献血後にA型肝炎を発症した人の血液の輸血によって、70歳代の男性がA型肝炎に感染した例が報告されていたことが、5月18日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会(委員長=佐川公矯・久留米大医学部附属病院臨床検査部教授)の会合で明らかになった。献血者は潜伏期間中だったとみられる。厚労省の担当者は「非常に珍しい例だ」と話している。

 献血後、献血者が発症したとの情報提供を受けた日赤の調査で分かった。しかし、70歳代の男性には輸血前から既に抗体があり、感染したものの発症はしなかった。

 A型肝炎の抗体保有率は衛生状況に左右され、現在の日本では、抗体保有者は55歳以上に多いとされている。

 国立感染症研究所血液・安全性研究部第一室長の岡田義昭委員は会合で、「A型肝炎はほかの肝炎に比べ、献血したという記憶が新しいうちに発症するので、献血者が比較的情報提供しやすい」と指摘した上で、「A型肝炎に限らず、献血後に何らかの感染症を発症した場合には、医療機関などにお伝えいただけると発症前に特定できる」と述べた。

 厚労省の担当者は、「輸血者が感染症を発症して、さかのぼって調査を始めるケースもある」と説明。「今までも感染はあったが、輸血を受ける機会が多い高齢者にA型肝炎の抗体保有者が多く、感染しても分からないケースが多かったため、報告されなかったのではないか」との見方を示している。


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