2年に1度の現代美術の祭典 中之条ビエンナーレ
前回の2021年はコロナのせいでスタンプラリーが
中止でしたが、今回はめでたく復活
ただ、今回も前売りパスポートはなく、大人1,500円。
今回は3日かかってスタンプラリーをコンプリート
各スタンプのインクの色がすごくきれいでステキだなぁと
思っていたら、それぞれが日本古来の色でした風流です
あと、今回各会場のスリッパがアップグレードしていて
大変はき心地が良かったです
初日は伊参エリア。到着がちょうどお昼頃だったので、
まずは腹ごしらえから 道の駅「霊山たけやま」にある
茅葺屋根が素敵な蕎麦屋さん「そば処 けやき」にてランチを
2人共、天ぷら付きそばを頂き、いなり寿司をシェア
まだまだ気温は暑いのですが、里山は実りの秋風景
稲穂がずっしりの実っていました 先月、バリ島で
棚田をありがたがって観てきましたが、地元群馬にて
充実の豊かな田んぼ風景を見るにつけ、ふるさとの
素晴らしい風景を再認識
伊参エリアが今回、好みの作品が1番多いエリアでした
こちらは大貫仁美さんの作品。薄い曇りガラスに金継ぎで服を
形作っています。美しいです
日本の伝統の工芸手法の”金継ぎ”は割れたもの、欠けたものを
金と漆で修復して元のものを凌駕する程、美しく再生します。
私もその精神も物理的な美しさも大好きで自分でも施したり
するのですが、あらためて金継ぎのその在り方、美しさの
良さを再認識しました
人は自らの傷を服で覆ったり、装飾したり、むき出しにしたりして
生きています。作品のガラスの服は金の傷があることでその姿を
留めています。・・・と作者の言葉にありました。
また「この世界は『そうではなかった人生』であふれていますが、
それでもなお抱えて来たこの傷と共に、ただあるがままにそこに
”在る”ことの奇跡について皆様と考えたいと思います。」とありました。
「傷があるからこそ形作られている」
「傷を修復したことで増した魅力」
「傷ついても美しく再生出来る」
なんていうか、金継ぎの在り方は勇気をもらえます
今回の中之条ビエンナーレで1番好きな作品でした
この作品も、大がかりで緻密で遊び心にあふれていて大好きです
大きな古い古い豪商の居間という空間が作品にピッタリでもありました
「異形の食卓」という浅野暢晴さんの彫刻です。”トリックスター”の
皆さんの食卓なのだそうです
なんと、空席の座布団がひとつあり、食事に参加出来るように
なっていました
”トリックスター”とは神話や物語の秩序を破り、ストーリーを
展開するいたずら好きの存在のことだそう。善と悪、破壊と生産、
賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴とのことなので、
食事の最中には怒られたり褒められたりするのでしょうか
未知の料理の数々がどんな美味しさなのかとか、皆さんと
どんな会話がなされるのかとかを、あきることなく想像出来る
楽しい作品でした
こちらは嘉 春桂さんの作品です。たくさんの布の端切れが
縫い合わされています。床にはたくさんの古着。これは中之条の
住民から集めた古着から作られているそうです。
過去の記憶をたどったり、誰かを思い出す時に、その時着ていた
服を覚えていることがあって、服にはそれぞれ生活の記憶や
物語が刻まれている。今見えている町は、この土地で人々が
営んできた日常が重なって出来ていることを表現しているそうです。
確かに、誰かに褒められた時に着ていた服とか、初めてのデートでの服、
発表会でのおめかし、お正月用に買ってもらったちょっといいセーター。
参観日のお母さんの服、キャンプに連れて行ってくれたお父さんの
張り切った出で立ち。隣んちのおばちゃんのエプロン・・・・。
覚えている色々な服があります。
新しく作られた1枚の布だけど、古い端切れをつなぐことで出来ている。
小さな1枚のピースには、1人の、その服を着た回数分のエピソードが。
もう、この布自体が”町”だし、悠久の時間や人たくさんの生を感じましたねぇ
鉾井 喬さんの作品は、この土地に自然と人工的エネルギーの共鳴みたいな
ものを表現されていました。
この土地は、電力の交差点なんだそうです。新潟と福島からの電力が
交わるんだそうです。
この風見鶏カメラで、天然の風と人工の100V電球の力を合わせて
写真を撮った作品が屋内に展示されていました。太陽の光が地球に
届くまでの時間(8分19秒)のタイムラプス写真を、ここ中之条町と
福島県双葉町で撮ったそうです。・・・正直その写真自体はちょっと
よく分からなかったのですが、「自然の力(風)と人工エネルギーの力の
共働」や、太陽光(これも充分自然エネルギー)が地球に届く時間とかを
改めて考えさせられる興味深い作品でした
かつて山は林業や炭焼きなどで、生活の糧であり信仰の対象でした。
現在、はるか遠く福島や新潟から幾重もの山を送電線で繋いで
越えてくる電力。そしてソーラーパネルが幾枚も並べられる山。
「人工的エネルギーの存在も山を通じて感謝する時なのかもしれない」と
作者は考えているそうです。
1日目、終了。最後に「こうじや徳茂醸造舗」でアイス休憩
塩麹レモンと味噌です。ぐんまちゃんの形のモナカが可愛い
2回目は六合エリア、沢渡・暮坂エリアへ。
まずはランチから。道の駅 八ッ場ふるさと館にて。
夫はソースカツ丼セットを。
私はおつみ団子汁(大)を。私も↑上のセットを食べたかったのですが、
せっかくなら、この郷土料理感があるおつみ団子汁(小)と一緒に食べたい。
セットのうどんとおつみ団子汁が交換できないか聞いたら、ダメなんだって
でも、単品の丼はないんだって じゃあ、おつみ団子汁食べたい人は
おつみ団子汁だけしかたべられないの?だって、丼とうどんとおつみ団子汁は
多いし変だよね え~・・・・。
外の屋台で、美味しそうだったので、焼きとうもろこしを
だってさ、汁物1杯じゃね 大とは言え
六合エリア、沢渡・暮坂エリアですが、好みの作品がだいぶ少なくて
こちらはタニヤ・P・ジョンソンさんの作品です。知覚、無限、生命力を
ベクトル地図上に描いたものとのことです。
すっきりと超然として、洋画で表現された曼荼羅のようだなぁと感じました。
特に大きな鯨にちょこんと乗った女の子の絵が、好きな日本画 小杉放菴の
襖絵「石上」を思わせ、世界観にうっとりでした
かつて神社だった建物というのも、作品の世界観に合ってました
大きな木製のフンコロガシです
ふん団子が、かなり緻密に設計された建造物というところも
すごく面白い しかも、表面がちゃんと土で仕上げられて
いました
3回目は中之条エリア、四万エリア。
その日のランチは開催中必ずと言っていい程行っている
「ほづみとんかつ店」。
セットメニューが最高で カツ丼、ソースカツ丼、ヒレカツ丼から
選べて、ラーメンも醤油、味噌、塩、カレーから選べるのです
それで、お値段800~1100円
シャオ・リーさんの作品です。廃校の教室に突如、巨大な土の塊
土、木、草、苔を使って芸術との合流、相互作用を試みたそうです。
現地の空間、時間、光、その他の自然現象を芸術表現の媒体とし、
芸術と環境の境界はあいまいになり、最終的に作品の一部になるとのこと。
学校の教室に突如、「中之条の自然」を作ることが出来るんですねぇ。
面白いコントラストだ これ、いくつもの地域や国の自然を
表現した作品を見比べてもみたいなぁ 住んでいる国のありふれた
自然も、他の国の人にはすごく珍しいし興味深いし 自分の国も
自然を懐かしく眺めたりとか
面白い きのこまで生えてる
ところで、中之条町長が別の会場でエライ事になってました
ふるさと交流センター「つむじ」ではアートショップが
伊参エリアの豪商宅のトリックスターさん達の
ミニチュアがガチャガチャに
今回のスタンプラリーコンプリートのプレゼントは
トートバッグ、クリアファイル、しおりセット、缶バッジ、
そして、日帰り温泉1回無料券(指定3カ所のどれか)でした。
あと、コンプリートに関係なくパスポート購入するとアンケートに
答えて抽選でプレゼントが当たるキャンペーンも
トートバッグ、缶バッジ、しおりセットはこんな感じでした
アートショップで購入してきたブローチです キリツアイコさんの作品で
群馬の形をしていて、小さい三角が5個。群馬の火山だそうです。側面から
見ると、3層の地層になっているのも面白い
他に、同じように群馬の形に線が1本通っている、利根川を表現したブローチも
可愛かったです
六合エリアの「お蚕さんの里」という道の駅?交流センター?で
買った丸々とした大きな栗で栗ご飯しました
「こうじや徳茂醸造舗」で購入した塩麹です
何年か前に大流行していた時は、適当にスーパーとかで
1度買った塩麹が、どう効果があるのか全く分からなくて
ブームに全然乗れなかったのです
ところが、本格的なこちらのものを買ってみたら、もう
唐揚げとか、うなる程に旨くて もう、ビエンナーレで
3回行ったので、リピートしちゃいましたよ
ちなみに、これは豚ロースを塩麹に漬けて焼いたもの
とっても美味しかったです