今夜の注目指標・材料
英中銀四半期インフレレポート
本日18時30分には英中銀四半期インフレレポートが公表される。前回2月に公表された四半期インフレレポートでは英GDP見通しが引き下げられたほか、インフレ見通しに楽観的な見方が示された。今回の四半期インフレレポートに示される最新の経済見通しに基づいて金融政策を決定したとされる前回の英中銀金融政策委員会では、予想通り政策金利0.50%と資産購入枠2000億ポンドの据え置きを決定。また、ギリシャなどユーロ圏諸国を巡る財政懸念がくすぶっており、依然として脆弱な英経済成長への下方圧力も拡大している状況にあることから、今回の四半期インフレレポートでは英GDP見通しやインフレ見通しに大幅な変更はないとみられている。ただし、前々回4月開催分の英中銀金融政策議事録では一部の委員がインフレへの懸念を指摘。さらに、3月の英消費者物価指数は前年比3.4%と英中銀のインフレターゲットの上限である3.0%を上回っている上、4月の英生産者物価コア指数も前年同月比で1年半ぶりの上昇率を記録するなど、足元のインフレ率は高止まりしている。少なくとも今年第4四半期まで利上げはないとの見方が多勢を占めているものの、先週木曜日の英総選挙を経て英保守党と自民党による連立政権が誕生するなど政局不透明感が後退しつつある中、今回の英中銀四半期インフレレポートが前回からハト派色を薄める内容となった場合は英国の出口戦略を巡る思惑へとつながる可能性もあり、英中銀の金融政策を占う上でもどのような見通しを示すのか注目されるところ。
米金融市場の動向
ギリシャ支援問題を巡りユーロに市場の関心が集まる一方、株価や商品相場の値動きを主体としたリスク許容度の変化に影響を受けやすい地合いとなっている。本日も引き続きギリシャなどユーロ圏諸国を巡るニュースに注意を払いつつ、前回から赤字幅の拡大が見込まれている3月米貿易収支
や、 FRB当局者の講演などを受けた米株式・商品市場の動向を注視したい。また、米長期金利の動向も特に対円でのドル相場を左右する要因となっている。旺盛な需要を集めた昨日の米3年債入札に続き、本日は米10年債入札が実施されるほか、FRB当局者の講演も予定されており、これらを受けた金利見通しの変化などに伴う米長期金利の動向にも注目したい。
| 日時 | 期間 | 入札額 |
|---|---|---|
オセアニア・東京時間(4:00~17:00頃)の市況情報
ドル
東京市場でドル/円は方向感が乏しくなり、株価の値動きに合わせる形で92円台後半でのレンジ取引となった。朝方はGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を拡大する中、ギリシャなどユーロ圏諸国の財政懸念がくすぶる対ユーロを中心に円買いが強まったことから、ドル/円は92.45円付近へと下落したものの、仲値でのドル不足観測を手掛かりに買いが入ったほか、今期の業績回復見通しを示したトヨタなど企業業績の改善期待を支えに日経平均が上昇して始まったこともあり、東京市場序盤に92.95円付近まで回復。その後は欧州の財政問題を巡る不透明感も根強い中、米WSJ紙の「米検察当局が住宅ローンのデリバティブ取引を巡り、米金融大手モルガン・スタンレーの調査に乗り出した」との報道をきっかけに、下げ幅を縮小していたGLOBEXのNYダウ先物が再び軟化し、日経平均も終盤にかけて一時前日比65円安まで反落したことからリスク回避の円買いが強まると、ドル/円は92.50円付近へと再び下値を探る場面がみられた。しかし、株価の下落が一服すると共にドル/円の下値も限定的となり、その後は米モルガン・スタンレーの社長兼CEOから米WSJ紙の報道を否定するコメントが伝わる中、GLOBEXのNYダウ先物が上昇に転じる展開となったことから、欧州市場序盤にドル/円は93.05円付近まで反発した。しかし、欧州の信用不安やユーロの信認低下に歯止めがかからない上、米モルガン・スタンレーの問題がゴールドマン・ショックを想起させ、欧米の株式市場でさらに不安が高まる可能性があることから、今夜も慎重スタンスで臨むべきだろう。
【予想レンジ】 ドル/円 92.30-94.00
ユーロ
ギリシャなどユーロ圏諸国を巡る根強い財政懸念を背景とした急激なユーロ売りの流れは一服したものの、米WSJ紙による「米当局が金融派生商品取引に関して米モルガン・スタンレーを調査」との報道を受けて日経平均やGLOBEXのNYダウ先物が下落しリスク回避姿勢が強まったことから、東京市場中盤に対ドルは1.2605付近、対円も116.60円付近へと下落。しかし、その後はGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を縮小する展開となるなか対ドル、対円とも下値は限定的となると、東京市場終盤に発表された独第1四半期GDP速報値が前期比+0.2%と予想の同±0.0%を上回ったほか、前年同期比も+1.6%と予想の同+1.2%から上振れたことも好感され、欧州市場序盤にかけて対ドルは1.2740付近、対円も118.40円付近へと反発した。 EUの巨額の金融支援やECB・各国中銀による政府債買い入れが発表されたにもかかわらずユーロの下落に歯止めがかからないため、当面は反発のシナリオが描きにくくなっただろう。また、シュタルクECB専務理事は「買い入れた政府債は満期まで保持する」と述べており、市場介入による債券利回り格差の歪みや ECBのバランスシートの劣化のほか、財政規律の喪失も懸念されよう。ユーロを敬遠する動きはしばらく続きそうだ。
【予想レンジ】 ユーロ/ドル 1.2600-1.2750 ユーロ/円 116.60-118.70 ユーロ/ポンド 0.8340-0.8560
ポンド
英総選挙を経て最大政党となった英保守党と第3党の自民党の連立が成立するなど英国の政治空白がようやく解消されたものの、東京・アジア市場では前向きの反応はみられず、材料出尽くしによる売りが優勢となったことから、東京市場中盤に対ドルは1.4865付近、対円も137.45円付近へと下落。しかし、 GLOBEXのNYダウ先物や下落して始まった欧州株が前日比プラス圏へと切り返す展開となったことを背景にリスク回避姿勢が後退すると、欧州市場序盤に対ドルは1.5040付近、対円も139.80円付近へと反発。また、その後発表された英雇用統計では失業率が4.7%と予想の4.8%、失業保険申請件数も前月比-27100件と予想の同-20000件より好結果となった。英新政権が財政赤字削減に積極的な姿勢を取った場合は中長期的なプラス要因となるものの、13年ぶりの政権交代、65年ぶりの連立政権発足とあってキャメロン新首相のリーダーシップや政策実行力を見極める必要があり、ご祝儀買いも限定的か。また、英テレグラフ紙は「欧州は英国に対し、危機に直面しても支援を要請するべきではない」と題した記事を掲載し、同記事で「ユーロに起こった市場の混乱がポンドに影響を与えるのは時間の問題である」と述べている。欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の信用不安の鎮静化に失敗した場合は、危機が英国に飛び火する可能性も小さくなく、対ドル、対円とも慎重スタンスが必要となろう。なお、このあと日本時間18 時30分に発表される英中銀四半期インフレレポートに注目したい。
【予想レンジ】 ポンド/ドル 1.4810-1.5190 ポンド/円 136.80-142.00 ポンド/スイス 1.6450-1.6870
豪ドル
豪住宅ローン貸し出しが前月比-3.4%と予想の同-3.0%を上回る減少となったことに加えて、日経平均を含むアジア株やGLOBEXのNYダウ先物が軟調に推移したことからリスク回避の動きが優勢となり、東京市場中盤に対ドルは0.8895付近、対円も82.25円付近へと下落。しかし、欧州勢の参入後は下落して始まった欧州株やGLOBEXのNYダウ先物が上昇に転じたほか、NY原油先物が反発したこともサポート要因となり、対ドルは0.8960付近、対円も83.40円付近まで持ち直した。欧州の信用不安に対する措置が出尽くす一方、株安・商品安を背景としたリスク回避の動きも止まらず、高リスク通貨・資源国通貨も影響は免れないとみる。ただし、NY金先物が1235ドル付近へと史上最高値を更新していることから、産金国通貨である豪ドルにも買いが入る可能性も捨て切れないだろう。割安圏では慎重な押し目買いも検討したい。
【予想レンジ】 豪ドル/ドル 0.8810-0.9000 豪ドル/円 81.20-83.70 豪ドル/NZドル 1.2450-1.2520
NZドル
欧州の財政問題を巡る不透明感に加え、中国の金融引き締めや人民元切り上げ観測、米モルガン・スタンレーに対する検察当局の調査報道など不安要因が重なり、株式市場が軟調に推移すると共にリスク回避姿勢が強まったことから、東京市場中盤にかけて対ドルは0.7110付近、対円も65.75円付近へと下落。しかし、欧州市場に入ると株価の反発を背景にドルや円を売り戻す動きが優勢となり、対ドルは0.7180付近、対円も66.80円付近へと持ち直した。株式市場が下げ止まり、ボラティリティが低下に向かえば、今後利上げサイクル入りが見込まれるNZドルには買い妙味が出てくるだろう。対ドルは前回安値の0.7015付近を限度に、割安ゾーンでは押し目買いも考えたい。
【予想レンジ】 NZドル/ドル 0.7050-0.7210 NZドル/円 65.00-67.20
カナダドル
欧州の財政問題を巡る不透明感や米モルガン・スタンレーを巡る報道などに圧迫され、東京市場中盤に株式市場が軟調に推移する局面ではリスク回避のドル買い・円買いが優勢となり、ドル/カナダドルは1.0245付近へと上昇し、対円は90.30円付近まで下落。しかし、欧州市場序盤にかけては株価が反発したこともあり、ドル/カナダドルは1.0165まで反落し、対円は91.50円付近まで持ち直すなど、ドル/カナダドルは1.0200前後、対円は 91.00円前後で一進一退の動きとなった。欧州のソブリン・リスクが払拭されず、株安・商品安の流れも断ち切れないことから、高リスク通貨は基本的には買いづらい局面であろう。しかし、カナダの経済・財政が健全であることや、金相場が質への逃避で急騰していることから、欧州通貨を敬遠して産金国でもあるカナダドルに資金が流入しても不思議ではないだろう。目先は中立スタンスで市場のセンチメントの変化に注意したい。
【予想レンジ】 ドル/カナダドル 1.0080-1.0260 カナダドル/円 90.20-92.70
スイスフラン
欧米市場の出方待ちとなり、東京市場でドル/スイスは1.11台前半、対円は概ね83円台半ばで方向感に乏しい値動きとなったものの、欧州市場序盤にかけては欧州株やGLOBEXのNYダウ先物など株価の反発を背景にドル売り・円売りが優勢となったことから、ドル/スイスは1.1070付近まで下落し、対円は83.95円付近へと上昇した。欧州のソブリン・リスクやユーロの信認低下懸念が高まっており、質への逃避から対ユーロでは史上最高値の1.4000 付近を試す可能性が高いだろう。スイス当局の介入姿勢が試されることとなりそうだ。
【予想レンジ】 ドル/スイス 1.1050-1.1200 スイス/円 82.30-84.10
ドル
インフレ指標の上振れを受けた中国の金融引き締め懸念などを背景に日経平均や上海株、GLOBEXのNYダウ先物が大幅に下落し、欧州株も前日比マイナス圏で始まったことからリスク回避型の円買いが強まり、欧州市場でドル/円は一時92.25円付近まで下落したものの、92.00円付近にかけてはショート・ポジションの買い戻しも多く下げ渋る展開となった。その後は英保守党と自民党の連立政権実現への観測などを背景に対ポンドで円売りが強まったほか、根強い欧州の財政懸念や中国の金融引き締め懸念が重石となり、序盤に前日比100ドル近く下落したNYダウが徐々に下げ幅を縮小し上昇に転じる展開となったことから、NY市場中盤にかけてドル/円は93.15円付近まで反発。また、ギリシャなどユーロ圏諸国の長期的な財政懸念を背景に低下していた米長期金利が、米3年債入札を控えるなか株価持ち直しを受けて反発したこともドル買いを後押しした。しかし、NYダウが結局前日比36ドル安で引けたことから、NY 市場終盤にドル/円は92.60円付近まで押し戻された。欧州の信用不安が払拭されない上、株式市場の動揺でリスク選好が低下しており、ドル/円、クロス円とも円を売り込みづらいムードが続くとみる。また、金融市場の混乱を受けてFRBの出口戦略も先送りされるとの見方が強まっており、ドルの上昇力も鈍化しつつあるだろう。本日も上値の重い展開が続きそうだ。
【予想レンジ】 ドル/円 91.60-93.30
ユーロ
EUなどによる一連の緊急支援措置を受けた上昇が続かなかったことで失望感からユーロ売りが強まったほか、株安を背景としたリスク・オフの動きもあり、欧州市場で対ドルは1.2665付近、対円も116.90円付近まで下落。なお、欧州市場序盤に「ギリシャがEUと国際通貨基金(IMF)による融資の第一弾を要請する可能性」と報じられたものの、支援は債務問題の根本的な解決にならないとの見方が支配的でユーロ買いにはつながらなかった。NY市場では下落して始まったNYダウが一旦前日比プラス圏に浮上したことから、対ドルは1.2750付近、対円も118.70円付近へと持ち直したものの、ポンドを買ってユーロを売る動きが強まったほか、結局NYダウが同マイナス圏で終了したこともあり、NY市場終盤に対ドルは1.2625付近、対円も116.95円付近まで売り込まれた。EUの巨額の金融支援やECB・各国中銀による政府債買い入れなど、考えられる政策が一通り出たにもかかわらずユーロが下落したことにより、当面反発のシナリオが描きづらくなったといえよう。ECBによる政府債買い入れも、バランスシートや財政規律の観点から懸念が広がっている。株式市場の不安感も高まっており、安全通貨のドルと円にシフトする動きからユーロは再度下値を探る可能性が高いとみる。ユーロを売ってポンドやスイスフランに逃避する動きも一段と強まりそうだ。
【予想レンジ】 ユーロ/ドル 1.2510-1.2750 ユーロ/円 115.30-118.80 ユーロ/ポンド 0.8340-0.8560
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ポンド
欧州市場序盤には英鉱工業生産指数や英製造業生産高が予想を大きく上回ったことを好感し、対ドルは1.4885付近、対円も137.80円付近へと上昇。その後、欧州株やGLOBEXのNYダウ先物の下落を受けてリスク回避姿勢が強まったことから、対ドルは1.4720付近、対円も135.90円付近へと下押ししたものの、「英保守党と自民党が連立協議を再開」との報道や、「英労働党と自民党の協議は物別れとなった」と伝わったこともあり、英国の政局不透明感が後退するとの見方からポンド買いが再び優勢となると、対ドルは1.48台、対円も138円台へと浮上。また、ユーロ売り・ポンド買いが加速したほか、NYダウが一時前日比プラス圏に浮上したこともサポートとなり、NY市場中盤にかけて対ドルは1.5000付近、対円も139.65円付近へと続伸した。しかし、その後ブラウン英首相が辞意を表明したことを受けて材料出尽くしによる売りが優勢となると、NY市場終盤に対ドルは1.4920付近、対円も 138.20円付近まで押し戻された。なお、キャメロン英保守党党首が首相に任命され、「保守党のジョージ・オズボーン議員が次期英財務相に就任へ」「クレッグ自民党党首が時期副首相に就任へ」と報じられた。財政赤字削減に積極的な保守党と自民党が連立すればポンドにはプラス要因との見方が多く、本日も期待感から対ユーロでは買いが持続しそうだ。しかし、一方では欧州通貨を敬遠する流れも続いており、株式市場も不安定でリスク回避ムードも強いことから、対ドル、対円はセンチメントの急変に備えておく必要があるだろう。
【予想レンジ】 ポンド/ドル 1.4770-1.5170 ポンド/円 136.40-141.80 ポンド/スイス 1.6430-1.6810
豪ドル
EUによる金融支援の効果が一過性に終わりユーロ売りが優勢となる展開に圧迫されたほか、株安連鎖懸念・原油安を背景にリスク回避の動きが強まったことから、欧州市場では対ドルは0.8935付近、対円も82.50円付近へと下落。なお、スワン豪財務相が経済見通しを上方修正したものの、反応は限定的だった。その後はNYダウが一時前日比プラス圏へと浮上したことから、NY市場中盤に対ドルは0.9020付近、対円も83.95円付近まで持ち直したものの、NY市場終盤はNYダウの失速と共に対ドルは0.8940付近、対円も82.95円付近へと反落した。株安・ボラティリティ上昇を受けてキャリートレードの巻き戻し圧力が強まっており、対ドル、対円ともにさらなる下落リスクを警戒するべきだろう。またNY原油先物が下落する一方、安全資産のNY金先物が上昇するなど質への逃避が鮮明となっており、高リスク通貨に対する逆風も一段と強まりそうだ。
【予想レンジ】 豪ドル/ドル 0.8870-0.9010 豪ドル/円 81.40-84.00 豪ドル/NZドル 1.2450-1.2570
NZドル
欧州市場では株安連鎖を受けたリスク回避の流れのほか、ギリシャなどユーロ圏諸国を巡る根強い財政懸念を背景としたユーロの下落に圧迫されたこともあり、対ドルは0.7165付近、対円も66.20円付近へと下落。NY市場ではNYダウが一時持ち直したこともあり、対ドルは一時0.7210付近、対円も 67.10円付近まで反発したものの、結局NYダウが終盤に失速したことから、対ドルは0.7160付近、対円も66.35円付近へと反落した。株安・商品安・ボラティリティ上昇を受けてリスク選好が低下している上、中国の追加金融引き締め観測も浮上しており、潜在的な円買い圧力がくすぶっているとみる。本日も下値が脆弱な地合いとみるのが賢明だろう。
【予想レンジ】 NZドル/ドル 0.7110-0.7200 NZドル/円 65.40-67.20
カナダドル
NY市場ではNYダウやNY原油先物が一時上昇したことを受けてリスク許容度が回復し、ドル/カナダドルは1.0155付近まで下落し、対円は91.65 円付近へと上昇したものの、NYダウが結局前日比マイナス圏で終了し、NY原油先物も上昇分を消したことから、終盤はドル/カナダドルは1.0225付近へと反発し、対円は90.65円付近へと押し戻された。欧州の信用不安が払拭されず、株式市場も不安定な動きとなっていることから、高リスク資産は敬遠されやすい地合いといえよう。中国の追加金融引き締め観測や上海株の下落も資源価格の低迷を通じてカナダドルの重石となる可能性もあることから、引き続き慎重スタンスで臨みたい。
【予想レンジ】 ドル/カナダドル 1.0140-1.0280 カナダドル/円 89.70-91.60
スイスフラン
冴えない展開となっていたNYダウが一時前日比プラス圏へと上昇したことから、NY市場中盤にドル/スイスは1.1040付近へと下落し、対円は 84.15円付近へと上昇したものの、NYダウが結局前日比マイナス圏で終了しリスク回避のドル買い・円買いが再び優勢となったこともあり、NY市場終盤にドル/スイスは1.1125付近へと反発し、対円は83.25円付近へと反落した。一方、対ユーロでは質への逃避によるスイスフラン買いが強まり 1.4035付近へと過去最高値である1.4000付近に接近した。なお、ヒルデブランド・スイス国立銀行総裁は「スイス国立銀行は過度なスイスフランの上昇を容認しない」と発言したものの、反応は限定的だった。EUの支援策出尽くしにより欧州通貨全体が売られる展開となっており、対ドル、対円では軟調に推移する可能性が高いとみるものの、対ユーロでは逃避資金の流入で最高値をうかがう展開となりそうだ。スイス国立銀行の介入姿勢に注目したい。
12 May 2010 07:47
バーナンキ米FRB議長、ギリシャ問題が米銀に波及する可能性指摘=上院議員
[ワシントン 11日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は11日、ギリシャの債務危機について、欧州の問題との見解を示す一方で、対処しなければ米銀行に影響が及ぶ可能性があると指摘した。同議長との会談後に、有力上院議員らが明らかにした。
シェルビー上院議員(共和党)は会談後、記者団に「バーナンキFRB議長は欧州で起きている事態について説明した。それは基本的に欧州の問題だが、介入が行われなければ、恐らく多くの米銀および米銀行システムに悪影響を及ぼす可能性がある」と語った。
バーナンキ議長は、FRBが主要中銀と通貨スワップ協定を再締結すると決定したことへの懸念に対応するため、上院議員と会談し、説明を行った。
FRBが2007─08年の世界金融危機の際に実施した前回のスワップ協定は、今年2月で終了している。海外市場でのドル流動性を保証するこの取り組みについて、議員の間では米国民の税金をリスクにさらす可能性があるとの批判が一部にある。
ただ、上院銀行委員会のドッド委員長が記者団に明らかにしたところによると、バーナンキ議長は11日の会談で、金融危機の拡大から米国を守るため通貨スワップ協定は必要だと説明し、大半の上院議員を説得したとみられる。
FRBは10日、通貨スワップ協定に関する質問と回答集をウェブサイトに掲載し、その中でFRBが提供するドルはその他主要中銀によって完全に返済されると説明。バーナンキ議長も11日、この点をあらためて説明した。
米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は11日、ノースカロライナ州グリーンズボロでの講演後、記者団に対し、スワップ協定の再締結について政治的な反発は予想していないとした上で、FRBは「今回のスワップ協定に関して一段と透明性を高めるつもりだ。可能な限り透明性を追求する」と語った。
FRBは11日、再締結するスワップ協定について契約上の合意を明らかにし、各スワップ協定に関する動向の詳細を週ごとに発表する計画を示した。
<マネックスFX速報ハイパー>
NY外為市場、ドル/円、クロス円は上値が重い状況となった。
序盤はリスク回避姿勢が和らぎ、円売り・ドル売りが優勢。
しかし、米国株の反落を受けて、一転して円買い・ドル買いへ傾斜するなど、株
価の値動きに左右される展開となった。
欧州諸国の財政再建策を見極めたいとの見方が広がり、ユーロは対主要通貨で軟
調な動き。
一方、英国では保守党と自由民主党による連立政権樹立の可能性が台頭。政治的
混乱が避けられるのではないかとの見方が広まり、ポンドは堅調。
NYダウは一時前日比プラス圏へ反発したが、上値の重い動きから再び軟化した。
金は続伸、原油は反落。数字は終値。(先物は同時間帯値)<>は前日比
NYダウ
10748.26ドル<36.88ドル安>
S&P500
1155.79<3.94安>
CME日経225先物
10445<270安>
NY原油先物
1バレル=76.37ドル<0.43ドル安>
NY金先物
1オンス=1220.30ドル<19.50ドル高>
経済指標・イベントカレンダー[12日]
02:15 ロックハート・アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
02:30 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
10:00 韓国中銀、政策金利発表
10:30 豪3月住宅ローン約定件数
10:30 豪3月投資貸付
14:00 日3月景気動向指数[速報値
15:00 独1-3月期国内総生産[速報]
15:45 仏4月消費者物価指数
15:45 仏3月経常収支
15:45 仏1-3月期国内総生産[速報]
16:15 スイス4月生産者輸入価格
17:00 伊1-3月期国内総生産[速報]
17:30 英4月雇用統計
18:00 ユーロ圏3月鉱工業生産
18:00 ユーロ圏1-3月期国内総生産[速報]
18:30 英中銀、四半期インフレ報告
19:00 欧州委員会、エストニアなどユーロ導入希望国の参加条件適合審査について公表
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 南ア3月製造業生産
21:30 加3月新築住宅価格指数
21:30 加3月国際商品貿易
21:30 米3月貿易収支
23:15 ローゼングレン・ボストン連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
23:30 EIA週間石油在庫統計
25:30 ロックハート・アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
26:15 ブラード・セントルイス連銀総裁、テネシー州ナッシュビルで講演
27:00 米4月財政収支
EUとメキシコの首脳、スペインで会合
米決算発表
メーシーズ
シスコシステムズ
*時間は全て日本時間。予定・未定を含む
- 05月12日
- 09時44分
- 株価などにらみつつ再び円買い優勢=12日東京外為
- その他
- 円全般
株価の動きをにらみつつ、為替市場では再び円の買い戻しが強まっている。円安を牽引していたポンド/円も138.90円台から138.20円台へと軟落している。ただ、本日は本邦資本筋などの押し目買い意欲が強いようで、大きく崩れる可能性は低いとの声も聞かれていた。
- DJ-インテルCEOが強気見通し「2ケタ増益を続ける」
- 主要ニュース
- 通貨全般
カリフォルニア州サンタクララ(ダウ・ジョーンズ)米半導体最大手インテル(Nasdaq:INTC)は、デジタルテレビ
放送、スマートフォン、自動車エレクトロニクスなど新市場への事業拡張を通じて今後数年間は業績が急拡大す
るという見通しを示した。
ポール・オッテリーニ最高経営責任者(CEO)は10日にサンタクララで開催されたアナリスト会議で、今後数年
間にわたって1株利益と売上高の成長率は平均年率で2ケタの下の方が見込めると述べた。これはここ最近のイン
テルの成長率の2倍の速度になる。
オッテリーニCEOは、インテルは特に半導体製造技術で優位な位置取りを確保しているため、インターネット市
場をはじめとする市場活動の拡大を利用することができると強調し、「成長エンジンに乗っている」と述べた。
さらにインテルにはほかの企業が取って代わることのできない得意分野を持つ。こうした強みをさらに高度化し
ていいくつもりだとコメントした。
ただインテルのトーマス・キルロイ最高営業責任者は4‐6月期の業績見通しに変更はないとしている。
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