サウジの原油半減のインパクト | 森田明彦 オフィシャルブログ

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誰が発射したのか、いまのところはっきりしないドローン攻撃によって、サウディの原油輸出量は半減しました。

 

アルジャジーラは今回のドローン攻撃を行ったと声明を出したフーシ派について、技術的にその可能性に疑問を呈する専門家の意見を紹介しています。

 

今回の事件のインパクトについては、日本エネルギー経済研究所の常務理事主席研究員の小山堅さんが本日付で速報レポートを公開していますが、「今後の情勢を注視する必要がある」とだけ書いてあって、僕としてはちょっと物足りません。

(小山堅「テロ攻撃で、サウジ石油生産が570万B/D減、原油高騰」)

 

ということで、僕流に今回の事件を分析してみました。ニコニコ

 

米国エネルギー情報局の統計によると米国の原油輸入量は1994年以来で最低の水準にあり、シュール革命による国内原油の生産拡大によって来年には原油輸出国になるという予測もあります。

吉田哲「米国の原油輸入量は、12年ぶりの水準まで低下」

 

一方、中国の原油輸入量は2025年までは増加し続けると予測されており、その中国にとってサウディはロシアに次いで2番目の輸入先となっています。

竹原美佳「中国の石油需給」

 

今回の原油半減でしばらくは原油価格は高騰すると予想されます。

すると、米国におけるシュール革命はさらに進展し、結果的に米国産原油は増産されることが見込まれます。

また、原油高は中国や日本における省エネ技術や代替エネルギーの開発を後押しします。

中国は2025年以降、石油需要が激減すると予想されていますが、この変化はより加速するでしょう。

日本も今回の事件を契機に中東への依存度を下げるために、原油の輸入先の多様化を進めるでしょう。

 

結局、短期的には石油価格の高騰により日本も中国もマイナスの影響を受けるかも知れませんが、10年程度の中期的視点に立つと日本(と中国)の中東への依存度は低下し、一方で米国産原油の輸入増で日米の貿易赤字は解消し、日本と米国の経済関係はより深化すると見込まれます。

 

中東産原油への依存度が下がれば、日本の中東外交の自由度は格段に向上します。

 

2012年以降、米国は中国、イランというユーラシア大陸への米国のアクセスを確保する上で不可欠な大国との関係を悪化させ、ロシアとの関係も微妙な状態にあります。

その結果、イランの友好国である日本の米国の対外政策における価値は相対的に高まっていると思われます。

このことは多分、ロシアとの関係についても当てはまります。

中国もトランプ政権の中国封じ込め政策が続く限り、対日関係についてより強硬な姿勢をとってくるとは思われません。

 

もしかすると、日本にとって大きなチャンスがやって来ているのかも知れません。ニコ