衣装体験の概要

体験日:2017年9月30日

時間:11時30分から12時

黒田装束店さんの重ね袿

体験料金:14000円(税込・斎王代風の十二単の料金に含む)

上かつら追加料金:15000円(税込・斎王代風の十二単の料金に含む)

メイク追加料金:8000円(税込・斎王代風の十二単の料金に含む)

衣装の内容について

平安時代の女性の常装としての重ね袿姿。

小袖:白色

袴:濃色の長袴

単:深緑色

五衣:紅葉襲ね

打衣:赤色

袿:蘇芳色

実際に衣装を着付けられて

2017年9月30日、黒田装束店さんでの斎王代風の十二単の衣装体験と十二単の衣装体験が終わった後に、店長様のご厚意で唐衣と裳を脱いだ状態での重ね袿姿の写真の撮影もして頂けると言う事で十二単の衣装体験に引き続けられる形で重ね袿の衣装体験をする形になりました。

 

十二単の衣装体験に続く形での重ね袿の衣装体験は体験している時間に余裕がある時のみ対応されていると言う事でこの時には十二単の衣装体験が終わった後の時間としてはまだ余裕がある状態ではありました。 実際の撮影時間と言う意味では10分あるかどうかでしたが、写真を撮影する分には十分な時間であろうと感じさせられました。

 

 

重ね袿姿になると言う事で店長様と奥方様に唐衣と裳を脱がせて頂いてから唐衣と裳が畳まれてから重ね袿姿での衣紋が整えられての完成になります。 重ね袿姿になると紅葉襲ねの五衣の色目が綺麗に出て来て、蘇芳色の表着の色も表に出て来る形になって、斎王代風の十二単や十二単の姿の時に比べるとまた違った雰囲気に仕上がって来ます。

 

 

蘇芳色の表着は一見すると落ち着いた色目に見えますが、実際に着ていると想像していた以上に上品且つ華やかな雰囲気に見えています。 平安装束の形になると適度に地味さが抑えられて上品且つ華やかな見た目になって来ます。 平安装束と言いますか有職織物の形になると立体感が生まれるので色全体に深みが出て存在感が増して来ると言うのかそのような感じです。

 

 

希望していた蘇芳色の表着を単独で登場させることが出来ましたが、蘇芳色の表着の存在感が強くて、重厚でありながらも上品な物になっていて重ね袿姿でも体験する事が出来て改めて良かったと感じました。 深緑色の単に紅葉襲ねの五衣、赤色の打衣に蘇芳色の表着と重なっていますが、全体的に深い蘇芳色になる形の中に差し色として紅葉襲ねの五衣が入る事で蘇芳色の表着の存在感が引き立てられています。

 

 

蘇芳色の重ね袿姿ではありますが良くある体験用の物で見られるような色目ではないと言う事で本物の平安時代の衣装の雰囲気が伝わって来るのではと思いました。 映像作品の平安貴族がこのような濃い色の袿を着ている事がありますが、まさにその雰囲気に仕上がっているのではと感じました。

 

 

実はこちらの蘇芳色の表着は裏地の仕様等の違いで別に存在していると言う事ですが、それでも少数の制作になっていて一般層の方が体験出来る衣装としてはかなり希少価値の高い物になっていると言う事を店長様に言われました。 一昔前の時代では体験したくとも出来ない物でしたが、平成時代、それも末期の頃になると情報化社会になったと言う事でこのような感じで衣装体験の場で体験出来るようになった事が時代の進歩になっているのかなと思いました。

 

 

蘇芳色の表着はまだ体験用として出された回数が少ないのか皺のような物は無い状態で仕立てとしてもとても良い物になっています。 この点は流石は江戸時代から続いている老舗装束店で京都品質の物であると言うのが伝わって来ました。 近年ではこのような平安装束が挙式や婚礼写真用でも使われる事があって、京都と言えば舞妓変身の名所と言うよりは婚礼写真の名所になりつつあるのかなと言うのが街を歩いていても伝わって来ます。

衣装の組み合わせのお勧めは

 

黒田装束店さんでの十二単の衣装体験に続けられる形の重ね袿の衣装体験の場合は特に仕様を希望していない場合は店長様の任意で選ばれた2種類の単と表着と唐衣が用意されてそれらの中から選ぶ事になります。 重ね袿姿は十二単の衣装体験の終了後の対応になる為、袿は十二単の表着がそのまま使われる形です。

 

この時には私の友人の方が黒田装束店さんに訪問された際に選ばれた蘇芳色の表着が着たかったと言う事で予約の電話をした際にそれを希望して用意して頂く事になりました。 蘇芳色の表着は他所の店舗では余り見られない設定ですので物珍しさも含めて体験してみたいと思いました。

 

 

表着は萌黄色と朱鷺色と山吹色と今回選んだ蘇芳色の物は見た事がありますが、こちらの記事を再編集している2022年の現在ではまた新たに制作されたと言う話も聞いていてそれも気になっていたりします。

 

重ね袿姿でのお勧めは色目としても可愛い物である朱鷺色の表着になりますが、この時は斎王代風の十二単や通常の十二単の衣装体験で蘇芳色の表着の物が着たくてそれを選んだと言う事で蘇芳色の重ね袿の衣装体験をする事になりました。

メイクの設定

 

メイクは奥方様にして頂きましたが、以前、2016年7月に訪問した際には汗衫の衣装体験をする事もあって、少女を意識して可愛くメイクして頂いたのですが、その時のメイクが余りにも可愛くて良い意味で印象に残っていた事もあってそれを再現して頂こうと言う事でメイクして頂きました。 2017年に体験したと言う事で私の年齢は39歳ではありましたが、実年齢よりも20歳以上若い設定のメイクを希望した形になります。

 

 

メイクは良くある舞台用のドーランベースの物になります。 メイク道具の撮影は禁止されていましたが、良くある時代行列の姫役の設定の舞台メイク系の化粧品が置かれていました。 希望をしたら平安時代の成人女性風の殿上眉のメイクもして頂けるのですが、メイクと言う意味では現代的と言いますか若年層の少女的な設定での衣装体験をしたいのか、他の店舗での衣装体験の場合を含めても通常の眉毛の設定で描いて頂いている状態です。

小道具の設定

 

小道具は史実とかけ離れていない物であれば持参は可能ですが、斎王代風の十二単とは異なっていて榊の造花は使わずに菊の造花と店舗側で用意して頂いた檜扇を使用しました。

 

店舗側で用意される小道具としては檜扇になりますが、平安時代を意識してなのか房の飾りの無い物が用意されました。 房の飾りの無い檜扇が用意される場所と言う意味では他所でも時々見られますが、良くある房の飾りのある檜扇とは違う重量的に軽い檜扇になっています。

自由撮影

 

最初に立ちでの構図で檜扇に菊の造花を合わせた構図で撮影して頂きました。 その後に座りでの構図の撮影をして頂きました。 座りでの構図も檜扇と菊の造花を小道具として使わせて頂きました。 立ちでの構図と座りでの構図と両方で撮影して頂いて十分な位に撮影をして頂く事が出来て衣装体験としてもかなり濃厚な内容になりました。

 

 

檜扇は平安時代式の物が斎王代風の十二単の衣装体験から通しで使われましたが、近代式の檜扇と比べて檜の板の枚数が少ないのか、それとも檜の素材の質が良いのかは分かりませんがかなり軽い物になっています。 衣装の重量があるだけに檜扇が軽いと扱いやすくて改めて欲しいなと感じました。

 

 

小道具としては先述にもある通りに秋の重陽の節句の時期を意識しての菊の造花と言った感じで持ち込ませて頂きましたが、重ね袿姿と言う意味では十分な収穫と言わんばかりの衣装体験になったのではと思わせられます。 先述にも書いていますが蘇芳色の袿は本当に珍しい設定の色目ですので貴重な体験をさせて頂いた形になります。

まとめ

 

斎王代風の十二単の衣装体験の続き、十二単の衣装体験の続きと言う言わば副産物的な物としての重ね袿の衣装体験をしましたが、斎王代風の十二単と通常の十二単と重ね袿と一度で三度も美味しいと言う大満足の内容になってとても良い思い出が出来ました。 蘇芳色の袿は他所の店舗では殆ど見られないだけにこの機会に体験して本当に良かったです。

次回訪問するのであれば、十二単か汗衫か男性用の平安装束になるのかは分かりませんがまた何らかの機会で黒田装束店さんには訪問したいと思っていますが、令和時代に入ってからはまだ訪問が出来ていない事もあって時期と時間を合わせて行ってみたいと思っています。