今日の話題は昨日起こったことです。

 

最初は技術的な・・・つまらないお話ですが、後半はちょっと一般家庭に起こるべく問題かと。

 

ちょっと怖いことに・・・家電で事故とか。火事とか。

 つながらなければいいのですが・・・

 

そんなお話です。

 後半の内容は女性の方にも読んで欲しいかも・・・です。

 

数日前に1年ほど前に作ったオーディオアンプが修理で持ち込まれました。

まあ、メーターがくっついたマニアックなアンプです。

 

メーターが片方動かない。

画像は修理完了時のものですが。

最初は簡単な故障かと思われました。

毎日メーターはいじくり回すのが私の仕事なので。

 

最終的にこんな事になっていたなんて・・・ガーン

 これって大変なことです。

私のアンプ設計の技術的問題ではなく、これからの国民生命安全への問題なのです。

単なる私の思い込みや、レアケースなら良いのですが。

 

 

 

アンプを分解しながら・・・

接触不良かな?

 配線が切れたのかな・・・そんな凡ミスするかな?

 

 

分解して電源を入れると

がーんと電流が流れて・・・焦げ臭い!

 

私の作った基板に乗っていたICが焼けました・・・2個も。

 

安全回路も二重に入っています。

え?どうして?

 

基板交換しても・・・また新しい基板が焦げ臭い?

ナンテコッタイ。

1000台以上生産してきてこんなことは初めて。

 

メーターを調べると断線状態。(コイルが焼け切れていた)

保護回路も入っているのに?何でメーターが焼けるの?

ガキの頃から機械式メーターを扱ってきてメーターが焼けるなんて聞いたこと無い!

 

謎が謎を呼びます。

 

 

少し気になっていたこと・・・

 このアンプ、フレグランスな匂いがプンプンするのです。

 

このフレグランスな香り・・・

 これがまさかICや基板を焦がす結果になっていたとは夢にも思いませんでした。

 

 

 

配線触っても、内部の部品も・・・

 なんか全てがベタベタ・・・???

 

本体も・・・

基板も・・・

メーター後部もこすると・・・フローラルなイイ香り。

そしてアブラっぽい・・・ヌルヌルする。

 

 

これは人口香水の香り。

設置場所は単なるオーディオルーム???

どうして花の香が???香水の香りが???

そういえばオーナーさんの衣類はいつも花の香りが がんがんしていたな。

 

 

 

そう、犯人は・・・

 香り柔軟仕上げ剤のマイクロカプセルだったのです。

 なぜ基板が・・・ICが燃えたの?

 

 

このアンプは試作品だったので内部点検が簡単な様にサイドが開いています。

 

まあ、一般の製品でも風穴が普通の家電でもあるので遅かれ早かれ・・・運命は一緒だったと思います。

 

青文字の内容は少し専門的な内容なので電気関係の話が嫌いな人は青い文字部分をスキップしてください。

 

 

 

アンプはメーター感度調整のためにNFBの帰還調整VRになっていました。

しかしボリュームが断線すると・・・回路は発振といって暴走します。つまり焼ける原因が発生します。

普通のNF帰還問題を解決する発振防止部品は想定範囲で載っています・・・が、部品が断線するなどは想定していませんでした。

 

もちろんICが破壊してもメーター内部や駆動側基板に保護抵抗が入っていてFS(フルスケール)の10倍以上電圧がかかってもビクともしません・・・そいう安全対策が施されています。

 

しかしこの製品は試作品であり高出力アンプを搭載していて特別に36Vを印加するスペシャル版でした。

 

 

ボリュームは通信工業用や医療機器などの高級品以外は普通にが開いています。

なんな感じ。 端子の引き出し部に開口部があります。

ここから湿気が侵入したりしてボリュームの寿命が短くなる場合はありますが、通常10年は持ちこたえます。

(新品のボリュームは少しべたついていて摺動部分に保護オイルが塗られています)

 

電子工作や楽器修理をやっている人なら分かりますが。

 

単連のボリュームでも二個の摺動子(しゅうどうし)があり、センターの回転軸へ信号を与える内周側端子と周囲を回転する抵抗皮膜をこする外周側摺動子があります。

 

↓これは新品のボリュームを分解したもの。二個の銀メッキされたブラシっぽいのが見えますね。

そう、見えるのは外周側の摺動子ですね。(パンタグラフみたいなもの)

 この摺動子が腐食して断線状態でした。ここに芳香剤の薬剤が侵入したんですね・・・

 

穴から・・・柔軟仕上げ剤の香りマイクロカプセルが侵入し、摺動端子を侵しました・・・

そして腐食、断線しました。

装置内部3個のボリュームのうち、2個が腐食断線していました。

正確には全てのボリュームは何らかの異常を起こしていました。

 

 

増幅ICは全帰還し、暴走発振。大電流が流れ、Vin-Voutの入出力間電位差が大きかったレギュレーターICも焼けます。

このアンプはパワーが出せるように24Vで動作し、メーターランプは6V動作だったので・・・電位差は

IC内部が焼損し、メーターに保護部品を通り越すほどの電圧がかかり・・・メーターは焼け切れます。

 

どんなことがあってもメーターが焼けきれない様に設計すれば?

そう思われるでしょうが、断線した時点でどのみち基板は機能しません。

 

 

ああ・・・ボリューム内部からもいい匂いが???

 ボリュームの外装もこするといい匂い。

 

 

 

 

 

あああ。

こんなことって。

 

最終的にアンプは修理が完了しましたが、香り柔軟仕上げ剤の恐怖。

 

数ヶ月・・・それ以上長持ちするように設計された薬品配合とマイクロカプセル技術。

 化学変化や分解しないように安定した「不変的性能維持」された設計の薬剤。

PCBもBHCも、安定した「性能」を維持するために開発されて事故の原因となりました。

フレグランスなマイクロカプセルが毒性を持っているとは言いませんが・・・少なくてもボリュームは数個破壊されていました。

 

 

これが布のような繊維なら繊維に付着して問題は起こりません。

布ならまた洗濯されるので累積もしませんし・・・繊維に染みこんでべたついたりしません。

 

しかし。。。樹脂や金属板、電気接点など含浸(がんしん=しみ込むこと)しない部材に付着すると・・・マイクロカプセルは表面にベタベタに累積して・・・ベトベトになります。

 

高圧がかかっている回路だったら・・・

コンセントに侵入したら・・・

暖房機器のスイッチ・・・リレーなど。

 

 

考えると怖いですね。

柔軟仕上げ剤の香りマイクロカプセルが電気的安全性や高圧絶縁性能を満たしているはず・・・無いですよね。

多分。

 

 

 

香り柔軟剤の問題はアレルギーとか臭すぎるとか問題も起こしていますが、

電子楽器、オーディオ機器、ボタン、スイッチ、接点のある家電はいっぱいあります。

 

 

まさか・・・

故障やコンセントの発火など、香り柔軟仕上げ剤が一役買っているのでは?

私の推測が見事に外れることを祈りますが。

 単なるガセネタで終われば良いです。

 

 

 

マイクロカプセルの発がん性の問題や健康被害は人によるのでしょうし、メーカーは安全性試験はやっているはず。

それに老い先短い私には知ったことではありません。

 

アロマオイルが衣類乾燥機の発火事故になった例も多いのです。

 

香りマイクロカプセルの問題はこれからいっぱい起こるのでは?

香りマイクロカプセルは香りを長期間閉じ込めておくために開発され、カプセルの外周には展着剤(接着成分)が施されています。

これが、電子機器や電気接点などに侵入してくっついて・・・害を出すのかもです。

少なくても今回の問題はそれでした。

 

 

絶縁されていれば接触不良で発熱や接点異常。断線へ。

電圧が高くて導通すれば漏電 ショート。

トラッキング現象とか言われているコンセントの発火事故へ・・・とか。

 

多分、ショートしようが火事になろうが、香り柔軟仕上げ剤を作っているメーカーは「これは電気部品じゃありません」って責任は取らないでしょうね。

 

ああ・・・怖い怖い。

 

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余談

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20年ほど前にオイルファンヒーター(石油ファンヒーター)の不調事例に、ヘアスプレーが大問題を引き起こしました。

 

ファンヒーターを使っていて・・・

不完全燃焼を起こしていないのに「燃焼異常エラー」でファンヒーターが止まってしまいます。

 

 

一般的な石油ファンヒーターはバーナーの外側に二個の電気ロッドが有りますね。

短い方は点火スパーク放電用の点火ロッド

長い方は炎監視用のロッドです。

燃焼中はどちらも真っ赤になっていますが。

 

さて・・・

パーマ屋さんや若い女性が自宅室内でヘアスプレーを大量に使用すると・・・

ヘアスプレーには髪をときやすくするためにシリコンオイルが含まれます。

ロン毛の私もシリコン系ヘアオイルはいつも使いますが・・・

 

このシリコンオイルが炎監視ロッドに少しづつ付着して正常燃焼しているにもかかわらず不完全燃焼と内部マイコンが誤認して強制消火するのですね。

 

(紙ヤスリで炎監視ロッドを磨くと解決する場合があります)

 

炎監視ロッドには-30Vのバイアス電圧か交流電圧が微弱にかかっていて、炎の熱電子移動を応用した整流効果を利用して電気的に炎の大きさを検出することが出来ます。

燃焼異常をこれで判断しているのですね。

 

 

熱で整流する構造は真空管の原理ですね。

 

炎の熱電子移動現象は真空管のヒーター カソード アノード動作原理と一緒です。

炎がダイオードになっているのですね・・・ここに不導体のシリコンが付着して整流できなくなります。

 

 

今回の香り柔軟仕上げ剤も多分同じ効果を持つでしょう。

 

柔軟仕上げ剤・・・マイクロカプセル化・・・

どんどんいろいろな場所に入り込み・・・

火事になっても私はしーらない。

 

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更新記事

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今までなぜ衣服のお香りマイクロカプセルがアンプ内部についているのかが謎でした。

設置されていたアンプは天井取付型で目線と同じ高さです。

 

設置されていた部屋は家から離れた個室(ログハウス)みたいなオーディオルームでそこでは洗濯ものも干さないしアロマキャンドルも使いません。

でもそこの部屋全体にあるもの全ては触るとフレグランスな・・・

 

 

 

ひとつ気になること。

彼が座る目の前にエアコンのダクトがあるんですね。

 

これは推測なのですが、エアコンのダクトから風が来て・・・衣服の香りマイクロカプセルが一部外れて部屋じゅうに広がっているのでは?

 

 

芳香剤の匂いは年々強化されていて、身につけている本人が相当強い匂いに慣れていて、広がった先の匂いに気づきにくいですが、マイクロカプセルは衣服から一部外れて部屋じゅうにさまよって・・・いろいろな場所に入り込むのでは。

 

 

確認するためには、香る衣服を身につけず、TVや壁(特にガラスなど固いもの)をコシコシ擦ってみてください。

家の外に出たあとで(匂いに慣れていない状態で)部屋の中に長い間あるものを擦って「プーン」と香ればマイクロカプセルは部屋の至る所に飛んでいることになります。

 

香り柔軟仕上げ剤を使用している人は浮遊しているマイクロカプセルを常時吸っている事になります。

お試しください・・・