週刊新潮|「青木宣親」ヤクルト復帰 宮本コーチとは犬猿の仲 | 茶漬けのソーダ水|記色

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鉛筆-落描き-失敗と失望-時間と時代-親不孝は親孝行-俺の雑な道標

デイリー新潮目週刊新潮 2018年2月15日号掲載

 燕よ燕、汝悲しむことなかれ――身を削って雛鳥を育てる親燕の悲哀を詠んだ白楽天の漢詩だ。さて、7年ぶりにヤクルトという古巣に出戻った老燕、青木宣親(36)の胸中やいかに。

「驚きましたね。なにしろヤクルトには今季から宮本慎也(47)がコーチ、いや“次期監督”として入閣していますから」

 と語るのは大手紙デスク。侍ジャパンでも活躍し、ヤクルトを代表する野手と言ってもいい宮本と青木だが、実は“犬猿の仲”というのは球界では知られた話。

「PL学園仕込みの宮本は、チーム優先主義で自己犠牲が当たり前。自分にも他人にも厳しい人です」(同)

 2月1日から始まった沖縄キャンプは、例年と雰囲気が一転。宮本コーチのゲキが飛び、日が暮れても練習が続く毎日だという。

「対して、早稲田大出身の青木は自由主義で、野球観も性格も正反対。しかも、自分の意見を直言するタイプで、先輩の宮本にもはっきりモノを言う。当然ながら、宮本の現役時代から折り合いが悪かった」(同)

 だが、当時は先輩に過ぎなかったが、今は“次期監督”。“折り合い”で済まないほど、力関係は明白だ。

「青木としては実力で宮本を黙らせるしかありません。全盛期はとうに過ぎてしまっていますが……」(同)

 何とかアメリカに踏み留まる選択肢はなかったのか。

「メジャーは今、100人以上のFA選手の行き先が決まらない異常事態。いずれ上位から順にピースが埋まっていくでしょうが、正直言って青木はその最後列で、開幕までに決まるかは微妙な情勢でした」

 とはスポーツ紙燕番記者。

「実は、第1子である長女が今春から小学校に入学するのです。その手続きというリミットがあるため、いつになるかわからない順番をいつまでも待ってはいられなかったのです」

 青木よ青木、汝悲しむことなかれ。