G-3564 <プラモレビュー>HG Amplified IMGN 龍王丸 | ガンダムFREAK!! <B-Edition>

G-3564 <プラモレビュー>HG Amplified IMGN 龍王丸

ちょっと前の景色だが、水たまりに夕日が映ってきれいだったなあ。

薄赤の雲が空に残る。

殆どは雨になって地に流れ注いだというに。

お陰か、雨上がりの街は夕方でもまだ明るい。

KIZUIです。

夏至が一番日が長いというが、それさえも温暖化でずれてしまってるんではないだろうか。

 

前の仕事では残業ばかりだったからな。

日の出ている時間に帰れるなんて稀だったが。

 

 

 

<プラモレビュー>HG Amplified IMGN 龍王丸

 

ハイ、というわけで今日はHGアンプリファイドの龍王丸を手に入れたぞということでね。

思い出のキャラなんですよ。

是非欲しかった。

 

やっと再販がかかった、のか、または転売屋が正規ガンプラ以外の売れ筋を読み違えて返品に逃げたのか?

当面手に入んなそうと思ってたんですが…

意外と早く入手。

RGガオガイも何とか買えるようになってるし、やっぱ再販頑張ってるのかな?

 

お値段はかなり張るんですが、権利的なところが結構あるのか、ボリュームというか箱サイズは全く見合わない。

丁度手許にある境界戦記の3000円弱商品(アーロンライノ<グレイディ>)と比べるとほぼ同等の箱サイズ。

僅かだけ厚い。

これで定価は倍越えの6600円もする(!)。

 

ワタルのプラクションてタカラトミーから出てたもんな。

その頃のワタルについてはなんか特別な手順が在るのかもな、商品化に関して。

超魔神の頃か、スズメといったか、みやむー声の唇ギャルがいた頃ならバンダイが手掛けてたんだが。

多分Youtubeで最近やったとかいうのも、ネクスエッジスタイル展開を見るにバンダイ主導だろな。

 

タカラトミーって意外と、新しいのはやるけれど、旧キャラは発掘リバイバル重視しないのか?

ベイブレードは結構続く伝統だし、ビーダマン→ボトルマンも転生しちゃってるか。

ああいや、ゾイドはちょこっとリバイバルかけてるな?

ダイアクロンもリバイバルなのか。

 

お値段が張るのには、権利だけじゃなく多分デザインや設計を頑張ったというのも在るんでしょうが。

もう一つ大きなところで、メッキパーツが使われてるんですよ。

素晴らしいですね、実に質感が良い。

クリアパーツも採用し、プラスチックシールやPET製エフェクトパーツも付く。

このエフェクトパーツが、てかその余白がさえ、かつての昭和期を思わせるプリズムシールっぽい加工でね。

何だろう、とても懐かしい気持ちになる。

 

実際に組んでいくと、やはりバンダイの飛び抜けた技術力の賜物、凄い組みやすい。

腕部分などメッキ軸で相当に焦らせてくれますが、それも無加工で綺麗に嵌る。

 

目玉たるメッキやクリアの豪華素材、エフェクトの特殊素材も見ものではあるんですが、下地と言うべき全体もグロス仕上げになっていて、要所の赤や青までもまた美しい。

ヒロイックなスタイルに組み上がります。

 

個人的な感傷ですが、あれだけ好きだったキャラなのに、組んでいて「うわこれ懐かし~!」って印象を全く感じない。

流石に40年前だからなあ…。

その後ずっと元祖SDだとかのガンプラやってたけど、ワタルは基本、短期ものだったし。

印象に残ってないのかな?

と思いつつしげしげ眺めていて、別の可能性に思い至る。

 

余りにも理想的に、現代技術で最高のものを実現しているため、昔の旧プラクションとは比にならんという事なのでは…?

想起さえされない、結び付かないくらいに高次元なのでは。

逆に触れていると「最新鋭」みたいな感覚が結構伝わってくる。

ノスタルジーキットではなく、意欲的な挑戦作品。

 

まあ、スタイルがリアル頭身化されて大分変わってるのはもちろんあるんですけどね。

プラクションの頃なら股座から直接鳥の頭が生えてきたんですが、流石にここは現代化処理されて、リアアーマーに集約されています。

スカートアーマーを持つ方が今風でカッコいいし。

でもここは特徴的なギミックなので、理想的な新解釈によりお漏らし変形やや冴えないギミックが回避されたのは嬉しいところ。

…嬉しいところですが、そういった部分からも別物と認識されるのだろうか?

 

ドラゴンイメージの三本指がモビルスーツ然とした五本指になっていたり、変化はいずれも順当進化ながら、「らしさ」を多少薄めてはいる。

 

だとしてもやっぱ、これが理想形だよ。

組んでて嬉しくなってくる。

ああ、同じようなこと考えてくれてるんだ。

理想形はこうだよなあ、ってのを開発側と共有出来ているようで、シンパシーみたいなものを感じる。

 

強いて言えば、個体差か、左脚の付け根だけやたらキツイな?

ちょっと削った方がいいかもくらいだったが、天下のバンダイでそんな事ないやろと信じて無理から押し込んだら、二度と抜けないの巻(笑)。

軸が太いから大丈夫と思いたいが、なんか捩じ切れそう…。

こわこわっちゅ。

 

各部金メッキと純白との対比で実にヒロイック、これは誠に良いものでござ。

肩アーマーは艶めくグロスブラックの地装甲に金の龍パーツが魂を入れるようにはまり込む。

組み立てでさえも演出されたかのように気持ちがいい。

 

肩上部のクローも接続方式を不安に思ってたけど、パチンと気持ちよく組み上がる。

これあれかな、先行する龍神丸でオリジナルギミックとしてた肩クローを手甲に出来るギミックの延長なのか?

互換とかか?

 

剣の紋様、胸の宝玉、脇部独立可動、鳳凰モードの嘴開閉。

あらゆるところが行き届いていて、理想的なキット化。

これぞアンプリファイド、増幅の真骨頂です。

マジでいいわこれ、リアル体形でシリーズ化して欲しい…というか、もうちょい出してほしい。

戦神丸とか。

邪虎丸…は変形難しくなっちゃうか。

 

不可思議なところもあり。

頭部バイザーは黒を選択したんですが、そこから広がる横手の衝角、サイド部分のプラスチックシールが我が不器用さにて若干歪んじゃった模様なんですよね。

歪んだ、ではなく、僅かに下にズレた?

下辺はでもぴったりのはずなんだが。

上辺にほんの僅か、赤い下地の覗く隙間みたいのが空いてしまって。

ところが、クリアパーツのバイザーカバーを装着すると、あら不思議、全く目立たない。

何故?これ。

バンダイ超技術なのか、ただのまぐれか?

交換考えても黒部はシールでなく繋げて別パーツ化の方が望ましかったが。

 

あ、交換てのは、頭部バイザーには基本の黒以外にも龍の紋様が浮かんだバージョンのシールも付いてきます、し、その下地となるパーツ自体ももう一種付いてくるんですよ。

そちらには龍紋様のモールド…いや一段落ちじゃなくて薄い一段上げだから、ディティールと言った方が伝わりやすいかな、が在りますね。

塗装派向けのパーツ設計でしょう。

シールの貼り換えではなくパーツ交換で別タイプが組める、と言えば聞こえはいいけど。

パーツの合いが良過ぎて外すのは大変そう(笑)。

龍紋様入りシールは立体に貼る加減で切り込みが入りこれを丸めつつ貼るという、所謂不細工シールになってしまうのですが、クリアのカバーパーツを被せれば同様に目立たない事でしょう。

すげーね、やっぱね。

 

と褒めちぎりつつ、敢えて課題点、でもないか、個人的に気になったポイントを今後の為に幾つかだけ。

不満点てほどでもない、ただの好みとか高望みですけどね。

 

・手首が横軸可動に内外ロールなのですが、基部でボールジョイントの方が自然な表現に出来たか。

目は口ほどにものを言う、というのと同様、「手」もまた表情を持っている。

ここは極力自然な動きができた方がいいな。

マニュピレータ―の造形の細かさとかは最高なんだが。

全体にPCレスを無理に進めようとして、ちょっと上手く作用してない箇所もある。

仮に素材変更が時代の宿命だとしても、ポリキャップ可動の何たるかはようよう検証して、後へと活かしてやってほしい。

パーツ数が増えるだけ無駄だ、ってんではなく、関節部分を独立させることで可動の柔軟性を上げ、また交換による補修も視野に入れていたと思うんだよな。

進化は認めるが退化は容認できない。

 

・艶メッキの方がよくない?

これ好みの問題でしかないし、質感の良さもよく理解できるんだけど。

最近ね、キンキラのメッキを「安っぽい」って罵る風潮があってさ。

そこは本当に、魂の根源から理解できないんだよね。

言ってるやつはメッキ以外の、本物の貴金属類を見た事があんまり無いのだろうかって思う。

宝石店覗いといでと言いたいが、確かにまあ街角からは減ってそう…買取店が幅を利かせてるので安いイメージなのか…というと語弊が在るな。

宝石屋のチラシ見てみチラシ。

キンキラやど(笑)。

 

上質を目指してマットな表面仕上げで装飾品や腕時計を作ることもあるけど、本来人類が惹かれた黄金の輝きってのは光沢が「ある」方なんだ。

てか、マットゴールドなら成型色としてのメタリックカラーで再現できるから、それなら近しい効果でありながらも格安で済ませられるだろと思っちゃうんだよな。

格安ってかまあ通常よりかは高くつくが、メッキより遥かに安く上がる。

折角コストを跳ね上げてメッキをかけるなら光沢メッキ一択だろというのが持論。

 

もう少し安いコストでメッキできるならマット仕上げも良いと思うし、何か特殊なコンセプトに基づくなら理解できるんだけどね。

例えば地味なグレーのG-3ガンダムをロールアウト直後イメージでまだペンキを塗られていない素材色のシルバーと解釈し塗装してた作例が在ったが、めっちゃカッコ良かった。

今となってはもう「昔の作例」なんて言われてしまうのか。

MG第一作ガンダム、いわばver1.0の塗装例だったもんな。

 

なんだろな、「あ゛~安っぽく見えるからメッキの光沢はNG~」って言われると、は?ってなっちゃうんだ。

貴金属類見てるとマットの方が寧ろ安っぽく見えるし、確かに落ち着いた雰囲気はあるんだけども、プラモという場で再現するならもっと安く済むよねとしか思えない。

あんまりマットメッキは合理的じゃないんじゃないかな…。

 

それとも、メッキ自体が偽物、フェイクを作る手法から始まっていることを知らないのだろうか?

そんな誇り高いもんじゃねーんだ。

まあ、表面加工として確固たる伝統を築いた一大技術体系であって、携わった人たちの研鑽が積み重ねられているのは当然なんだけど。

そもそもは金の中身を誤魔化す水増し、詐欺手法から始まってるからな。

「メッキをやるなら誇り高きマットだろ…フッ」って価値観をまず共有してない。

 

またはこう言うべきか、自分ら高級志向なんでキンキラメッキは恥ずかちいんでちゅよ~というのは、如何にも実際の金持ちにお目にかかった事が無い視野狭窄、社会経験の狭さを感じられてしまう。

自分らの知っている腕時計くらいで世間を図ってしまう、これが若さか

↑メッキパーツのことでどんだけ言うねん

 

・鳥さんキッとして、首寝違えちゃったのん?

鳳凰モードのバードヘッドは実にシャープに出来ており、好感。

ただ、もうちょっと柔軟に動いても良くない?

例えば奥からスライドしてくる為の左右軸、これが丸軸じゃない事に、組んでて驚いた。

深く考えずただ丸軸にさえしておけば上下スイングギミック付くのに?

もう少し曲げたり、横向いたり、自在に動かないと動物っぽくないかなあ。

引き出し式だからすっぽ抜け対策するのは分かるんだけど、それに関しては昔ながらのI字ジョイントというのが在ってだね…。

てか後ハメで塗装を考えられるような構造じゃないだろ、ここは元々。

 

・もっとハードディティールでもいい

HGの宿命じみてきますが、ディティールがやっぱ甘いなと。

もっとガシガシに、セイラマスオさん並みにディティールを盛り込んでいけば、それによって逆に隙間も目立つようになり、対策するか活かすか判断するまでの次元に立てると思う。

ただまあ、本作のヒロイック指向にはシャープな現状も合っていると言えば合っているんだよな。

 

・お腹どうした

腹筋部が一枚だけ別パーツだが、色替え展開の予定でも在るのか?

もっと立体感を以て目立たせるとかなら分かるが、何気ないパーツが謎に分割されてて気になる。

シリーズ展開への伏線かな!?

それとも俺が知らんだけで既に龍神丸で使ってる部分なんかなあああ!!

 

<総評>

色々言っておるので批判的と思われるかもしれませんが、総じて素晴らしいキットです。

☆5段階で言えば4.8くらいじゃないか?

上で挙げておるのは残り僅か0.2の気になった部分についてあれこれ論じておるだけ。

 

偉業と呼べるキットで、正しく「サンライズプラモコレクション」という一つの夢の結実に、大きな波に寄せる期待そのもの。

次代を切り開く舵取りのような、象徴的キットに思えました。

正に登龍。

 

この夢はノスタルジー、見続けた夢の結晶でもあり。

まだ朧気にしか知らぬ若き子らへ、次世代へとバトンを繋ぐ、大いなる遺産ともなる。

形無き無限の夢に、この手で触れられるカタチを。

サンライズプラモコレクション、これからももっと発展して欲しい。

差し当たりモデロイドに置いて行かれなければ良いですね(老婆心)。

 

 

 

 

↑この龍王丸良いよなあ…。オススメねん。トリコロールからモノクロ―ムというと、ガンダムからニューガンダムの踏襲だったりするのか?どっちが先だろな?しかしファイアーバルキリーも欲しいなあ。ちょうど世代だからさ、マクロス7を覚えていてくれるのが嬉しい。バンダイでこういうリバイバル手掛けてくれるのは嬉しい。つーか、MGで手掛けるべきはMGボトムズ、MGマクロスだろな。MGコードギアスもやるべき~