こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
つい二か月ほど前には松田聖子『夏の扉』。
子供達が夏休みに入る頃には渡辺美里『夏が来た!』とかJITTERIN'JINNあるひはWhiteberryの『夏祭り』で夏本番モードに。ちょっと変化球で、松崎しげる『黄色い麦わら帽子』。
盛夏には『サマードリーム』をはじめとするTUBE一連の楽曲。キャンディーズ『暑中お見舞い申し上げます』、石川優子&チャゲ『ふたりの愛ランド』や榊原郁恵『夏のお嬢さん』、山下達郎『高気圧ガール』。あるひは、森山良子『さとうきび畑』。
8月の終わりごろなら、南こうせつ『夏の少女』、J-WALK『何も言えなくて…夏』。井上陽水『少年時代』。
そして、井上陽水&安全地帯の『夏の終わりのハーモニー』が流れる季節も過ぎようとしています。
で、この曲も忘れずに。
平山みき『真夏の出来事』
なぜ、夏の終わりに『真夏』なのか?
歌詞にこうあります。「朝の冷たい海は 恋の終りを知っていた」と。
さらには、最後に「I love you so much darling,but we're apart now!」とのセリフ入り。
このように、夏の思い出と別離の追想形式であることがわかります。
しかし、曲調はそんなこと感じさせません。懐メロとはいえ、これまたJ-POP感覚が横溢しています。疾走感すら覚えます。
1971年の作品で、大人や中年以上向けの歌謡曲でなく、ちょっと大人な若者対象ともいへそうな耳触りの良い楽曲ですね。
サザンオールスターズ『夏をあきらめて』やサーカス『Mr.サマータイム』のような暗さは皆無です。
作曲は、やはり、と言ふべきか筒美京平でした。あらためて流石と言ひたひ。アレンヂを変えて今風の味付けをすれば十分カバー曲としてイケるのでは。
ところが、歌詞を眺めると…そこには真夏の灼熱の太陽光も、男女でにぎわうビーチも、杉真理『素敵なサマーデイズ』のような屈託のない若者の笑顔や嬌声も存在しません。
「最果ての町 私は着いた」とか、「悲しい出来事が 起こらないように 祈りの気持をこめて 見つめあう二人」「朝の冷たい海」などと結構ネガティヴなイメージ満載。曲の雰囲気にそぐわない表現ばかりです。
作詞は橋本淳。これも見事な出来栄えですよね。
肝心な部分はあへて明記せずに、リスナーの想像力に委ねるパターンです。が、ありきたりでないところはやはり流石で、手慣れたところを見せます。
聴き心地のよい曲に乗せることにより聴き手が自己投影しやすくなることでせう。
そして、歌い手。平山みきのウェッティなボイスが作品の個性を際立たせます。歌唱力も良し。
ややもすると演歌系歌謡曲指向に陥りそうな声質をJ-POP風味が救い出し、ミスマッチ感覚が魅力を放ちます。
勿論、編曲の妙も忘れてはいけません。
よって、作詞作曲編曲歌手の四位一体で大成功の昭和の名曲と断じます。
さて、今では竹内まりや『セプテンバー』が聞こえ、次いで紙風船『冬が来る前に』へと連なるでせう。
もう『冬』?
「坂の細い道を 夏の雨に打たれ」「小麦色に焼けた肌は 色も褪せて」「秋の風が吹いて 街はコスモス色」という歌詞。これも追憶形式。美しいボーカルが聴きどころです。
ちょっとノスタルジックな秋。それはそれで楽しみではありますよね。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。