最近思うことですが
信頼というものは
実はなかなか壊れないものなのじゃないかと。
人は少なからず、相手に期待するもので
期待したこととあまりにもかけ離れた行動を、相手がとったとき
「そんな人だと思わなかった!」
とか
「裏切られた!」
と感じてしまう。
けれども
そこで「信頼が壊れた」と結論づけるのは
早いのではないかと思うのです。
怒りや痛みを持ったままでは
自分のその他の感情はおざなりになります。
一度しっかりと築いた信頼は
怒りや痛みよりももっと奥底に、実は潜んでいるのではないかしら。
逆にいうと
本当に信頼が壊れてしまったということは
そもそも、しっかりと築けていなかったのかもしれない。
この先は
プロ向けの、少し固い(厳しい?)お話になります。
セラピストとクライエントの信頼関係を『ラポール』といいます。
それは、安心して感情の交流を行うことができる信頼関係です。
わたしたちカウンセラーは、
クライアントとのラポールがとても大切ですが
自分の対応が不適切で、それが崩れてしまうときがあります。
本当に崩れてしまったのかどうかは
実は、そのときにはわからないことが多いです。
クライアントが怒りや痛みでいっぱいの状態だからです。
じっくり検討してみる必要があります。
その上で、本当に崩れてしまったのならば
しっかりとラポールが築けていなかったということなのだと思うのです。
そこできちんと反芻し
実際には、どの程度ラポールが築けていたかを再検討しなければならない。
相手とラポールがどれくらい築けているかを見極めることも
カウンセラーとしての力量です。
さらに言えば
不適切な対応というのは
その読み間違いからくることもあるのです。