元々は、ギター関係のブログとして、スタートし、
ここ数年は、ヴィンテージ CARL ZEISS 双眼鏡や、
PENTAX、 CARL ZEISS JENA 等の、
カメラやレンズ関係の記事が殆どだったのだが、
何を隠そう、私は 子供の頃から、
米軍の フライトジャケットや ミリタリー衣料も大好きなのだ。
とりわけ、MA-1、N-3B、L-2B、M-65、等が大好きで、
今の季節なんかは、N-3B ばかり着ている。
真冬のアウターは、N-3B と、後は、
シェラデザインズのダウンジャケット
( 70~80年代の米国製に限る ) の2着さえあれば、
私に関しては、他は いらないのである。
今回は、それら 大好きな ミリタリー衣料の中でも、
L-2B フライトジャケット に関しての記事である。
L-2B は、1950年半ばから、1970年台まで作られたので、
バージョンも多いのだが、その中でも 私が好きなのは、
肩のエポレット、ジッパー裾のストームフラップ、
左肩には、USAF のステンシル、
そして、酸素マスク用のオキシジェン タブが付いた、
1950年台の初期バージョンの L-2B である。
また、L-2、L-2A よりも、L-2B が私は好きだ。
フライトジャケットは、大きく分けると、
実物 と レプリカ の 2つに分かれると思うが、
その レプリカの雄、2大巨頭 とも言える、
バズリクソンズ と、ザ・リアルマッコイズ (旧)
の L-2B 比較記事である。
私が、フライトジャケットに興味を持ったのは、
遥か以前の、今から 約40年近く前、
私がまだ 中学生の頃の事である。
お年玉で、ALPHA社の MA-1 を買ったのを覚えている。
地元では当然、どこにも 売っておらず、
例の 双眼鏡の影響を私に与えた 祖父に連れられて、
祖父の行きつけの 大阪の サープラスショップまで、
買いに行ったのである。
当時 大阪の堺筋 日本橋 界隈にあった、
クリーク CREEK と言う名の、
この サープラス&ナイフ ショップは、
私に何かと 影響を与えてくれたように思う。
当時は、MA-1 等 地元では 誰も知らないような時代で、
当然、あの MA-1 を 日本中に大流行させた、
トム・クルーズの トップガンも まだ上映されておらず、
周りの友人達からは、 「ドカジャン」 とバカにされ、
この当時、友人から紹介された女性からも、
「着てるジャンパーがダサい」 と言うことで、
フラれる始末であった。(笑)
しかし、他人が どう言おうと、何を言われようと、
自分の好きなものは、決して 譲れない私は、
MA-1 に身を包んで、至福を感じていたのであった・・・
この頃から既に、我が道を行く 性格だったようだ。
まだ、 その当時は ALPHA 社 MA-1 も、
質実剛健な 米国製 MADE IN U.S.A. であり、
今のように 中華製ではなく、
ましてや スリムやタイトなんて バージョンも存在せず、
レプリカが、ホームセンターやユニクロに並ぶ事もない、
古き良き時代であった ・・・・・。
さて、 L-2B であるが、私は何故か、
この L-2B だけは、実物を持っていない。
MA-1、N-3B、M-65、ファティーグ・・・
他は全て、実物を 数着 持っているのだが、
L-2B だけは、旧 リアルマッコイズ のモノと、
バズリクソンズ のモノしか、持っていないのである。
因みに、バズリクソンズは、
古い M品番 ( M13640 ) のモノと、
新しい BR11132 TOP APPAREL MFG のモノ、
旧 リアルマッコイズは、1994年製の
BLUE ANCHOR OVERALL のレプリカ である。
では、早速 見て行こう。
まずは、 旧 リアルマッコイズ MIL-J-7448A 、
BLUE ANCHOR OVERALL CO, INC. の L-2B だ。
次に、M品番 M13640 バズリクソンズの L-2B
MIL-J-7448C のレプリカである。
タグは、米軍実物 のメーカー名ではなく、
B.RICKSON FLIGHT WEAR COMPANY となっている。
そして、現行品の バズリクソンズ BR11132
MIL-J-7448B TOPS APPAREL MFG, CO, INC のレプリカだ。
MIL-J-7448 に続く 型番も、それぞれ A ,B , C, と、違うのだが、
この3着、色も 形も ディティールも、それぞれ違っている。
例えば、裾にある ストームフラップだ。
旧 リアルマッコイズのモノが、最も高さがあり、
リブの縫い目と同じくらいの高さがある。
バズリクソンズは新旧 共に、先が尖って スリムな形状
となっており、M品番のモノが 最もスリムな形状だ。
また、リブの色も、旧 リアルマッコイズと、
バズリクソンズでは、かなり違っている。
因みに、この画像では、何故か実際と色合いが違っており、
M品番と BR11132 が逆の印象である。
実際の色は、下の画像や 他の画像の通り、
M品番の方が、緑が強く、現行品の BR11132 の方が黄緑っぽい。
次に、肩のエポレットを見てみよう。
エポレットも、ストームフラップと同様に、
リアルマッコイズが、丸みのある 太めの形状で、
バズリクソンズの方は、輪郭も先端も尖っており、
M品番が最もスリムな、先細りの形状である。
また、 BR11132 は、エポレットの縫い付け部が、
若干 長方形気味だ。 他は正方形な印象である。
ストームフラップも、エポレットも、
どれが、米軍 実物に忠実なのか!?
実物を持っていないので、私には判りかねるのだが。。。
次に 左腕の シガレットポケット上の、
エアフォースマークの ステンシルを比べてみよう。
L-2B ではないが、
本物の 実物 USAF ステンシルがこれだ。
SOUTHERN AVIATION 1950年台
黒タグ 初期型の N-3B。
少し 分かり辛いと思うが、結論を言うと、
色も含めて、本物に 最も近いのが、
旧 リアルマッコイズ のステンシルだ。
じっくり見比べても、殆ど、見分けが付かない。
次に、BR11132 。 旧 リアルマッコイズと
甲乙付け難い出来だ。
一方、M品番のステンシルは、若干 線が太く、
星の部分の先端のシャープさにも、欠ける。
が、普通に見る分には、まず分からない(笑)
また、実物の中にも、若干 個体差もあったハズなので、
そう考えると、M品番のような実物も あったのかも知れない。
次に、メインのフロントジッパーだが、
本来、1950年台の BLUE ANCHOR OVERALL 社製の
MIL-J-7448A は、クラウンジッパー だと思われるが、
旧 リアルマッコイズのモノは、CONMAR 製である。
これは、シガレットポケットのジッパーも同様に、
CONMAR 製となっており、革タブのステッチも、
独特の 二重丸 型となっている。
ここが唯一、米軍 USAF 実物 との見分け方くらいで、
もし、ここが クラウンジッパーであったなら、
実物と言われても、恐らくは 分からないだろう。
この辺は、旧 リアルマッコイズ流の、配慮なのかも知れない。
因みに、1960年代辺りから、N-3B 等も含め、
CONMAR 社のジッパーが、多く採用されている。
バズリクソンズは、M品番も、BR11132 も、
メイン、シガレットポケット、共に、クラウン製のジッパーだ。
参考までに、
米軍 USAF 実物 N-3B の スプリング カムロック式、
CROWN クラウンジッパー が、下記画像のモノだ。
この ジッパーは、本当に美しく、動作の感触が素晴らしい。
大好きなジッパーだ。
たかが ジッパー、されど ジッパー、
ジッパー1つで、雰囲気が台無しになる事もある。
非常に重要な部品なのである。
最後に、着心地や 手で触った質感 等、
画像では確認が不可能な部分の比較であるが、
これも、結論から言うと、
旧 リアルマッコイズのモノが、最も 生地が厚く、
非常に しっかりしており、米軍 実物に 感触が最も近い。
表面が、サラッと スベスベしていながらも、
どこか、ヌメっとしていて、しっとりしているような、
独特の ウェットな質感が、ほぼ完璧に再現されている。
また、袖を通した時の、リブの質感が、
米軍 実物の N-3B や MA-1 のそれと、
殆ど 同様な、硬めで しっかりした 強い圧着感で、
手首にしっかりと、吸い付いて来るような感触である。
バズリクソンズは、新旧 共に、リアルマッコイズよりも、
若干 薄い感じの生地で、其の分 しなやかで 柔らかいので、
着る分には、動きやすく、楽ではある。
丁度、 MADE IN USA ALPHA MA-1 ( 民生品 ) と、
同じくらいの厚みと、質感の生地である。
リブは、米軍 実物と、民生 MA-1 の中間くらいの感触で、
実物の N-3B や、MA-1 或いは、
旧 リアルマッコイズ L-2B と比較すると、
手首への圧着感も 少々弱く、
質感が、もう少し柔らかく、薄手な気がする。
個人的な印象では、リブ部分は明らかに、
実物よりも、耐久性や質が落ちるように感じる。
もっとも、 L-2B の実物は持っていないので、
N-3B や、MA-1 の実物と比較しての感想である。
このように、生地や リブの質感や感触は、
旧 リアルマッコイズが、最も 実物に近い、
と言うよりも、殆ど 実物と同様のイメージだ。
ただし、着た感じのシルエットに関しては、
バズリクソンズの方が、実物に近いのでは!?
と、個人的に推察している。
旧 リアルマッコイズは、着てみると、
あまり 野暮ったさが無く、どこか洗練されていて、
シャキッと、パリッと、したような感じで、
シルエットが、非常に格好良いのであるが、
少し カッコ良過ぎるような、、、気がしないでもない。
フライトジャケットを 「ファッション」 に昇華させたような、
そんなイメージである。 とにかく、ラインが美しい。
ネクタイを締めた上に、羽織っても着れるような、
一種のスタイリッシュさを感じる。
その事と関係があるのかどうか、分からないが、
旧 リアルマッコイズのモノは、
ポケットの位置が、若干 上の方にあり、
ポケットに手を突っ込み辛い。
肩を少し上げるように してからでないと、
自然な感じでは、ポケットに手が届かないのだ。
なので、50肩に襲われている時などには、
悲しいかな、ポケットに手を入れられないのである(笑)
この辺り、実物は どうなのだろうか・・・??
ご存知な方がいらっしゃれば、是非教えて頂きたい。
其の意味では、最も ミリタリーの実物らしい、
良い意味で、野暮ったさが残る、
より 実物に近いシルエットと感じるのは、
バズリクソンズの M品番 と言うのが、
私の個人的な印象である。
いわゆる、最も 「バルーンシルエット」 なのである。
下の画像を参考頂きたい。
ミリタリーファッションのレジェンド的 存在だと、
私が勝手に思っている、中村雅俊さんが、
「 ゆうひが丘の総理大臣 」 と言う、
当時の学園モノの人気ドラマの中で、
L-2B を着こなされていたのだが、
これこそが、私の考える
” L-2B の最も 格好良い着こなし” なのである。
ファッション通の オシャレな方から見れば、
色々と ご意見もあるのだろうが、
そんな事は、私の知ったことではない。
誰が何と言おうと、私の好きなスタイルは、
これこそが、お手本なのである。
この、シルエットに最も近いと感じるのが、
私が持っている 3着の中では、
バズリクソンズのM品番、という事だ。
BR11132 は、M品番と、旧 リアルマッコイズの、
その中間くらいのシルエット、と言った所だろうか。
ただし、縫製に関しては、M品番は、
少し 丁寧過ぎるような気がする。
ステッチの感覚も狭く、ある程度 ラフな米軍モノに比べると、
非常に丁寧で、几帳面な縫製のように思うのだ。
衣料としては、良い事ではあるが。
後、L-2B 独特の、レーヨンの混紡の裏地に関しては、
旧 リアルマッコイズのモノは、ある程度 着ているので、
新しい バズリクソンズのモノに比べると、
滑りが、少し劣っており、ここは仕方がないだろう。
よって、比較のしようがないのが残念である。
色々と比べて見たが、結果的には、
旧 リアルマッコイズも、バズリクソンズも、
フライトジャケットのレプリカとして、甲乙付け難く、
一長一短であり、素晴らしい出来だと思う。
より、実物に近い質感だが、高いファッション性を感じる
旧 リアルマッコイズか!?
より、実物っぽい雰囲気を持ち、
気軽に羽織りやすい バズリクソンズか!?
後は、好みの問題と言えるのかも知れない。
また、現在の リアルマッコイズのモノは、
あいにく、持っていないので、私には分からない。
生地の質感、リブの再現、等、
バズリクソンズが、後 もう一歩、頑張ってくれれば、
唯一無二な、究極のレプリカ となるように思われるのが、
少し 残念なところであるが、コストを考えれば、
これ以上は、難しいのかも知れない。
また、時代やトレンドに迎合する事なく、
一切の 媚びや妥協を排し、
オリジナルのシルエットを忠実に再現して欲しいと、
切に願うばかりである。
それにしても、L-2B と言い、 N-3B と言い、
私の フェイバリットは、何故か 1950年台 である。
これは奇しくも、私の大好きな、
カールツァイス イエナ のデルトリンテムの
1Q 製品の黄金時代の年代と 同じではないか!!
私は、この時代の製品に 惹かれるのだろうか。。。
50年代 N-3B と、CARL ZEISS JENA DELTRINTEM 1Q
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