台湾では、四柱推命のことを主に八字と言いますが、子平ということもあります。
忌憚なく申せば、日本では、著名な先生方が四柱推命の独自の解釈を展開され、大きくは三つの流派に分かれましたが、その中でもまた分派が多数できました。
通変星と六親の関係の間違いは論外として、合化のロジックの曖昧さが身強身弱の判定に影響し、また特殊格と正格の判定基準の違い等々が、流派を多く生み出した大きな原因のように思います。
刑冲会合がない平易な命式ならあまり問題ないのですが、合化の多い命式なら大きく結果が異なることがあります。
また、特殊格と正格の判定も先生によって異なります。
四柱推命愛好家の皆様は、つぎの命式が正格の建禄格か特殊格の従革格、どちらだと思われますか?
時 日 月 年
食 日 七 比
神 干 殺 肩
癸 辛 丁 辛
巳 酉 酉 亥
先生方によって答えは分かれると思いますが、おそらく建禄格とされる先生が多いと思います。
正解は、従革格です。
ご本人のこれまでの人生の歩みと大運を考慮しても、正解は、従革格です。(※上記命式の方は、台中の陳老師のお客様で、老師がよく知っておられる方です)
月上の丁と巳酉の半三合の扱い如何によって、正格か特殊格か、正反対の格式になるのですから、四柱推命は微妙な命式の判定はすごく気を遣います。
ここが、四柱推命の泣きどころでもあります。
間違った判定をしてしまったら、喜忌が逆転するのですから大変なことになります。
それに較べて、紫微斗数はその心配はありません。
結果が真逆になるようなことは考えられないからです。
台湾で紫微斗数が四柱推命よりも人気が高いのは、そうした理由もあるのかも知れません。
陳老師よりご指導いただいた紫微斗数の三つの流派、星曜派、飛星四化派、欽天四化派は、日本の四柱推命の流派と違って、まったく看命のロジックが異なります。
ごくごく簡単に申せば、星曜派は多くの星の細かな象意を用いて分析し、飛星四化派は強引に四化を飛ばして吉凶を判定し、欽天四化派は來因宮と生年四化と自化で、生来の特質と運命運勢をあるがままにみていくものです
言わば、違う種類の命術と申しても過言ではないのです。
その異なるロジックで看命しても、ほぼ結果はイコールになるのですから、紫微斗数は素晴らしいと思っています。
(とは言うものの、わたくしは四柱推命が好きです。干と干との関係、調候、通関等は自然の摂理を深く味わうことができますし、親、兄弟、配偶者、子供などの六親の厚薄吉凶は、四柱推命のほうが分かりやすいと思うからです。)
きょうもお読みいただき、有り難うございました。
芦屋占い処・占風鐸 代表 田中宏明
芦屋占い処・占風鐸