冬寒く、夏むし暑い我が家。山を削ってできた盆地の中にある。風あれば、家より外が気持ちいい。ぶらっと外に出る。

 

還暦から古希まで一気に過ぎた。ここまで生きるとは思ってもいなかった。そこから後期高齢になり、75の壁を知った。引きずるような足の運び。肩のこわばり。上半身の重さ。これがみなさんのおっしゃる壁なんだ。今度は80の壁だ。

 

マジックはキレが大事。まっすぐ立てない人がやってはいけない。お客さんを心配させてはいけない。やっぱり引退しなくては。

 

とにかく走るのはおろか、歩行能力が落ちている。階段多い我が団地、手すりを持たなくては上れない。「こんにちは」と声かけて、私の横を駆け上って行った小学生がまぶしい。

 

階段を上る吾の横少年は八倍速で駆け抜けてゆく   神田民司

6月30日中日歌壇、島田修三さん選