仕事や家の用事などをしながら、テレビをつけっぱなしにしていると、情報番組でコメンテーターがたくさんいて、実に様々な意見を述べている光景を見ます。

 

なるほどと思うことも多いですが、彼らは専門家ではないわけで、かりに専門家でも、言うことがいつも正しいとも限らない、と疑ってみることが必要だなといつも感じます。

 

特に、政治的に「色のついた」専門家は要注意です。

その政治団体のアジテーターになっている場合が多いように思われます。

それは政治にかぎらず、利害関係のある所属に有利な発言をする人も当然いるでしょう。

 

数年前、放送業界を主管する大臣が「政治的中立性」と「テレビの停波」を言い出し、それに忖度して、報道機関が右左両方の意見を報道する姿勢に変わってから、特に保守系の専門家がその強硬さを発揮しているように感じられます。

 

結局、思想的にどうであっても正しいことを言えばいいわけですが、暴論や間違いも多く、そういう番組の場合、私はチャンネルを昔の刑事ドラマに変えます。


窓口で相談を受けた際、結構困ったのが、福祉施設などへの申請の際に住民票が必要なのに、本人の委任状が取れないケースでした。

ご本人が意思を表示できない状態だと、後見人が必要になります。

特に認知能力の衰えによる場合は、成年後見人の選任が必要なので、まずは家庭裁判所等への相談になります。


でも、何とかならないか、と懇願される場合は多く、家庭の事情まで色々伺うことが度々ありました。


ここで変なことを言ってしまうと、委任状を偽造されかねないので、お堅くても、正式なやり方をご指導したものです。


ここで調子に乗って良い事を言ってしまうのが、やりがちなことなのです。

どこかで聞いた噂や勘違いして覚えていた知識を、どこかのコメンテーターみたいに言ってしまうと、あとで心臓が縮むほど悩むことになります。

もちろん、間違った指導で動いた相談者の方には、謝っても謝りきれないことになります。


初心者は、知ったかぶりをしないのは難しいのですが、分からないことは正直に分からないと言わなければなりません。

ご依頼者の方には、しばらくはこの点、ご容赦願いたいと存じます。