武田双龍の美しい文字を身につける方法

武田双龍の美しい文字を身につける方法

書道家・武田双龍主催書道教室「ふたばの街」で指導しています。
全国に支部を持つふたば書道会の理事長です。2017年2月14日にリニューアルし、「文字を美しくするブログ」に特化していきます。双龍の作品や日常はインスタグラムorフェイスブックをご覧下さい。

初等科師範二次


推奨書道道具

◉半紙

【楷書】七城

  にじみにくく、かすれにくく、厚手で筆が引っ掛かりやすいので、掘るように書く楷書に向いています。

高級紙なので非常に墨色が美しくなります。


【行書】長陽

  にじみやすく、かすれにくい、薄手でツルツルしているので筆を滑らかに動かす行書に向いています。


◉墨汁

 楷書・行書ともににじみにくい書芸呉竹がおすすめです。


◉筆

  楷書・行書ともに、細い線も太い線も非常に美しく書くことができる道真がおすすめです。



楷書作品・行書作品、共通のコンセプト


ふたば書道会の上級楷書作品を"手本無しで"書くことが求められます。


共通の審査ポイント

1、位置と大きさのバランスの良さ

  半紙に4文字の場合は、文字の高さがばらついてしまいがちです。横の位置の高さを揃えましょう。

ふたば書道会では、左に支部・段・氏名を書きますが、

その部分を開けずに本文を半紙いっぱいに書くようにしましょう。


2、正方形・左右対称・均等であるか

  一次試験と同様です。半紙に4文字の場合は、それぞれの文字の枠が縦長いので、文字自体が縦長くなってしまいがちです。


3、筆圧が強いか

  一次試験と同様です。細い線であっても強く書くように練習しましょう。

細い線の書き方



4、「すきま」が作れているか

  ふたば書道会の上級手本は、線と線の間にすきまがあります。

この内容は無料動画では公開していませんので、

正確に学びたい方は有料動画に申し込みましょう。

お申し込みはこちら

※すきまについて解説している月とそうでない月があります。


5、基本的な筆法

  一次と同様です。一次以上に美しい筆法が求められます。


6、主画の意識

  一次と同様です。


7、小筆の技術

  一次と同様に、中心を通し、大きさを揃え、主画を意識し、丁寧に書きましょう。


楷書と行書の違い


1、露鋒と中鋒を書き分ける

楷書は露鋒、行書は中鋒です。

露鋒と中鋒



2、三折法と二折法を書き分ける

楷書は三折法、行書は二折法です。

三折法と二折法


3、横線の斜め上り

  楷書は横線が全て平行に斜めに上がり、

行書は横線がバラバラに斜めに上がります。


4、行書では「滑らかに」書く

  楷書は一画一画丁寧に書き上げていきますが、行書はぬるぬると書きます。

初等科師範試験一次について




​推奨書道道具

◉白水半紙

  にじみにくく、かすれにくい、最も書きやすい安価な半紙です。


◉書芸呉竹、普通濃度

  開明書液や大器墨汁はにじみやすいので、にじみにくく、黒の色がはっきりと出る書芸呉竹がおすすめです。


◉漱石(筆)

  太い線が書きやすく、ハネ先や払い先が美しく出やすいです。双龍はこの筆を使用して子ども大筆手本を書いています。


問1について

幼児から2年生で手本で出題される平仮名を"手本あり"で正確に似せることができる技術を審査いたします。


審査されるポイントは以下の通りです。


1、二文字の中心、位置

  半紙に対して、正確に真ん中に書けているかを審査いたします。折り目がある状態で提出しても構いません


2、線の太さ

  子ども手本はとにかく太く書けるかどうかが非常に重要です。手本よりも太くなってもいいですが、細くならないように書きましょう。


3、文字の大きさ

  子ども手本では元気良く大きく書くことが求められます。手本よりも大きくなっても構いませんが、小さくならないように大きく書きましょう。


4、形が似ているか

  平仮名は書道会や学校によって形が異なります。"ふたば書道会の"認定試験ですので、できるだけふたば書道会で使用される平仮名で書きましょう。


5、墨量の多さ

  にじまずにカスレない範囲の墨量を審査します。にじむかにじまないかのギリギリのラインを狙いますが、カスレるより、にじむ方が良いです。


墨の付け方の動画


6、名前部分

小筆の使い方と形を審査します。

大筆に比べ、小筆は墨は少なめの方が書きやすいです。

毎年4月に掲載されている子ども平仮名の手本を見て、正確に似せましょう。

中心が美しく整っているかどうか、大きく太く書けているかどうかも審査いたします。


問2について

ふたば書道会の5、6年生の手本のような文字を"手本無しで"書きます。


審査ポイントは以下の通りです。

1、2文字の中心

  問1と同様、2文字の中心が正確に位置しているかどうかを審査いたします。こちらも折り目がある状態で提出して頂いても構いません。


2、線の太さ、大きさ

  問1と同様、できるだけ大きく太く書きましょう。


3、横線の斜め上りの平行さ

  楷書を美しく見せるためには、平行に斜めに上がる横線が非常に重要です。1文字の中だけでなく、2文字全体の横線が全て平行になるように書きましょう。


4、墨量の多さ、にじまない線

  問1と同様、できるだけ美しい墨量で書きます。にじむかにじまないかのギリギリのラインを狙いましょう。


5、露鋒

楷書の特徴である露鋒の技術を審査いたします。

全ての線で露鋒になるように意識しましょう。

露鋒と中鋒


6、正しい筆法

以下の動画を参考にしましょう。

横線の書き方

縦線の書き方

左払いの書き方

右払いの書き方

ハネの書き方

点の書き方


7、正方形・左右対称・均等であるか

「風車」


「美化」


8、主画を意識できているかどうか

主画とは


9、名前部分

  問1と同様、中心を通し、文字間を整え、本文と同じポイントを意識して書きましょう。


問3について

ふたば書道会のマス目用紙を使い、手本に掲載されている子ども硬筆を正確に書写します。


審査ポイントは以下の通りです。


1、文字の中心が取れているか

マス目の中の真ん中に書く考え方


2、大きく書けているか

手本より大きくなるほど、大きく書きましょう。


3、形が似ているか

ふたば書道会の平仮名の形にできるだけ似せましょう。


4、筆圧が強いか

書いた文字の部分の紙の裏を、指で触ると線の部分がザラザラと出っ張るほど強く書きましょう。


問4について

三行の用紙を使い、ふたば書道会の中学生(2年・3年)の文章手本のような作品を"手本無しで"書きます。


審査ポイントは以下の通りです。


1、中心が取れているか

行に文章を書く方法


2、漢字の形が美しく整っているか

主画を意識し、文字が正確に美しく書くように心がけましょう。


3、正方形・左右対称・均等であるか

行に縦書きで書くと文字が縦長くなってしまいがちです。

横線と横線の間の空間を詰め、縦線を短く書くように意識しましょう。


4、平仮名の形の美しさ

こちらで使用して頂きたい平仮名は、大人平仮名です。

毎年4月号に掲載されている手本を参考にしましょう。








こんにちは、こんばんは。

双龍です。


本日は楽しい仮名トレーニング方法をお伝えします。



関戸本古今集を原本どうりに臨書します。

※臨書…古典を書写すること


その後、"自分ルール"を設けてアレンジします。




自分ルール

1.文字の形はそのまま

2.文字の大小と配置を変化


仮名は特に、練習すればするほど上達します。

質も大事ですが、量をこなす方が大切です。


楽しみましょう!