上下巻あり、上巻を友人から借り、下巻は文庫本を買った。

豊臣秀長は、秀吉の弟で1540-1591である。

(秀吉1537-1598)

 

この秀長という人はあまり知られていないが、この小説の副題にあるとおり

「補佐役」つまり生涯秀吉の補佐をした男です。

 

秀長を通じて織田政権と豊臣政権の時代を書いています。

現在の経営組織におけるリーダーシップと重ねながら考察しています。

 

妻の先祖に「日高為晴」という人がいて、この人は1549-1610と

まさに秀長の同時代なので、この先祖がどのような時代に生きたのかを知るという興味も持って読んだ。

(為晴は、島津義弘に仕えて、17世紀初頭に高山―現在の肝付町ーに赴任している)

 

下巻で印象に残った個所です。冒頭の数字は該当のページです。

125 軍事行動には金がかかる。

139 戦で最も難しいのは見切りをつけての撤収だ。

144 全国が少数の巨大勢力圏に分割されてきた時代。

154 信長に耐えかねた例。最初が荒木村重で最後が明智光秀。

175 秀長の晩年は、新旧両派の調整に多くを費やした。

249 心理戦となれば、教養人の光秀より苦労人の秀吉のほうに分がある。

325 生涯100回以上戦場に立ったが、一度として失敗したことがなかった。

329 秀吉が残忍な処刑をするのは秀長の死の直後からだった。

 

文庫本の末尾の解説は、小林陽太郎(富士ゼロックス会長)が書いている。