昨日この本を読み終えるまで、ぼくは、「現世でない世界」「前世」「転生」について半信半疑だった。


 それが今日は、ある種の確信に変わった。
 この本は1999年に発行された本なので、今はもう少し理解の深い本があるかもしれないが、それでも今のぼくには十分だった。本書は、「前世」や「生まれる前の世界」に科学的に迫った本だ。

 

 



 前世の記憶退行催眠で見た「前世」、臨死体験で見た「中間世」のイメージ、をそのまま事実として捉えるのは少し乱暴だ。とぼくは思っている。
中間世」とは、生と生の間、「生まれる前」「死んだ後」の世界のことだ。

 ただ、この本を読んで「転生の有無」を疑うのをやめた。

 何か大きな世界の存在を認めざるを得ない。もちろん、この本にも書いてあるように「絶対あるから信じなさい」と押し付ける気持ちは、全くぼくにもない。
 ただ、ぼくの中で、何かがひとつ実ったような感覚だ。


 「前世の話」や「今世が学びであるという話」などは、ぼくは知らない方ではなかったと思う。
テレビでも本でもネットでも好んで情報を集めた。

 ただ、どこか、上手に生きるために必要な「自己啓発」の類だと思っていたところがあった。思想的、宗教的な、そうでなければエンターテイメント的な。

 しかし、どうやら、そんな表面的な話ではないようだ。この本を読んで考え方が変わった。

 「現世を生きるための知識」にとどまらないように思う。
 「物質世界ではない世界」の存在を感じる。
 何を馬鹿なことを、と思われるかもしれないが、実際に現場にいた研究者の方々も最初はそう思ったのではないかと、ぼくは推測する。

 そんなものだと思う。
 そのうち、否定するには、あまりにも材料がそろい過ぎていることに気が付く。 


 現世で生きている人間のバックには「見えない大きな世界」が広がっている。
 そしてこれは、思っていた以上に信ぴょう性が高い。
 まったくすべてが真実だとは思わないが、真実なものがあると思えた。

 
■前世は証明できないのか? 

 

 前世の話を耳に聞くたびに、いつも考えていたことがある。

 前世の「記憶の中の人間」が実際にいたかどうか、裏を取ればいいのでは?という事だ。

 「前世がある」「ない」と、想像だけで議論をしていても前には進まない。物証をそろえれば信じざるを得ない。
 たくさん前世の記憶のデータがあるのなら、ひとつずつ確認していけばいい。どうしてそれをやらないのか。


 と思っていたら、実際に調査されていたらしい。


 
 ■前世の記憶を持つ子ども、あざとカルテ

 1994年頃、イアン・スティーブンソン博士は、前世の記憶を持つ子どもを調べ、十七人について、証言や「あざ」から前世の人物を特定している。現世の体にあるあざと、前世の死亡原因のケガの跡の一致を、医療機関に残っていたカルテで確認。

 ■生存者に確認
 サトワント・パスチャ博士は、前世の記憶を持つ人物45例の内38例で、前世での名前をつきとめることができ、生存する関係者によって証言の確かさが実証されたとしている。
 時代が近い転生では、前世だった人物を実際に知る人から話を聞く事ができる。

 ■多くの研究者
 この本には、ジョエル・L・ホイットン博士、ブライアン・L・ワイス博士をはじめ、10人以上の研究者の調査した「前世」や「中間世」「ガイド」の事例が紹介されている。
 もちろんすべてを鵜呑みにすることはできないが、多くの大学教授の科学的な検証例を紹介してある点で信ぴょう性が高い。

 ■故人を呼び出す実験(霊視ではない)
 レイモンド・ムーディー博士の「故人と会う実験」も興味深かった。古代ギリシャで行われていた方法で鏡を使う「鏡視」と呼ばれるものだ。これは霊能者である必要はない。実験室で故人との対話を可能にした実験だ。科学的な器具は使わない。
 今でいう「チャネリング」に近いのかもしれない。オーラを見る方法にもよく似ていると思う。

 ■退行催眠に見る前世

 退行催眠により前世を見ることができると言われている。ここで見ているものが全て前世の記憶かどうか、ぼくにはわからないが、「他人の記憶との一致」「歴史的事実との一致」 など、例え肯定しきれないとしても、否定が妥当でない事例が多くある。

 

 ■臨死体験に見る中間世

 中間世のイメージが人によって違い、一致しないのは、意識世界の自由度のせいだと言われている。ただ、故人やガイドと会い、臨死体験時にしか知りえない事実というものを、持ち帰る人たちがいる。

 

 ■霊視

 霊視の能力を持った人たちの話題も出てきた。
 本書にはあまり登場していなかったが、この話題はこの話題でボリュームのある話題なので別の機会にたっぷりしたい。

 ■ガイドの存在
 退行催眠で、中間世でガイドの話を聞いた事例も紹介されていた。「守護霊」や、今でいう「ハイヤーセルフ」というものだと思われるが、ガイドに「世界の仕組み」や、「転生の目的」を訊ねた例なども紹介されていた。
 現世で生きる人間は、いろんな目的や課題を持って、精神世界に見守られ、応援されながら生まれてきているらしい。


 最終的に学ぶべきものは「愛」なのだろうか。
 同じことを言っている事例が多いように思う。
 

 信じる事であり許すこと。
 これが大きな目的なのだろうか。



 前世を信じてみたいけど確証がない
 と、思っている人には、ぜひ読んで欲しい一冊だ。
 
 もう一歩先へ行ってみたくなる。




 本書作者の先生 飯田文彦先生 
 http://iidakenkyusho.jp/


 いままで、こういうたぐいの話題にあまり興味のなかった人が初めて読むなら『ツインソウル・完全版』が読みやすいらしい。

 

 

それではまた。
次は、ヒプノセラピーだ。


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