2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比70銭円安・ドル高の1ドル=81円75~85銭で取引を終えた。米国の追加金融緩和への期待が後退したことを手がかりとした円売り・ドル買いが続いた。円は一時、81円87銭と昨年5月26日以来ほぼ9カ月ぶりの安値を付けた。

 週半ばの議会証言でバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長がQE3(量的緩和第3弾)にほとんど言及しなかったことを受け、緩和期待が大幅に減退。米景気の持続的な回復も続いており、円売り・ドル買い基調が続いた。

 この日は目立った円売り材料は無かったが、取引終了にかけて円の先安観を背景に投機筋などを中心とした売りが出たとの見方があった。

 円の高値は81円50銭だった。

 円は対ユーロで小幅に3日続伸。前日比5銭円高・ユーロ安の1ユーロ=107円90銭~108円00銭で取引を終えた。対ドルでユーロが円以上に売られたことで、円買いがやや優勢になった。

 ユーロは対ドルで大幅に3日続落した。1ユーロ=1.33ドル台前半から1.32ドルちょうど前後に水準を切り下げた。週末を前に持ち高を整理する目的のユーロ売り・ドル買いが目立った。バーナンキFRB議長の議会証言で、米国の追加緩和観測が後退していることも引き続きユーロ売りの材料となった。

 来週にかけてギリシャへの追加金融支援の条件となる民間投資家の債務減免への参加が進むかどうかが不透明との見方が根強く、欧州財政問題への警戒感もユーロの重荷となった。

 ユーロは一時1.3187ドルまで下落し、2月21日以来の安値を付けた。ユーロの高値は1.3227ドルだった。