、

 

私がオーバーコッヘンをあらためて見直し、

 

魅力を感じている理由が、以下のようなものである。

 

 

 

・頑丈で頑健な、美しいフレーム

 

中古の双眼鏡では、フレームや鏡体が、

目視では分からないレベルで、

僅かに歪んでいる個体も少なくない。

( そう言った個体は光軸が合いにくく狂いやすい。)

 

オーバーコッヘン機は非常に頑健な造りなので、

そのリスクも非常に少ないように感じる。

過剰なくらいに、耐久性が抜群の鏡体となっている。

( 頑健さでは、唯一イエナ機が匹敵する。)

 

また、ただ頑健なだけではなく、そこには一切の無骨さがなく、

ただただ洗練されていて、美しい。

塗装の素晴らしさも頭一つ抜けている。

 

グッタペルカ部も耐久性がすこぶる高く、

剥がれてボロボロになった個体は見た事がない。

 

頑丈で耐久性が抜群の鏡体は、

絶対的な安心感にも繋がるのである。

 

 

 

 

 

・限りなくコンパクトで軽量な躯体による、

 機動性の高さ

 

8×30を例に取ってみても、非常にコンパクトで、

持ち出しやすく、軽く、携行しやすく、非常に扱いやすい。

この機動性の良さは、特筆に値する。

 

私が普段使用している最も稼働率の高い愛機

CARL ZEISS Oberkochen 8×30B

 

 

 

 

 

・工作精度が極めて高い

 

組み立て時や、光軸の調整時に、

工作精度の良し悪しが露呈してしまうのだが、

オーバーコッヘン機は、他メーカー品に比べて

極めて工作精度が高い。

 

オーバーコッヘンに比肩する程の工作精度は、

一部の CARL ZEISS JENA製品くらいだと感じる。

 

国産だと、昭和のNikon製品の一部の機種が、

非常に高い工作精度だと感じた次第である。

 

 

・各所に施されたシーリング

 

有名な接眼部のゴムブーツしかり、

接眼レンズ、対物レンズ、対物カバー内、プリズムカバー裏、

ありとあらゆる箇所が、ゴムパッキンでシーリングされており、

極めて気密性の高い構造となっている。

 

接眼レンズや対物レンズには、ゴムパッキンの為の

スリットが刻まれており、非常にコストの掛かった、

凝った造りのレンズとなっている。

そして、レンズにはコバ塗りも施されている。

 

また、プリズムカバー裏のゴムパッキンにも、

左右上下の方向性がきちんとあり、

鏡体に沿って成形されている。

間違えてしまわないように注意が必要だ。

 

気密性が高い故に内部に曇りが出やすいので、

アルゴンガスを充填する事で、

よりパーフェクトに近い状態となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

・プリズムを含め、光学系ガラス材の良さと

 造りの丁寧さ

 

オーバーコッヘンの見え味の良さの原因の一つが、

ガラス材によるものと思われる。

 

しかしながら、現在では様々な規制もあり、

当時のガラス材の再現は残念ながら不可能である。

 

規制の中で、昨今どこも努力、工夫をされているとは思うが、

体験上、埋められない差があるように感じる。

 

オーバーコッヘンのプリズムは、

他メーカーのものと比べると硬度が低いのか、

非常に柔らかいので傷が付きやすく、

極めてデリケートなので細心の注意が必要だ。

 

また、全てのプリズムは黒塗りが施され、

全てのプリズムの裏側には、スリットが設けられている。

徹底した迷光対策が為されている。

 

民生機で、ここまで徹底された機種もなかなか無い。

 

 

 

 

 

 

 

・分離型アクロマート対物レンズ

 

オーバーコッヘン機の対物レンズは、

よくある貼り合わせレンズではなく、

分離型のアクロマートレンズ構成となっている。

 

( 1970年以降辺り?からの晩年の後期モデルでは、

 貼り合わせレンズとなった。)

 

バルサム切れ等による問題も起こりようも無く、

個人的には評価したいポイントである。

 

また、2枚の構成レンズには、

それぞれゴムのOリングが装着されており、

第二郡レンズには、コバ塗りもされている。

 

 

 

 

 

・造りが極めて丁寧でコストが掛かっている。

 

Oberkochen 8×30 を例にとると、

初期の製造個体は、鏡体内部が徹底的に黒塗りがされ、

プリズムを押さえる金具が、

プリズムに合わせてプレス成形されていたり、

対物側には、遮光板が組み込まれていたり、

プリズムを調整、固定する為の、

凝った金具がセッティングされていたり、

とにかく、良いと思われる事は、

徹底的に惜しみなく盛り込んでるようだ。

 

オーバーコッヘン機の、この過剰なくらいの徹底振りは、

当方が、双眼鏡のオーバーホールを行う際の、

一つのお手本、基準とさせていただいている。

 

 

プリズム位置を調整、固定する為の金具が

接眼側、対物側、双方にセッティングされている。

( 前期型と後期型では、形状や方法に差異が見られる。)

 

 

 

 

鏡体内部が徹底的に黒塗りされている。

ただし、後期モデルでは残念ながら、省略されてしまった。

 

 

 

 

 

ごく初期のモデルでは、対物側のプリズム押さえの金具は、

プリズムの山に合わせて、プレス成形されている。

 

 

 

 

 

 

前期モデルでは、対物筒と一体となった遮光筒が無い代わりに、

遮光板が組み込まれている。

 

プリズムのコバ塗りと相まって、

過剰なくらいに徹底した対策が為されている。

 

 

 

 

 

・見え味の良さ

 

どれだけ造りが良くて頑丈でも、

見え味が良くなければ全く意味がないが、

オーバーコッヘン機の見え味は素晴らしい。

 

オーバーコッヘン機に共通する見え味の特徴として、

キレとコクが両立したような、

中心像は極めてシャープでありながらも、

非常に円やかで艶やかな像を楽しむ事が出来る。

 

この独特の円熟味のある艶やかで、

生命感に溢れる像世界は、

オーバーコッヘンならではのものだ。

 

また、奥行きや立体感も秀逸で、

球体は円形でなく、きちんと球体に見える。

木々の枝の前後左右の配置が正確に把握出来る。

 

レンズコーティングに関しても、

現行のCARL ZEISS機に近い、美しいロゼ色で、

( 以下の画像参照)

同時代の他社製品よりも一歩リードしている。

 

レンズコーティングが功を奏しているのか、

像も必要十分以上に非常に明るい。

同時代のライバル機種と比べても、1ランク明るく感じる。

 

もっとも、昨今の製品の中には、オーバーコッヘン機よりも

明るい像を見せてくれる機種は、いくらでもあると思うが、

明るければ良いと言うものではないし、

オーバーコッヘン機には、必要にして十分な明るさがある。

 

 

尚、オーバーコッヘン機の光学レンズ、プリズムは、

デリケート故なのか!?少しでも汚れがあると、

途端に、黄土色被りしたような見え味となってしまう。

 

しかしながら、きちんと整備された個体では、

特に気になるような酷い着色感は無く、

むしろ、肉眼で見たものにかなり近い色味で、

僅かに暖色系の、極めてナチュラルな色味である。

 

もし、お持ちのオーバーコッヘン機の見え味が、

明らかに強めの黄土色被りをしているようなら、

光学系のコンディションを疑った方が良いかも知れない。

 

 

 

・デザインの美しさ

 

オーバーコッヘン機はどれも、非常に気品がある。

モノとして、美しいのである。

 

宝石のような双眼鏡だとか、双眼鏡の貴婦人や貴公子、

等と形容されるのも納得が行く。

 

MADE IN WEST GERMANY ならではの、

往年のポルシェ等にも通じるような、

機能美の極みとでも言うのだろうか、

知性と品性を感じさせてくれるような、

そんなオーラを醸し出している。

 

 

 

ここまで、オーバーコッヘン機の魅力を、

 

あらためて振り返ってみた訳だが、

 

約8年前に、オーバーコッヘンに関して、

 

いくつかの記事を書かせて頂いた頃は、

 

今ほどには、多くの双眼鏡を体験していなかった。

 

 

むしろ、憧れの Oberkochen 機を入手して、

 

舞い上がっていた頃!?だったのだろう。

 

 

当時とは比べ物にならないくらい数多くの双眼鏡を体験し、

 

比較対象となる機種の分母が圧倒的に増えた今だからこそ、

 

冷静且つ客観的に見れるようになった今だからこそ、

 

あらためて、8年前のあの頃以上に、

 

オーバーコッヘンの良さや真の価値が分かり、

 

より一層、魅力を感じるようになったように思う。

 

 

では、引き続き、次回の記事では、

 

オーバーコッヘンの歴代の機種を見てみよう。

 

題して、「 オーバーコッヘン博物館」だ!

 

ちなみに、今回は3部作の予定だ。

 

お楽しみ頂けましたら幸いです。

 

 

 

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