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森田明彦 オフィシャルブログ

Soul Searching Navigator. 国際コーチング連盟認定プロフェッショナコーチ(英語)。博士/名誉教授。外交官、国連職員、国際NGOディレクター、大学教員を歴任。イスラエルに4年、米国ニューヨークに3年在勤。主著『世界人権論序説』(藤原書店、2017年)。

榎本武揚による「招魂之碑」を、千葉県君津市の鹿野山(かのうざん)でウォーキング中に見つけました。

榎本武揚は、元新選組副長の土方歳三とともに五稜郭で新政府軍と戦った旧幕府軍の中心人物。
その後、新政府に出仕し、日本の近代化に尽くした人物です。

この碑文は、新政府軍と旧幕府軍の戦いのなかで命を落とし、十分な弔いも受けられなかった人々に対する慰霊が目的。

当念往事、而知和平之可貴(過去の出来事を思い起こし、平和というものがどれほど尊いかを知るべきである)という最後の一節に激動の時代に生きた榎本武揚の想いがこもっているを感じました。



招魂之碑者、戊辰役以来、殉難之士、累年未有顕祭者多
この招魂碑というのは、戊辰戦争以来、戦争で命を落とした人々の中で、長年にわたり、正式に弔われることのなかった人々が多く存在するために建てたものである。

或死於戦陣、或斃於疾病、其数不可勝計
ある者は戦場で戦死し、
ある者は戦後に病に倒れ、
その数はとても数えきれるものではない。

国家草創之際、事変繁多、名籍散逸、遂使幽魂無所帰依
国家が新しく形づくられる激動の時代に、
事件や混乱があまりにも多く、
記録や名簿も散逸してしまい、
その結果、彼らの魂は拠り所を失ったままとなった。

是以、為之建碑、招其魂而慰其霊
そこで、彼らのためにこの碑を建て、
その魂を招き寄せ、霊を慰めようとするのである。

不問其属於何党、亦不論其是非功過
それがどの陣営に属していたかは問わない。
また、その行為が正しかったか誤っていたか、
功績があったかどうかも論じない。

但以一命殞於時運、可哀可悼而已
ただ、時代の流れの中で一つの命を失った、
そのこと自体を、哀れみ、悼むのみである。

 

後之来者、其登斯碑之前、当念往事、而知和平之可貴
後の世にこの碑を訪れる者は、
ここに立つとき、過去の出来事を思い起こし、
平和というものがどれほど尊いかを知るべきである。