「土地は、持っていれば安心」


「土地活用は、他と同じように、アパートを建てさえすればいい」

そんな時代が、かつてはありました。


けれど今は、“土地の活かし方”が問われる時代です。


こんにちは。
FPふたむらたけしです。


「土地と制度シリーズ ─ これからの“土地のリアル”を一緒に考える(全6回)」も第4回となりました。


ここまでの3回では、

  • 土地の価値の裏側(地価公示など公的価格)
     

  • まちの線引きを決める制度(立地適正化計画)
     

  • 相続税計算の仕組みと地域格差(小規模宅地の特例)

という3つの視点から、「土地の価値を決める目に見えない力」について整理してきました。
 

今回はそこから一歩進めて、これからの時代に「地主さん」や「土地を持つご家族」が、どんな考え方で土地を活かしていけばいいのかを、一緒に考えてみたいと思います。


先祖代々の土地を持つ女性から相談され、立地適正化計画などのまちづくりビジョンから、新たな土地活用の方向性を一緒に考えるFPふたむらたけし

 


🧭 「選ばれる土地(場所)」の時代へ

少子高齢化・人口減少が進む中で、これまで当たり前だった「土地を活用する=アパートや賃貸マンションを建てる」が通用しなくなってきました。
 

同じ地域でも、

  • 人が集まり続けるエリア
     

  • 空室や空き地が増えるエリア

がはっきり分かれるようになってきています。


これからは、“選ばれる土地(エリア)”で"必要とされる活用方法"を行わなければ安定した賃貸経営が難しい時代です。


ただ単に「活用する」ではなく、「地域に必要とされる活用方法」であるかが問われるようになりつつあります。

 


🏙 まちづくりの方向性を知ることが、第一歩

土地をどう活かすかを考える前に、まず知っておきたいのが地域のまちづくりの方向性です。
 

たとえば、愛知県内でも、

  • 公共交通など生活インフラを守るために、住宅を一定区域に誘導している自治体
     

  • 医療や福祉施設を「まちなか」に集約しようとする自治体

    などが増えています。
     

ご自身の土地がこうした“都市計画の地図”の中で、どんな位置づけにあるのか──

そこを知ることが、「これからの土地の活用方法」を考えるうえでの第一歩になります。

では、こうした時代の中で、土地を持つ人はどんな姿勢で向き合えばいいのでしょうか。

制度は国や自治体が決めるものですが、その中で“自分の土地をどう生かし守るか”は、私たち一人ひとりの選択です。

 


🌿 これからの土地活用に必要なのは「地域と共存する視点」

これまでの地主さんの土地活用は、「節税効果」を中心に考えられてきました。


けれど、これからの時代に必要なのは、

「地域の暮らしにどう貢献できるか」という視点です。


たとえば──

  • 高齢化が進む地域なら、「見守り拠点」や「地域医療と連携した賃貸」
     

  • 若い世代が流出する地域なら、「子育て世帯が住みやすい住宅」や「地域交流スペース」

土地の価値は、「地域の課題とどう結びつくか」で生まれ変わります。
 


💡 「社会的価値」と「経済的価値」は両立できる

「地域に貢献する」と聞くと、無償やボランティア的なイメージを持たれがちですが、そうでもありません。
 

きちんと賃料を受け取り安定的な収益を得た上で、地域に貢献できる土地活用方法は、アパート・賃貸マンション経営以外にも色々とあります。


節税のために大きな借入をして、空室の発生や修繕費の負担を心配しながら行う土地活用方法ではなく、長い目で見て地域に貢献できる土地活用方法が、長期的に経済的な安定につながるのです。


これが、これからの地主経営の新しいカタチです。
 


🌱 “地域に選ばれる地主”になるための3つの視点

1️⃣ 地域の課題を知る

 市の「まちづくりビジョン」や「立地適正化計画」をチェック。
 → ご自分の土地がどんな役割を持てるのかを知ることから始めましょう。


2️⃣ 長期視点で考える

 目先の利回りより、「10年後・20年後も使われ続けるか」で判断する。
 

3️⃣ 地域とのつながりをつくる

 自治体・地元企業・医療・NPOなどとゆるやかに関わることで、思いがけない活用のチャンスが生まれます。
 


💬 行政まかせでも、節税まかせでもない「地主の時代」へ

これからの土地活用は、他者まかせでも、節税ありきでもなく、地主さん自身が“地域の一員としてまちづくりにどう関わるか”が問われる時代です。

行政が「地域をどのようなまちにして行きたいのか」の方向性の中で、地主が「このまちづくりの中で、自分の土地をどう活かすか」を考える。
 

その両輪がかみ合ってこそ、まちは持続可能になります。


そしてこれからは、「新たなまちづくりの方向性の中で、あなたの土地だけでなく、まちの中の全ての土地の価値を育てる」時代です。


そして、あなたの土地が、家族にも地域にも「ありがとう」と言われる存在になる。

それが、数字ではなく“思い”で守られる資産のかたちです。


🌾土地の価値は、数字や制度だけで測れるものではありません。

そこにある思いやつながりこそが、“生きた財産”を形づくります。

家族の思い出と地域とのつながりを大切にしながら、これからも無理なく所有地を活かし続ける道を一緒に探していきましょう。
 


🌱 アパート経営・土地活用・相続対策の不安を整理し、あなたの土地が「これからも生かされ続ける土地」になるよう、一緒に考えて行きましょう。
 

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ふたむらたけし事務所

 

二村 猛(ふたむら たけし)
CFP®/1級FP技能士/宅地建物取引士


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