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絵を見ただけで私を知り尽くしたと思うな!
孤児だね。そのことだけで私が君の気持ちをわかると思うか?
(「グッド・ウィル・ハンティング」)
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様々な知識でもってセラピストを煙に巻いてきた主人公に対して
心理学者が放った言葉です。
彼は続けてこう言いました。
「君のことを話せ。君自身のこと以外は聴くつもりはない。」
絵を見て分析することはできます。
けれども
それが全てではない。
生い立ちから見立てを行うことはできます。
もちろん、それもその人の全てではない。
その人のことはその人から学ぶしかないのです。
至極あたりまえのことなのだけれど
うっかり忘れているなぁという場面に出くわすことがあります。
一方向から光を当て、自分の知識に照らし合わせて
相手を決めつけてしまっているような場面です。
決めつけた方は得意気ですが
決めつけられた方は釈然としない。
だって「そうじゃない」から。
理論を学ぶことは大切で
それに照らし合わせて見立てることも大切ですけれど
見立ては見立てに過ぎないこと
相手のことは相手に聞く、相手から感じとるしかないこと
常に反芻し
折に触れ、繰り返しお伝えしていることです。